演技ドルの枠組みを超え、俳優としてメキメキ成長を遂げている2PM イ・ジュノと、少女時代 ユナが織りなす極上ロマンス『キング・ザ・ランド』や、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍中のアン・ボヒョンと、実力派シン・ヘソンの良質なケミストリーに心ふるわされる『生まれ変わってもよろしく』など、６月配信スタートの新作ドラマがすでに大きな話題に。そこで、韓国ドラマが豊作な今こそ観ておきたいおすすめ４作品を、韓国ドラママニアのライター&エディターが熱くリコメンド！ 次の視聴作品に迷っている人は、ぜひ参考にしてみては？
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班／エディターK
母の影響により、第１次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、約20年間あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手俳優の発掘が趣味の領域に。
『キング・ザ・ランド』／大人がハマる王道ロマコメの進化版！
ジュノとユナ。このふたりが主演を張るということはとんでもないドラマが爆誕するはずだと信じていましたが、まさに。なんでしょう。設定としては2013〜14年あたりの韓ドラにめちゃくちゃ多かった（そしてどハマりした）財閥×一般人の恋。とはいえまったく古さを感じさせず、細かな設定や言葉の選び方に共感できるせいか、兎にも角にもときめくし、いやほんと、近年のジュノの進化が目覚ましい……今改めてジュノに沼落ちするドラマなんですね。昔ながらの王道韓国ロマコメの味を生かしながらアップデートを加えているおかげで、最高の進化版ロマコメに仕上がっています。『社内お見合い』に沼った人はぜひ。
舞台はキンググループの最高級ホテル「キングホテル」。御曹司のク・ウォン（ジュノ）と、ホテリエのサラン（ユナ）の超王道恋愛物語だけれど、決してそれだけじゃない。例えば１話冒頭に上司からパワハラを受けるインターン生をウォンが助けるシーンをはじめ（のちの秘書）、現代社会における疑問や問題点をさらりと脚本に入れているのがミソ。会社にとって社員とは？ 上司と部下の良好な関係とは？ 共働き夫婦の家事・育児とは？ そして「恋愛」とは？など。新しい視点が盛り込まれていて、納得と共感の嵐です。さらに近年韓国セレブリティとハイブランドの密接な動きが盛んになっていますが、それは韓ドラの世界でも然り。話題の新作『セレブリティ』のバルマンや（こちらもNetflixで一気観）、本作ではサランの友人（キム・ガウン）がエムシーエムに勤めている設定で、店舗もアイテムもがっつりと映るんですよ！ 今後ますます韓ドラとファッションの世界とのパイプが太くなっていくはず。もうひとりの友人でCAのピョンファ（コ・ウォニ）を含め、３人の仲睦まじいシーンも「おかわり」が欲しくなるくらい観ていて楽しい。
とはいえなんと言っても本作は「ときめき」がウリでして、サランが全ホテリエの夢であるVVIPラウンジ「キング・ザ・ランド」の切符を掴んでから、ウォンと急速に接近していくんですね。ふたりの距離がグッと近くなるシーンの演出がめちゃくちゃ凝っていて、スローテンポで分数がかなり長い、そして鼻血が出そうなほどロマンティック！！ 雨の日の傘、水にまみれたハプニングディナーetc.。人によっては飽きられる可能性大なんですが、恐ろしいほどに目が釘付け。口もとが緩んで仕方ない！ 『赤い袖先』で新境地を見せたジュノが、またしても伝説を残してくれそうです。（エディターK）
『生まれ変わってもよろしく』／実力派俳優で贈る、とっておきの転生ロマンス
