【最新韓国ドラマ】2022年下半期おすすめBEST10! マニアが選んだ絶対に観るべき名作たち

2022年の上半期スペシャルBEST10の発表からあっという間に半年経ち、ついに2023年に突入。今年はどんな良作韓国ドラマが登場するのか期待に胸を膨らませながら、まずは2022年下半期に誕生した良作を「下半期スペシャルBEST10」と題しピックアップ! SPUR.JP韓ドラ班が泣く泣く、勝手に選んだラインナップと順位を参考に、NEXT視聴ドラマをぜひ見つけてみて。(※本記事では、下半期に最終話の放送・配信を迎えたドラマとして定義しています)

韓国ドラマ 2022年下半期スペシャルベスト10

1位/ウ・ヨンウ弁護士は天才肌【ヒューマン】

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 韓国ドラマ
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わずか5歳にして刑法書を覚え尽くし、ソウル大学、ロースクールともに主席で卒業、なのに、回転ドアを通るのは難しい。膨大な法の中に埋もれた盲点を天才的ひらめきで見つけ出し、我ら庶民が抱える切実なる難問をスカッと解決に導く自閉スペクトラム症の弁護士ウ・ヨンウ(パク・ウンビン)。その胸すく弁護に毎回毎回心癒された人も多いのではないでしょうか。その法廷ドラマとしての面白さはもちろんですが、さらに見逃せないのがウ・ヨンウと彼女をめぐる人間模様。ウ・ヨンウを一人の個性として優しく見守る上司ミョンソク(カン・ギヨン)、勉強も仕事も負け続きの悔しさはありながら、ついウ・ヨンウを助けてしまう同僚弁護士スヨン(ハ・ユンギョン)、学生時代からの無二の親友グラミ(チュ・ヒョニョン)、ウ・ヨンウとのぎこちないほど初々しい恋を実らせたジュノ(カン・テオ)。ウ・ヨンウをさりげにサポートする彼らの温かさにとろけるのはもちろんですが、腹黒策士のミヌ(チュ・ジョンヒョク)や高慢で嫌味な上司スンジュン(チェ・デフン)さえも愛おしく。キャラ立ち豊かな脇役陣の熱演にもぜひ、ご注目を。(さすらいのライター山崎)

『賢い医師生活』然り、韓国のヒューマンドラマの素晴らしいところって、制作陣の「よりよい社会にしたい」という強く真っ直ぐな思いと気概が存分に込められていることだと思うんです。通称『ウ・ヨンウ』も、作中で海洋動物の保護問題について言及するシーンがあるのですが、その影響により韓国内の水族館にいる21頭のインド太平洋バンドウイルカを野生に還すプロジェクトが始動したんですよ。改めて、人の心を揺さぶるドラマとはなにか?を見せつけられたような気がします。もちろん演者の実力あってこそ視聴者が共感できる物語になるので、本作はパク・ウンビンのあっぱれすぎる演技力と全スタッフの共鳴により、創り上げられたもの。韓国初の自閉スペクトラム症を患う弁護士という兎にも角にも難しい役柄を違和感なく演じたウンビン。そしてウンビンにオファーを断られながらも「彼女しかいない」と何度もオファーし、1年以上待ってキャスティングに成功した脚本家&監督。すべての采配が大当たり!! 物語を細部まで楽しんでほしいので多くのことは語るまい。しかし、絶対に観るべき良作であることを断言します! (エディターK)

2位/アンナ(ディレクターズカット版全8話)【シスターフッド】

韓国ドラマ スジ アンナ
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私の周りのコアな韓ドラファンが軒並み絶賛。にもかかわらず、世間的にあまり話題になっていないのが残念でなりません。父を落胆させないために思わずついた小さな嘘がそもそもの始まり。無意識の嘘は新たな嘘を引き出し、偶然なのか、必然なのか、思いもよらぬ方向へと転がる人生。後にアンナとして生きることになる主人公ユミの、その倒錯した脆さと怖さを豊かに表現したペ・スジがなんといっても圧巻。初々しい高校生時代。小さな嘘を重ねる大学浪人時代。真面目に生き直そうと試みた使用人時代。そして、大胆に嘘を重ね翻弄されるアンナ時代。上り詰めたいという野心的な思いと、悪女にはなりきれない本能的優しさと。多面的な思いが交錯する難しい役柄をポーカーフェイスに隠しながら饒舌なまでにきめ細かに演じ切ったスジの美しき存在感に圧倒されずにはいられません。その脇を固めるキャストも素晴らしく、チェ・ウンチェ扮する“アンナ”の天真爛漫な傲慢ぶりといい、キム・ジュンハン演じるユミの夫チェ・ジフンの成り上がりハイスペック野郎のゲスっぷりといい。絶品です。(さすらいのライター山崎)

