[材料](直径約15㎝1台分)
[作り方]
❶ 中力粉に塩、きび糖、バターを加え指を使ってバターをつぶすようにして中力粉が豆粒大になるまで混ぜ合わせる(バターが溶けないように注意)。
❷ 氷水を大さじ1ずつ加えて、こねずに全体をまとめるようにひとまとまりにしたらラップでくるんで円盤の形にして冷蔵庫で1時間冷やす。
❸ フィリングのフルーツは厚めのくし形切りにして残りの材料と混ぜ合わせておく。
❹ ②のパイ生地をめん棒などで0.5㎜ほどの厚さになるまで円形に延ばす。
❺ フィリングを生地の中心部にのせ、フルーツを囲むように縁を折り込む。
❻ お好みで縁の生地に砂糖(分量外)をふりかけ、180度のオーブンで焼き色を見ながら40~45分焼く。ミントを飾って完成。
“器”として重宝されたパイ
パイの原型が生まれたのは、なんと古代エジプトという説が。串に刺すなどして直火で焼いていた肉をかたいパイに包むことでかまどを使い、肉汁を逃さずに焼くことができるようになった。さらにそのまま持ち運びもできる。つまりパイは、調理道具や器としての役割を果たしていたのだ。
「窯で4、5時間の調理にも耐えうる石のようにかたいパイは、器として繰り返し使われ、役割を終えると砕いてスープなどのとろみづけや、その家に仕えていたメイドの食事になっていたとか。油分を多く含むペイストリータイプのパイは、砂糖が安価になると貴族から庶民へと徐々に広がります。食を楽しみたい、という欲求はどんな時代も食べ物を進化させていきますね」
当時の“機能”へのオマージュを捧げ、型などは使わずそのまま包み込む形に。香ばしくさっくりとしたパイに包まれて、フルーツの甘酸っぱさが際立つ。