かなり不思議なムードです。そこにいるのに、いないような……そんな雰囲気。そう、主演のシン・ヘソンです。彼女がこの作品で醸し出す存在感が、なんかおかしいというか、妙というか。これまでも“目覚めたら30歳になっていたけど心は17歳のまま＝『30だけど17です』”とか、“淑やかな王妃なのに心の中身がイケイケ女好きシェフになっちゃった＝『哲仁王后』”とか、時空や性別を超えた役を演じてきている彼女。その半端ない説得力は、気づけば大爆笑しているし、思わず共感してギュンギュンしちゃったり、そう、かなりの手練れ。
で、今回演じているジウムは、1000年の間に19回も転生していて、なんとそのすべての記憶（１回目だけ曖昧）を持っている人物。ある人生では女でも、違う人生では男だったり、韓国人だったり、アラビア人だったり、過酷な戦場で戦い続けたかと思えば、マジシャンだったり令嬢だったり、19回も人生を経験するって結構壮絶〜という感じなのですね。だから、ジウムも見た目はうら若き20代の女性なのに、性別超越感あるし、老成感バリバリだし、なあんか不思議な存在感（さすがヘソン！）。そんなジウムですが、18回目の前世はジュウォンという少女で、突然の交通事故で早逝し、すぐさま転生したという設定。なので、ジュウォンの関係者が今世でも存在しているというのがミソ。物語は、ジウムが前世で遮断された初恋の思いを遂げるために、その相手に逢いに行き……という内容。それだけで胸が締め付けられそうですが、19もの人生を背負った人間のロマンスは通常の転生ロマンスとはちょっと異質で、単なる胸キュンだけではなさそうなのですね。
前世の交通事故はなにやらいわくありげだし、ジウムの真相を知っていそうな正体不明の男女が出没したり、ジウムがジュウォンだとバレると不都合がありそうだし（そ、そんなあ）と、まだ、７話までしか観ておりませんが、はやる気持ちを抑えられそうになく。そして、たまらないのが、ジウムの初恋の相手ムン・ソハです。演じるのは個人的にも待ってましたのアン・ボヒョン。早くに母を亡くし、かけがえのない初恋のヌナ（お姉さん）、ジュウォンを亡くし、そのまま心が前に進めない御曹司役。その母性本能刺激しまくりの寂しげな風情は、“ボヒョン、ハマり役今回も塗り替えた？”というぴったり感。今すぐジウムに生まれ変わって抱きしめてあげたあ〜い、と思うのは私だけではないと思います、きっと。（さすらいのライター山崎）
『酒飲みな都会の女たち２』／飲んで、食べて、泣いて、笑える！ 大人気作のシーズン２が配信開始
ウェルカムバック“ミッチン”女３人衆！ 日本でシーズン２が配信される日を本っっ当に心待ちにしていたドラマですが、今話題の新作をジャンジャン配信しているLeminoで観られます。こちらの記事でご紹介したシーズン１では、散々視聴者を笑かしにかかった飲兵衛の３人なのに、シーズン２序盤のタイトルには「消えた都会の女たち」と。え、なにがあったの!?と思ったのも束の間、今回もギャグとヒューマンの配分がニクいほどに絶妙すぎて、思いっきり笑わされたり、心がジーンと温かくなったり、時に切なくなったり。現代人が抱える心身のストレスをうまく表現していて、感情移入が止まりません。心からおすすめしたい良作です。『メロが体質（原題）』や、『検索ワードを入力してくださいWWW（原題）』あたりが好きな人は私同様にドップリ刺さるはず。