2日間の徹夜による沼視聴でコンプリート。観終えた時に強く思ったのは、「この作品を一気観できてよかった……」ということ。それぐらい物語に引き込まれるというか、かの有名掃除機みたいな吸引力に驚く作品。スジ演じるアンナという一人の人間の人生が淡々と描かれていくと思いきや、蓋を開けてみると「切々」なんですね。人間の欲望や誰もが内に秘める妬み嫉みを、時に泥臭く、時に冷徹に、時に「エレガント」に描いているのが面白く、吸い寄せられてしまう。ああ、花の匂いに惑わされるミツバチってこんな気持ちなのかしらなんて思ったりして。すべてを理解できるキャラクターではないけれど、アンナの視点を通して女性の生きづらさが節々に表現されており、自己を投影してしまう瞬間が少なからずあると思います。スジってやっぱり只者ではない、と思わざるを得ない作品であることは間違いない。彼女に魅了される一作です。物語終盤に訪れるアンナと夫ジフンの決着の瞬間もたまらなくクールで好き!(エディターK)

3位/シュルプ【新解釈・時代劇】

韓国ドラマ シュルプ
Netflixシリーズ『シュルプ』独占配信中

朝鮮王朝架空の時代を舞台に繰り広げられるお受験戦争。これだけ聞いても、面白くないわけがありません。しかも主演は奇跡のエイジレスビューティ、キム・ヘス。強さも弱さも、逞しさも繊細さも、クールもホットも自在な手練れ中の手練れ。その彼女が、愛する息子たちを守る王妃に扮して世子選びの受験バトルに大奮戦するとなれば観ない手はもはやないというか。少々難ありな息子たちのトラブルに四苦八苦しながらも彼らの個性を尊重して支え、お受験バトルに翻弄されて息子に無理を強いる側室たちを嗜めつつ、その息子たちにも手を差し伸べる。権力欲に取り憑かれた大妃や大臣たちには知力を持って敢然と立ち向かい、欲に目が眩んで信念を曲げてしまった成均館の儒生たちには人としての真の道を説く。世子選びの受験戦争を背景に繰り広げられるキム・ヘス王妃の八面六臂の奮闘に、目頭が熱くなることも、心からスカッと爽快になることも数知れず。イケメン揃いの王子たちも眼福ものですが、二男のソンナム大君をめぐる初恋ストーリーもめちゃ可愛らしく。こちらも、ぜひ。(さすらいのライター山崎)

ああ、キム・ヘスオンニ(姉)、一生ついていきます!!!と心に誓いました。現代の教育論争を「史劇」に投影し、従来の時代劇を確実にアップデートした脚本の素晴らしさは言わずもがなですが、眉毛で訴えてくるその繊細すぎるヘス姉さんの演技力。この人の右に出る者はいないと痛感させられます。大妃役のキム・へスクとの心理戦が妙にリアルで、物語をよりエキサイティングに見せてくれました!最高! トラブルメーカーの息子に頭を抱えながら、「気品ってなんですか?」バリに、チョゴリを捲し上げ勇ましく軽快に走り去るさまに共感しか持てないヘス姉さんの王妃役! こんな母という名の「シュルプ(傘)」が側にいてくれるのなら、どこまでも強くなれそうです。本作はメモがとまらないほど名言が炸裂でしたが、やはり四男ケソン大君とのエピソードが脳裏に焼き付いて離れません。真の自分に悩むケソン大君に対し、「いずれ、他人と異なるものを抱えていても隠す必要のない日がくるはずだ」と優しく包み込む王妃。随所に感じる母子の愛に感動必至です。(エディターK)

