Kカルチャーの今をキャッチ!
韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、今ソウルを訪れるなら、BTSのRMが敬愛するアーティストの展覧会へ!
Kカルチャーの今をキャッチ!
韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、今ソウルを訪れるなら、BTSのRMが敬愛するアーティストの展覧会へ!
ソウル市立美術館で『ユ・ヨングク:山は私の中にある』が開催中です。すでに大盛況だと聞いていたこともあり、その日は開館と同時に美術館へ向かいました。鑑賞後には、近くの有名なコングクス屋さんで昼食をとろうとも計画していたんです。ところが、すでに美術館は多くの人で賑わっており、一瞬コングクス屋さんに先に来てしまったのかと錯覚したほど! そう、私同様ユ・ヨングクの作品を見るために朝早く出かける美術愛好家は大勢いるのです。
今日紹介する主人公ユ・ヨングクは、それほどまでに母国で愛されているアーティスト。韓国の第1世代抽象美術作家であり、1930年代に東京の文化学院の油画科で美術を学び、韓国へ戻って自分だけの作品世界を熾烈に築き上げたといいます。展覧会では、代表作はもちろん未公開作まで170点あまりを展示。中には美術愛好家としてよく知られるBTSのリーダー、RMの所蔵品も。もし彼のファンの方がいらっしゃいましたら、ぜひ展示に足を運んで、RMの目と心を奪った作品を実際にご覧ください!
現在の知名度と人気から考えると想像もつきませんが、ユ・ヨングクは59歳になった1975年に初めて作品を販売したそう。しかし、「60歳までは基礎勉強をする」と語っていたとのことから、彼自身はきっと気にかけていなかったでしょう。実際に、この「基礎勉強」を終えた作家は、心の中の風景を凝縮して描き出す「心象抽象」の段階へと入っていきます。ユ・ヨングクの描く絵に繰り返し登場する対象は「山」。会場に広がる色とりどりの点・線・面のうち、多くが山を描いたものなのです。この色彩豊かな山は、直感的に人々が思い浮かべる実際のイメージではなく、作家の故郷であるの風景をはじめとした心と記憶の中の景色が結びついたものなのです。そういう意味で、展覧会のタイトル『山は私の中にある』は、ユ・ヨングクが生涯追求し続けた素材である「山」と、彼が完成させた方法論である「心象抽象」を結びつけた、卓越した題目と言えるでしょう。
韓国の関連記事はこちら



