ヌーヴェル・ヴァーグの2大作家にして夫婦でもあるジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダの作品の中から5つを集めた特集上映『ドゥミとヴァルダ、幸福(しあわせ)についての5つの物語』が公開中。ヴァルダの監修によって完全修復された『ローラ』をはじめ、全作品がデジタル・リマスター版で蘇る！
ヌーヴェル・ヴァーグの2大作家にして夫婦でもあるジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダ。今もなお多くの映画ファンから愛され続ける2人の作品の中から、若く瑞々しい感性が弾ける5作品を集めた特集上映『ドゥミとヴァルダ、幸福(しあわせ)についての5つの物語』が行われているとの情報をキャッチ。
ジャック・ドゥミは「ロマンチックな詩人」と称され、『ラ・ラ・ランド』にも大きな影響を与えた『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』など、魔法のような作品を残し、1990年に59歳でこの世を去った。一方のヴァルダは女性映画監督の第一人者にして、89歳を迎える今も活動を続けている。2015年に史上6人目となるカンヌ国際映画祭パルム・ドール名誉賞を受賞した。
ドゥミの長編デビュー作『ローラ』は、妻・ヴァルダと盟友の故ラウル・クタールの監修・全面協力によって2012年に復元が完成した2Kレストア版。劇場正式初公開となる長編2作目『天使の入江』、そしてヴァルダの『五時から七時までのクレオ』、『幸福』、『ジャック・ドゥミの少年期』もリマスター版でスクリーンに甦った。
『ローラ』 ©mathieu demy 2000
さらに2015年にMiu Miu(ミュウ ミュウ)のショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」でヴァルダが製作した瑞々しい短編最新作『3つのボタン』も同時上映。
ロマンチストにして天性の物語作家と呼ばれたドゥミと、リアリストでドキュメンタリータッチを得意とするヴァルダ。正反対の作風に見えても、2人の作品の根底には人間を見つめる深く鋭く優しい眼差しが垣間見えた。
劇場や日時によって公開作が異なるので、事前にホームページで確認してから行くのが賢明。
特集上映『ドゥミとヴァルダ、幸福(しあわせ)についての5つの物語』
『ローラ』 監督・脚本：ジャック・ドゥミ 撮影：ラウル・クタール 出演：アヌーク・エーメほか
『天使の入江』 監督・脚本：ジャック・ドゥミ 撮影：ジャン・ラビエ 出演：ジャンヌ・モローほか
『ジャック・ドゥミの少年期』 監督・脚本：アニエス・ヴァルダ 出演：ジャック・ドゥミほか
『5時から7時までのクレオ』 監督・脚本：アニエス・ヴァルダ 撮影：ジャン・ラビエ 出演：コリーヌ・マルシャンほか
『幸福(しあわせ)』 監督・脚本：アニエス・ヴェルダ 撮影：ジャン・ラビエ、クロード・ボーソレイユ 出演：ジャン=クロード・ドルオーほか
現在、シアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開中
http://www.zaziefilms.com/demy-varda/
text:Misato Kikuchi