4位/還魂【ファンタジー×ロマンス】

韓国ドラマ 還魂
Netflixシリーズ『還魂』独占配信中

感情移入しづらいという点での難しさもあり、大当たりと大コケが表裏一体となるジャンルかと思いますが、さすがはファンタジー×ロマンスの巨匠、ホン姉妹の脚本です。自分でも怖いほどに物語の一員になっており、キャラクターとともに喜怒哀楽が止まらず、「今後こそおさらばか!?」と思う度に舞い戻る不死身チン・ムの生命力に眩暈がしております……(苦笑)。長くチョン・ソミンとイ・ジェウク推しだった私としては、シーズン2って最初からつらさ倍増だったんですね。ソミン×ジェウク派としては、コ・ユンジョン×ジェウクに萌えられるのか不安を抱えていましたが、申し訳ないほどに最高のケミです。ご安心を。シーズン1よりソミンの心の声をコ・ユンジョンがナレーションしていたという驚愕の事実を知り、二人の声の類似っぷりに驚いたのもそうですが、視聴者に毎エピソード聞かせることでシーズン2からヒロインとなるユンジョンへ違和感を与えないという新技!! まんまと策略にハマり、最後の最後まで世界観に浸れました。シーズン2はキム・ドジュ×パク・ジンの神回に涙を拭くタオルの準備を。そして回を増すごとに世子が愛おしすぎる!(エディターK)

5位/アンナラスマナラ -魔法の旋律-【マジック×ヒューマン】

韓国ドラマ チ・チャンウク アンナラスマナラ
Netflixシリーズ『アンナラスマナラ -魔法の旋律-』独占配信中

ドラマにしては珍しいミュージカル仕立てです。もちろん韓国でもお初。というと、え〜ドラマでミュージカル!?と及び腰になる人も多いのですが、これがどうしてどうして。借金まみれの父親になりかわり幼い妹と生計を担いつつ高校生活を送るアイ(チェ・ソンウン)と、親の過度な期待に押しつぶされそうな優等生イルドゥン(ファン・イニョプ)という2人の高校生がこの物語の主軸。崖っぷちを歩かされているかのような現実を背負う二人。そこに現れるのが主人公のリウル(チ・チャンウク)。自ら魔術師と名乗るリウルに不信感を抱きつつも、彼が繰り出すマジックに魅せられ、次第に心を開放していく2人。果たして、そのマジックは夢か幻か、それとも奇跡という名の真実か? そして、リウルの真の正体は? すべてが解き明かされるラストの深い感動は、幻想的なマジック映像とミュージカル仕立てあればこそ。だから、ぜひ、観てほしい。ちなみにこのドラマの登場人物が出演するバラエティ『青春MT』も必見。チ・チャンウクの優しい魅力、大爆発してますから。(さすらいのライター山崎)

6位/グリッチ −青い閃光の記憶−【カルト集団×UFO】

韓国ドラマ グリッチ Netflix
Netflixシリーズ『グリッチ −青い閃光の記憶−』独占配信中

宇宙人を信じますか? そんなの信じない、と一蹴しながらも、人知れず、というかひた隠しにしながらも心の奥底ではひょっとしたら……なんて思ったりなんぞしていませんか。では、宇宙人の存在をマジで信じる集団がいたらどう思いますか? 宇宙人とカルト宗教と。それによって生じる人間心理をうまくついて揺さぶってくるがこのドラマ。主人公のジヒョ(チョン・ヨビン)は人には言えない悩みを抱えています。それは宇宙人が見えてしまうこと。そんななか、恋人が行方不明になり、宇宙人に連れ去られたと密かに信じるジヒョはその行方を探すのですが、そこで出会ったのがUFOオタクのかつてのクラスメイトのボラ(ナナ)。やがて二人は、怪しげなカルト集団に行き当たり……。という、いかにも怪しげなストーリー。でも、観進めるうちに自分の心までグラグラ揺さぶられちゃうわけなのですね。“信じる”ということの多面的な深さに。陳腐なSFものに見せかけつつ、本質をぐっさりとえぐってくる巧みな演出とチョン・ヨビン、ナナの迫真の熱演。見事です。(さすらいのライター山崎)

7位/酒飲みな都会の女たち【お酒×恋】

韓国ドラマ 酒飲みな都会の女たち
『酒飲みな都会の女たち』 ⓒTVING Co., Ltd, All Rights Reserved.

韓国ではちょうどシーズン2が放送開始となっておりますね。シーズン1放送当初よりあらゆる女性たちの共感を得て、瞬く間に話題となった“ミッチン女3人衆”の物語。「ああ、早くシーズン2を観せてくれ〜〜」と懇願したくなるほど心に響くのは、大学時代からの酒飲みチング(友)であるソヒ(イ・ソンビン)、ジヨン(ハン・ソナ)、ジグ(チョン・ウンジ)の物語にチラチラと自分の影が見えるからなんですよね。3人が話している内容、置かれている状況、それぞれの葛藤に「わかる〜〜〜」と頷きながら観てしまう。いわゆる「昔からの友達」がメインとなる物語でいちばん大切なことは“没頭できるくらいのリアリティ”かと思いですが、本作はそこがなによりも堅い。本当に親友なのでは?と思うくらいの3人の息の合ったギャグ的なシーンに毎度笑わされ、時に訪れる真面目な話にジーンと胸打たれ、ドラマ=日常なのだと思わせてくれる作品。ギャグとロマンスがお好きな方は観ない手はなし!(エディターK)

