ベネチア映画祭発!風変わりなニューシネマ No.2

『スポットライト〜』はベネチアでも大評判だった!

塚本晋也監督の『野火』などが出品された一昨年に比べるとちょっぴり寂しいが、日本からは三船敏郎のドキュメンタリー映画が評判になったり。やはり「何でもあり」がこの映画祭の魅力か。その昔、ロバート・アルトマン監督の『ストリーマーズ 若き兵士たちの物語』(’83)にアンサンブル・キャスト賞というスペシャルアワードが出されたが、『スポットライト〜』のマイケル・キートン、マーク・ラファロ、リーヴ・シュレイバーなど出演陣はまさにこれに値する。ラテンの国々の映画強しは、カンヌ映画祭にもいえる傾向で、要注目!

©Kerry Hayes

『スポットライト 世紀のスクープ』
ボストン市で起こった教会の聖職者による少年虐待事件。『ボストン・グローブ』紙の記者たちは、うやむやにしようという教会や市の警察と対立。その一方で、心に傷を負った元少年たちのケアにも頭を悩ませていた。ドキュメンタリータッチがいい。(4月公開)

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『ビースト・オブ・ノー・ネーション』 アフリカの普通の少年アグーは、父を殺され、自身も少年兵として戦闘に加わっていく。監督はキャリー・ジョージ・フクナガ。エイブラハム・アッターがM・マストロヤンニ賞。(Netflixで公開中)©amanaimages
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『el CLAN(原題)』  アルゼンチンとスペイン合作。誘拐をファミリービジネスとしていた一家が、そんな状況に疑問を抱いた息子の反抗などで次第に崩壊していく。「商売」と平気で言いきるのが怖い。(公開未定)©amanaimages
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『DESDE ALLÁ(原題)』  長編初監督作で最高賞の金獅子賞に輝いた。裕福な男が少年に金を払い、裸になってもらうことを楽しんでいるうちに不思議な交流が生まれる。実は賛否両論だったが見事に受賞。(公開未定)©amanaimages
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『HEART OF A DOG(原題)』  アーティストのローリー・アンダーソン。幼い頃から犬と家族のように生きてきた彼女の、犬に対する想いを映像化。なぜか冬の景色がより美しい。(公開未定) ©amanaimages
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『Remember(原題)』  互いにナチスの強制収容所を生き延びた老人二人。車椅子の老人は「私の代わりに仇を殺してほしい」と片方の男に頼み、資金や地図を準備する。が、それは幾重にも張りめぐらされた人生最後の罠だった。A・エゴヤン監督作。(秋公開予定)©AFLO
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