女子ワールドカップ決勝戦を欠席したウィリアム皇太子に批判続出。シャーロット王女と動画で謝罪するも、「女子のスポーツを軽視している」と非難やまず

スペイン代表とイングランド代表の対戦となったFIFA女子ワールドカップ2023決勝戦。両国が初優勝をかけて争う歴史的な1戦となったが、イングランドサッカー協会(FA)の会長を務めるウィリアム皇太子(41)の欠席について、英国内で批判が続出。それに対する皇太子の反応に注目が集まった。

2023年8月20日(現地時間)、シドニーのスタジアム・オーストラリアにて行われたFIFA女子ワールドカップ2023の決勝戦。イングランド代表は0−1でスペイン代表に敗れ、準優勝に終わった。

今大会でイングランド代表は8月16日(現地時間)、準決勝戦でオーストラリアを3−1で下し、決勝に進むことが確定。ウィリアム皇太子(41)は「驚異的なパフォーマンス」だったと、祝福のメッセージをX(旧Twitter)に書き込んだ。

しかし、現在、恒例の夏季休暇中というウィリアム皇太子は、決勝戦に出席しないことをケンジントン宮殿が発表。女子のスポーツを軽視しているのでは?という批判にさらされることに!

 ウィリアム皇太子、シャーロット王女
ウィリアム皇太子の幼い頃にそっくりだと話題のシャーロット王女。2023年6月「トゥルーピング・ザ・カラー」では仲良し父娘を披露 Photo:Getty Images

それを受け、ウィリアム皇太子はライオネスィズの愛称で親しまれるイングランド女子代表選手たちに向けて、決勝戦前日の8月19日(現地時間)、SNSに動画を投稿。

サッカーボールを膝にのせた長女シャーロット王女(8)と仲良くベンチに座り、“欠席”について言及した。

「ライオネスの皆さん、明日に向けて大きな幸運を祈りたい。私たちが直接、その場にいられないのはとても残念だが、あなたがたが成し遂げてきたすべてのこと、そしてここ(イングランド)と世界中の何百万もの人々を勇気づけていることを誇りに思います」と語りかけたウィリアム皇太子。

「だから、明日はそこで思い切り楽しんできてください」という激励の言葉に続けて、シャーロット王女が、「がんばって、ライオネスィズ」と笑顔で付け加えた。

キャサリン皇太子妃、ウィリアム皇太子
2022年12月、ボストンで行われた「アースショット賞」授賞式にて Photo:Getty Images

英『BBC』によると、ロイヤルファミリーが決勝戦に出席しないのは、非常に短い滞在のためにかかる旅費と、長距離の移動を避けるという環境への配慮からだという。

ウィリアム皇太子は地球環境賞「アースショット賞」の創設者で、ロンドンからシドニーまで22時間という長時間のフライトは、気候変動への取り組みに反すると考えられている。

サリナ・ヴィーフマン、ウィリアム皇太子
2023年6月、イングランド女子代表のトレーニングにサプライズ訪問したウィリアム皇太子。サリナ・ヴィーフマン監督(53)に勲章を授与した Photo:Getty Images

しかし、FA会長というウィリアム皇太子の立場を考えると、もしこれが男子の決勝戦でも同じ決断が下されただろうかと、政治家やジャーナリストをはじめ、多くのサッカーファンが疑問視。ネット上で「FA会長なら出席すべき」という意見が相次いだという。

ウィリアム皇太子、ライオネス
2022年6月、代表合宿中のライオネスィズを訪問。子どもたちの名前入りのユニフォームをプレゼントされたウィリアム皇太子は、シャーロット王女はゴールが得意というエピソードを披露した Photo:Getty Images

さらに、英紙『Independent』の報道によると、動画にシャーロット王女ひとりを同席させたことに対しても一部で議論に。

作家で活動家のショラ・モス=ショグバムム博士(47)は、「FA会長でありながら、ライオネスィズの応援に行かないという嘆かわしい決断の批判をかわすために、シャーロット王女を盾として使うのは、ステレオタイプな性差別主義であり、家父長制的である」と強く非難。

ジョージ王子、ウィリアム皇太子
プレミアリーグ、アストン・ヴィラの大ファンとしても有名なウィリアム皇太子。2023年4月、ジョージ王子と試合を観戦 Photo:Getty Images

ジャーナリストのプールナ・ベル(42)も、ウィリアム皇太子が息子のジョージ王子(10)とルイ王子(5)を動画に登場させなかったことは、「女子スポーツは女子のものだという考えが根底にある」とXでコメント。スポーツにおける「ジェンダー・ギャップ」が幼少期から始まることの一例だと指摘した。

しかし、2022年夏にUEFA欧州女子選手権でイングランド代表が優勝する前にも、ウィリアム皇太子とシャーロット王女はライオネスたちの健闘を祈る同様のビデオを投稿していることから、今回の動画を批判するのは的はずれだと擁護する声もあるそう。

ウィリアム皇太子
2017年7月、ロンドンでサッカーのガールズプログラムに参加した当時ケンブリッジ公爵 Photo:Getty Images

決勝戦でスペインに敗れた後、「誰も望んでいなかった結果だが、@Lionessesはあなた方自身とこの国の誇りです」とXでチームに励ましと感謝のメッセージを送ったウィリアム皇太子。

「あなたたちのスピリットと意欲は多くの人々を鼓舞し、次世代への道を切り開きました。このフットボールの思い出をありがとう」と綴り、優勝国スペインに「おめでとう」と添えて、自身のイニシャルWで締めくくっている。

またチャールズ国王(74)も今回の敗戦を受け、代表監督や選手らに向けて、自身の「心からの思い」を王室の公式ウェブサイトで公開。その一部は、公式インスタグラムでもシェアされた。

しかし、男子が優勝した1966年以来の進出となるワールドカップ決勝戦に、王室メンバーが誰も出席しなかったことへの批判はおさまらず、サッカー界の男女格差を指摘する声も高まっていると英『Daily Mail』などが報じている。

一方で、スペイン王室はレティシア王妃(50)と次女ソフィア王女(16)が試合にかけつけており、優勝の瞬間を見届けた。

真っ赤なスーツに身を包んだレティシア王妃がうれしそうに選手たちとハグする様子や感極まった表情が注目の的に! 歓喜に沸く赤いユニフォーム姿の選手たちにまざって、トロフィーを高々と掲げる姿も話題となった。

なお、今大会でなでしこジャパンこと日本女子代表は、ラウンド16で敗退となったものの、2011年以来2度目となるフェアプレー賞を、さらに宮澤ひなた選手(23)が5試合で5得点を挙げ、得点王にあたるadidasゴールデンブーツを受賞。今後ますます女子サッカーが盛り上がることを期待したい。

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