【2023年ベストホラー】ニコラス・ケイジのドラキュラ役にハマる!? ホラーマニアが『劇場で観たかった!』と嘆いた、サブスク配信の3作品 

ニコラス・ケイジがドラキュラ役に扮することでも話題となった『レンフィールド』をはじめ、2023年を締めくくるにふさわしい(!?)必見のホラー映画を、大のホラー好きである人間食べ食べカエル氏が厳選。今回紹介する作品はいずれも日本での劇場公開はなかったが故に、『劇場で観たかった!』と嘆いてしまうほど面白い仕上がりになっているのがニクい……! 自宅で過ごすホリデーや、年末年始のリラックス時間に思わぬ“刺激”を与えてくれること間違いなしの作品を、ぜひ視聴リストに加えてみて。

【レンフィールド】パワハラドラキュラをブチ倒せ! 愛と血が溢れる傑作エンタメ!

ニコラス・ケイジ 映画『レンフィールド』 ドラキュア役 ホラー作品
『レンフィールド』U-NEXT,Prime Video,Hulu,Apple TVなどで視聴可能。

ドラキュラのパワハラに悩む部下のレンフィールドが頑張って抵抗を試みる……! 普段の仕事で上司の無茶な要求に悩まされている身としては、非常に心に刺さる映画だった。ただひたすら己の欲望のために部下をこき使うドラキュラを、ニコラス・ケイジがそれはそれはもう楽しそうに演じている。自分の上司と重なるところがあって、所々ヒヤヒヤしながら観ていた。それに振り回されるレンフィールドの危うさをニコラス・ホルトが繊細に表現。まったくベクトルの異なるベストアクトを、それぞれが披露してくれる。

パワハラとそれに起因する共依存をエンタメに昇華したストーリーに加え、アクションシーンも素晴らしい仕上がりだった。吸血鬼側の超人バトルがまあキレッキレ! ワイヤーを活用した俊敏かつアクロバティックな身のこなし、超パワーを駆使した人体引きちぎり! 観ていて本当にスカッとする。折り重なった敵にレンフィールドが力強く着地! そしたら血しぶきがバシャーー!!と跳ね上がる!! 思わず拍手しそうになるくらい楽しい見せ場が満載だ。

クリス・マッケイ監督は『レゴ・バットマン ザ・ムービー』に『トゥモロー・ウォー』と、これまで手掛けた作品はどれも面白かったが、今回も期待を裏切らなかった。それにしても、『トゥモロー~』に続いて本作も配信&ビデオスルーなのが残念だ。次回作はぜひ劇場で堪能したい。

【インシディアス 赤い扉】ランバート家VS悪霊ふたたび! シリーズの有終の美を飾る戦慄と感動の最終章

2023年注目のホラー映画『インシディアス 赤い扉』
『インシディアス 赤い扉』U-NEXT,Prime Video,Hulu,Apple TVなどで視聴可能。

ジェームズ・ワンとリー・ワネルという二大天才が作り上げた、一癖も二癖もある、でも王道なオカルトホラーシリーズ『インシディアス』。その内容は、悪霊に苦しめられるランバート家の恐怖を描くというもの。そこに、エリーズという霊能力を持つ女性とそのアシスタントも関わってくる。第二章までは家族の物語、その後はエリーズを中心に続編が製作された。第四章でエリーズの過去がひと段落したのち、再び家族にフォーカスした新作が誕生。それが本作「赤い扉」だ。

今回は一作目で悪霊に狙われた少年ダルトンと、彼の父親ジョシュが主人公。オリジナルキャストが集結していて、同窓会的な感覚を味わえる。彼らのその後が見られるだけでも嬉しい。エリーズも素敵な登場の仕方をしてくれるので、彼女のファンも必見だ。そうしたキャラ同士の掛け合いとドラマに加えて、肝心のホラー描写も相変わらず良い仕上がり。じわじわと背後から迫る不気味な心霊描写と、霊が窓を突き破ってくるパワー型の恐怖を交え、見事な緩急を生み出している。

今回、ジョシュ役のパトリック・ウィルソンが初監督を務めているが、これが初めてとは思えないほど手堅くまとめている。ドラマもホラー要素もそれぞれが分離しないで連動しており、シリーズの集大成として文句なし。有終の美を飾る良作だった。

【死霊のはらわた ライジング】新旧“はらわた”の良いとこ取り! 痛みと笑いがダブルで襲い来る理想の新作!

2023年注目のホラー映画『死霊のはらわた ライジング』
『死霊のはらわた ライジング』U-NEXT,Prime Video,Hulu,Apple TVなどで視聴可能。

ホラー好きなら『死霊のはらわた』シリーズを知らない人はいないだろう。サム・ライミ監督が1980~90年代にかけて手掛けた3部作がオリジンで、その後2011年にオリジナル版の特徴のひとつであるユーモア等を極力排してブルータル路線を追求したリメイク版が作られた。フェデ・アルバレス監督によるこのリメイクもまた高い評価を得た。そこからドラマシリーズを挟んで、今度は舞台を街中のアパートに移して新たな作品が誕生した。それが本作である。

今回はオリジナル版のユーモア・やりすぎ要素と、リメイク版のエクストリームさの両方をいいとこ取り。つまり最高ってことです! マンションの一室で繰り広げられる、死霊に取り憑かれた母親との攻防は凄まじくスリリング。キッチン用具や家具で人間の身体を徹底的に痛めつけるショック描写が立て続けに炸裂し、非常に見応えがある。その一方で、今回は死霊コールなど思わず笑ってしまう場面も。クライマックスはメチャクチャ凄いデザインの死霊まで出てきてお腹一杯だ。

本作は北米で公開されるや否や大ヒットしていたが、なぜか日本ではスルー! そんな馬鹿な!! 舞台は狭いが見せ場のボリュームは間違いなくスクリーン映えする傑作。今年公開したホラーの中でもトップレベルに君臨する見事な作品だった。はらわたシリーズはまだまだ安泰ですね!!


【ホラードラマ ナビゲーター】
人間食べ食べカエル
あらゆるジャンルのホラー映画・ドラマを網羅する敏腕ライター。人が喰べられる作品に目がない。的確なコメントと面白いつぶやきがクセになる「X」アカウントは、@TABECHAUYOをチェック!

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