今回もソヒ（イ・ソンビン）、ジヨン（ハン・ソナ）、ジグ（チョン・ウンジ）の３人を筆頭に、笑って、泣いて、ときめいて、お酒が飲みたくなる（笑）仕様になっています。ただ舞台がソウルから突如誰も住んでいない山奥になったり、日々の生活で感じる細かな違和感を映し出していたり、３人の過去と現在、そして彼女たちを取り巻く周囲の人たちにフォーカスされるシーンも多かったりと、より繊細なつくりになっているのがシーズン２の特徴。そんな視聴者を飽きさせない脚本に加え、変わらぬ３人の「リアル感」に安心感さえ覚えるんですね。シーズンものってどうしても「前作がよかったな〜」と思いがちですが、このドラマは回を重ねるごとに魅力が２乗されていくイメージで、どんどん作品として深みを生み出しているのがすごいと思う次第です。
そしてシーズン２を観て、やっぱり個人的本作のベストキャラクターはジヨンだと確信。今を生きる上で彼女から学べることってめちゃくちゃあるなと感じるんです。ゴーイング・マイ・ウェイの姿勢を貫き、それが一切ブレない。周囲を唖然とさせる言動ばかりでふざけているように見せながら、実はめちゃくちゃ芯が通った人なんですよ。だから「他人に迷惑をかけずに自由に生きる」を叶えている。このメンタルを見習いたい！ともはやジヨン推しです。「苦い人生を甘く感じられるように育てた」というジヨンオンマが放つ言葉と、母子のシーンには思わず涙。終わってほしくない、３人のやり取りをずっと観ていたい。そんな気持ちにさせてくれる一押しヒューマンドラマです。（エディターK）
『悪鬼』／人間の本質を映し出す、スリラー×ミステリーの最新作
なるほど、納得です。脚本を担当したのは『シグナル』『キングダム』のキム・ウニ作家。つまり、スリラーとミステリーの掛け合わせが、めちゃくちゃ絶妙なわけなのです。ドラマは、“悪鬼”に取り憑かれた女と、悪鬼や霊が見える男が、謎に包まれた自殺事件の真相に迫っていくという内容なのですが、当然、幽霊も悪鬼も出てくるわけですね。というと、及び腰になる人がいるかもしれませんが、ぜひ、観てほしい。なぜなら『シグナル』や『キングダム』がそうであったように、スリラーという体裁は、その“異質なもの”を通すことで、真実を包み込んでいる謎をさらに複雑に迷宮化させながら、人間の悪意や哀しみなどの深層心理をより鮮明に映し出すためで、単なる驚かしが目的ではないからです。
私もスリラーやホラーは得意ではなく、皆が寝静まる深夜にひとり息を詰めて視聴しておりますが、この作品ならその後に、ひとりでお風呂にも全然入れますから（だからどうした、ですが）。まだ６話までの視聴なのですが、さまざまな疑問が次から次へと押し寄せてきて、それらの伏線がどう紡がれていくのか、すでにゾクゾクの連続。物語は、主人公のサニョン（キム・テリ）が、母から死んだと言われていた父（民俗学者）の訃報を知ったところから始まります。そして、受け取った父の遺品の髪飾りを手にした途端、正体不明の悪鬼に取り憑かれてしまうサニョン。一方、民俗学者のヨム教授（オ・ジョンセ）は、サニョンの父から「娘を頼む」と書かれた手紙を遺されます。そんななか、サニョンの母が振り込め詐欺に遭い、その振り込め詐欺犯が首吊り自殺で死亡。その手首には、なにかに抵抗したような赤いアザがくっきりと現れているのですが、防犯カメラには本人以外何も映っておらず……。
実はサニョンの父も首吊り自殺で手首に赤いアザを残しており、以前にも同様の自殺事件を担当していたベテラン刑事（キム・ウォンへ）は、若手刑事（ホン・ギョン）と組んで独自に捜査を進めていくのですが……。と、ほら、これ、ほんの序盤ではあるのですが、既に謎が満載。手首の赤いアザは何なのか？ サニョンの母はなぜ父を死んだと言ったのか？ サニョンの父はなぜ、ヨム教授に娘を託したのか? それらが少しずつ明らかになったかと思えば、さらなる謎が降ってきて、また混乱。さらにさらに、悪鬼が表出した時のキム・テリの豹変ぶりとか、二枚目教授役が実は似合うオ・ジョンセとか、サニョンと若手刑事のもしかしたら……な予感とか、もはや、どっぷり。（さすらいのライター山崎）