8位/わずか1000ウォンの弁護士【法廷】

韓国ドラマ ナムグン・ミン わずか1000ウォンの弁護士
『わずか1000ウォンの弁護士』ディズニープラス スターで独占配信中 ©2022 Disney and related entities

数ある法廷作品のなかで、ここまで「1000ウォン」が持つ価値に関して考えさせられるリーガルドラマはないのでは? 演技の神ことゴッドグンミンという異名を持つナムグン・ミン主演で贈る痛快法廷ストーリー!! そもそも思考回路も言動もぶっ飛んでいるジフン(グンミン)が物語の主軸となっているために、グンミンの演技力なしでは到底成り立たないドラマなんですね。逆を言えば、グンミンの演技力だけで魅了されてしまうということ。誰も手が付けられないゴーイング・マイ・ウェイの弁護士ジフンと、ジフンに忠誠を誓う事務長のムジャン(パク・ジヌ)、見習い弁護士となる令嬢のマリ(キム・ジウン)のスリーマンセルで描かれるストーリーは、笑いと爽快感がたっぷり! かと思いきや、物語中盤から忍び寄るシリアスの波。ジフンの心の核となる「とある事件」の秘密がキーとなりつつ、心を揺さぶる仕掛けが随所に施されているんですよ。ここまでコミカルとシリアスの演技を使い分けられるグンミンの実力はまさに、「神」の領域!(エディターK)

9位/ナルコの神【アクションクライム】

韓国ドラマ ナルコの神 Netflix
Netflixシリーズ『ナルコの神』独占配信中

その活躍の舞台は主に映画。『新しき世界』『ベテラン』のファン・ジョンミンと『チェイサー』『神と共に』のハ・ジョンウと。押しも押されもしない韓国映画界のスターが初共演。しかもドラマで。面白くないわけがありません。南米の小国スリナム共和国を舞台に、普通のビジネスマン(ハ・ジョンウ演じるカン・イング)が、牧師(ファン・ジョンミン演じるチョン・ヨハン)率いる麻薬組織に潜入捜査するという聞くだけでゾクゾクせずにはいられないストーリー。しかも実話ベース。さらに『イカゲーム』のグローバル俳優パク・ヘス(国家情報院チェ・チャンホ役)が加わって、三つ巴にも四つ巴にも入り乱れる命をかけた心理戦。息を呑んでのめり込んでしまうこと必至です。もちろん憑依型ファン・ジョンミンと自然体ハ・ジョンウのタイプの違う表現の迫真対決も見もの。ヒット映画を数々手がけるユン・ジョンビン監督の初ドラマ演出は、全6話と短めではありますが、最初から最後まで映画仕立ての隙のないクオリティ。あっという間の一気観をお約束します。(さすらいのライター山崎)

10位/サムバディ【サイコ×ロマンス】

韓国ドラマ Netflix サムバディ
Netflixシリーズ『サムバディ』独占配信中

出会い系アプリを介した連続殺人にまつわるエキセントリックな仕立ては、好き嫌いが激しく分かれるやもしれません。残虐シーンもセックス描写も半端ない、アジュンマ(おばさん=私です)には刺激的すぎる仰天の展開ではありますが、その根底に流れるのは「サムバディ」……つまり“誰か”を求めてやまない切実なる思い。そう、なんともロマンティックなのですね、これが不思議なくらい。こんな表現もありと開眼させられるような斬新なチャレンジングにまず1票。さらに、100票ほど上乗せしたいのが、主軸4人の俳優たち。サイコな殺人犯に体当たりで臨んだキム・ヨングァンはもちろん、アスペルガー症候群のアプリ開発者ソム役カン・ヘリム、車椅子のサイバー捜査官ギウン役キム・スヨン、トランスジェンダーの祈祷師モグウォン役キム・ヨンジという無名の3女子。脆さと逞しさと、非常識と常識と、拒絶と熱願と。相反する感情が幾重にも並走する今的なその存在感。さすがキム・ゴウンを発掘したチョン・ジウ監督です。最初から最後までマジで目が離せません。(さすらいのライター山崎)

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により、第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約19年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手俳優の発掘が趣味の領域に。

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