俳優ブルース・ウィリスを忘れない! ハリウッドの第一線を走り続けたスターの名作&名言を辿る

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先月、失語症の発症を理由に、俳優業からの引退を発表したブルース・ウィリス(67)。『ダイ・ハード』シリーズなど、これまで数々の名作に出演してきた大スターの突然のニュースを受けて世界が激震!

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そんなブルースといえば、アクションスターとしてのイメージが強いものの、元々はコメディ俳優としてキャリアをスタート。映画『シックス・センス』といったホラー映画などでシリアスなシーンも抜群にこなすだけでなく、ミュージシャンとしても活動するなど、マルチな才能の持ち主でもある。

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スクリーンの外では吃音症に悩んだ過去を明かしたり、自身の薄毛に対して語ったりと、そのオープンさで多くのファンを魅了。プライベートでは、妻エマ・ヘミング(43)、元妻のデミ・ムーア(59)、5人の子どもたちから愛される、家族思いの夫&父として知られている。

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俳優としての技術に加えて素晴らしい人柄を誇るブルースの引退が報じられると、多くの俳優仲間からコメントとエールが続出。ファンだけでなく家族、そしてハリウッドの仲間からも愛されてきたブルースの軌跡を、今一度プレイバック!

1985年、ドラマ『こちらブルームーン探偵社』

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高校から演技を始め、オフ・ブロードウェイの『Heaven and Earth』で俳優デビュー。1985年に出演したシビル・シェパード(72)主演のドラマ『こちらブルームーン探偵社』では、見事3,000人の候補者から役をゲット。コメディ役者として一気にブレイク!

1988年、映画『ダイ・ハード』

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主役のニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンを演じた映画『ダイ・ハード』が、本国をはじめ世界で大ヒット。この役はアーノルド・シュワルツェネッガー(74)ら大物俳優が立て続けに断ったことが理由で、駆け出し中のブルースが破格の500万ドルという出演料でオファーを受けた。

それにより、ブルースはハリウッドで最も稼いでいる俳優の一人にステップアップ。さらに同作はアカデミー賞に4部門でノミネートされ、一躍アクションスターとしての地位を確立!

1990年、映画『ダイ・ハード2』

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前作の大ヒットによりスケールがさらに大きくなった『ダイ・ハード2』も見事、大ヒット。一層ダイナミックになったアクションシーンでブルースの身体能力の高さとスター性が浮き彫りになり、ハリウッドスター街道を邁進する。

1994年、映画『パルプ・フィクション』

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『ダイ・ハード2』以降は、様々な映画に出演するもパッとせず低迷期に陥ったブルース。しかし落ち目のボクサーを演じた映画『パルプ・フィクション』はカンヌ国際映画祭で最高の栄誉パルムドールを受賞するなど、90年代を代表する映画に。そんな大成功と相まって、同作で鮮烈な印象を残したブルースの人気と注目度が再び急上昇!

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同作で共演し、仲を深めていたというジョン・トラボルタ(68)は、ブルースの引退のニュースを受けて「ブルースと私は、私たちの最もヒットした2つの作品で共演して良い友人になった。そして数年後、彼は私に『ジョン、君に何か良いことが起きると、まるで自分に起きているような感覚になるんだ』と言ってくれた。彼は本当に心の広い人だ。ブルース、愛してるよ」とSNSでエールを贈った。

1997年、映画『フィフス・エレメント』

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『ダイ・ハード』シリーズの役柄のイメージを脱却しようとブルースが選んだのが、リュック・ベッソン監督(63)のSFアクション『フィフス・エレメント』。『ダイ・ハード』とはまた違ったタフさをアピールし、高い演技力と存在感を見せつけることに成功。

1998年、映画『アルマゲドン』

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世界中の観客の涙を誘い大ヒットを記録した『アルマゲドン』では、家族思いの父親を演じて新たな魅力を発揮。同作を手がけたマイケル・ベイ監督(57)は「正真正銘の映画スターだった。彼との仕事は大好きだった。本当に面白い男で、アドリブも最高。観客の視線をかっさらった」とブルースを称賛し、引退を嘆いた。

1999年、映画『シックス・センス』

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翌年には、アカデミー賞で6部門ノミネートを果たした大作『シックス・センス』でホラー映画に挑戦。それまでアクション映画で演じてきた強い男から一転、少年と心を通わせていきながら、切ない表情を見せる精神科医を熱演して演技の幅の広さを証明。新たな演技の境地を切り開き、演技派俳優としても知られるように。

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同作でブルースに負けず劣らずの演技力を発揮し、天才子役として名を馳せたハーレイ・ジョエル・オスメント(34)は「半世紀ほどのキャリアで、彼は僕たちの生活を豊かにしてくれた伝説の人。ブルースや彼の家族が、勇気と意志を持って進もうとしている。僕はそんな彼らに尊敬と深い称賛を示したい」とコメント。

また、監督を務めたM・ナイト・シャマラン(51)は「兄弟であるブルース・ウィリスに愛と敬意を。彼はこの先も、私が子どもの頃に壁に貼っていたポスターのヒーローそのもの」と愛のこもったメッセージを送っている。

2000年、ドラマ『フレンズ』

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マシュー・ペリー(52)との賭けに負け、ノーギャラで人気ドラマ『フレンズ』にゲスト出演することになったブルース。「コメディが一番難しい。人を笑わせるのは大変だからね」と語りつつもコミカルな演技が評判を呼び、なんと「エミー賞ドラマシリーズ部門ゲスト出演男優賞」を受賞する快挙を達成。

2000年、映画『アンブレイカブル』

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この頃「アクションに飽きた」と漏らしていたブルースは、再び『シックス・センス』のシャマラン監督とタッグを組み、スリラー映画『アンブレイカブル』に出演。超自然的パワーを持つヒーローを好演するも、インタビューでは「僕はとても弱い人間。感情的にも肉体的にも傷つきやすいんだ。(ヒーローのような姿は)これまでの出演作のイメージに過ぎない」と自身を表現した。

2004年、『オーシャンズ12』

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映画『オーシャンズ11』(2001年)に出演する予定だったものの、当時アーティスト活動に精を出していたブルースは、アルバムのレコーディングのために辞退。続編の『オーシャンズ12』に本人役としてカメオ出演すると、犯罪スペシャリストであるオーシャンズの作戦を絶妙に邪魔するというコミカルなシーンで観客を魅了!

2005年、映画『シン・シティ』

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2000年代は大作の主演が比較的少なかったブルース。しかし2005年のクライムアクション映画『シン・シティ』では、メインキャラクターのひとりである寡黙なヒーローがどハマり。改めて、見事なアクションと演技力の高さが評価されることに。

2007年、映画『ダイ・ハード4.0』

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12年ぶりのシリーズ新作となった『ダイ・ハード4.0』も世界でヒットを記録し、その人気の高さを証明したブルース。さらに同作では『ダイ・ハード』シリーズ初のスキンヘッド姿を披露! インタビューで薄毛について聞かれると「薄毛になったことは、僕も人間であるということを神が知らせてくれているようなもの」と語り、世界中から「カッコよすぎる!」と称賛の的に。

2010年、映画『エクスペンダブルズ』

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シルヴェスター・スタローン(75)、アーノルド・シュワルツェネッガーといったアクション界のスター俳優たちがこぞって出演しただけでなく、本人の実生活のエピソードを盛り込むなどの内容で大きな注目を浴び、全世界で大ヒットとなった映画『エクスペンダブルズ』。

2012年に2作目、2014年には3作目が制作されるも、ブルースは3作目を降板。その後シルヴェスターが「彼は強欲で怠け者」とブルースを批判したことで、ブルースが高額なギャラを要求していたことが明らかに。しかしシルヴェスターは「ブルースは人生を通じての友人。あれはフラストレーションから出てしまった言葉。喧嘩はしていない」と不仲説を否定した。

そしてブルースの引退発表後は、「私たちは長い付き合い。君と家族のベストを祈っている」とSNSでコメントし、2人で遊園地で遊ぶレアな写真を投稿してファンを喜ばせた。

2013年、映画『ダイ・ハード/ラスト・デイ』

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初作公開から25年が経った2013年、シリーズ5作目となる『ダイ・ハード/ラスト・デイ』が公開。幾つになってもアクションをバリバリこなして凄い!と騒がれるも、当時58歳だったブルースは「映画には2通りのアクションシーンがある。1つはスタントマンを使い、もう1つは俳優が自らアクションを行う。俳優は自分でやりたいものだが、僕はほかの人(スタントマン)にやってもらうんだ(笑)」と素直に告白して話題に。今回のブルースの引退で、ブルースが出演する『ダイ・ハード』シリーズは本作が最後となった。

2013年、映画『REDリターンズ』

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2010年に公開された映画『RED/レッド』の続編で、アンソニー・ホプキンス(84)、ヘレン・ミレン(76)といった大御所が揃い注目の的となったアクション映画『REDリターンズ』では、「三枚目に徹して、思いきり楽しく演じられた」と得意のコミカルな演技を披露。

そしてブルースが「撮影中に思わず見入ってしまった」と演技力を称賛したアンソニーは、ブルースの引退に対し「君と一緒に働いた時間は、私の人生のなかで特別だった。君と君の家族に愛と祈りを」と温かいメッセージを投稿した。

2016年、アメリカ吃音研究所でのスピーチ

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「かつて僕はひどい吃音症だった。だけど、高校かどこかで経験した舞台で言葉を記憶すると、どもらないことに気付いた」と過去に吃音症であったことや、演技で克服したことを告白してきたブルース。

2016年には、アメリカ吃音研究所のスピーチに登壇。「絶対に自分が除け者だと周りに思わせてはいけない。なぜなら君たちは、決して除け者ではないから」と力強くアドバイス。同じく吃音症で悩んだ過去を持つ、当時の副大統領ジョー・バイデン(79)と互いに称え合う姿も感動を呼んだ。

2021年は8本の映画に出演

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2021年には『コズミック・シン』、『サバイバル・シティ』など、1年でなんと8本の映画に出演。ラジー賞ことゴールデン・ラズベリー賞では、「2021年映画のブルース・ウィリスの最低演技賞」という特別カテゴリーまで登場した。

しかしブルースの引退発表後は「もしも健康状態がその人の意思決定やパフォーマンスの要因になっているならば、その人にラジー賞を与えるのは不適切」と説明し、ブルースの最低演技賞を撤回した。

2022年、引退を発表

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2022年3月30日(現地時間)、「愛するブルースが失語症と診断され、認知能力に影響が出ていることを家族として公表する」と妻であるエマ、そして元妻のデミ、5人の子どもたちが連名で声明を発表。また「熟慮を重ねた結果、ブルースは大切なキャリアから身を引くことにした」と引退を明らかに。

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デミの投稿には、リタ・ウィルソン(65)が「ブルースと家族に、心からお見舞い申し上げます。私たちに共有してくれて本当にありがとう」と感謝を伝えたほか、ジュリアン・ムーア(61)はハート、シンディ・クロフォード(56)は祈りの絵文字など、それぞれの思いでブルースと家族たちにお見舞いのメッセージを送った。

引退発表後、エマはインスタグラムを更新し、ブルースとのツーショット写真をアップ。森の中でリラックスしている姿が披露され、ブルースは幸せそうな笑顔を見せていたことから世界中のファンが安堵。今後はエマや家族と一緒に、ゆったりと穏やかな生活を送られることを心から祈るばかり!

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