僅か35年の人生で日本画を革新。今村紫紅の42年ぶりの大回顧展が横浜美術館で開催

明治の末から大正初期に活躍した画家、今村紫紅の42年ぶり、かつ公立美術館では初の大回顧展が、2026年6月28日(日)までの期間、横浜美術館にて開催中だ。国指定重要文化財を含む紫紅の代表作をはじめとする約180点が結集する、またとない機会。約40点の作品が初公開されるのにも注目だ。

明治の末から大正初期に活躍した画家・今村紫紅の大回顧展が、2026年6月28日(日)まで横浜美術館にて開催中だ。今村の回顧展が開催されるのは、1984年に山種美術館で開催されて以来、42年ぶり。公立美術館では初めての大規模回顧展となる。

明治の末から大正初期に活躍した画家、今村紫紅の42年ぶり、かつ公立美術館では初の大回顧展が、2026年6月28日(日)までの期間、横浜美術館にて開催中だ。国指定重要文化財を含む紫紅の代表作をはじめとする約180点が結集する、またとない機会。約40点の作品が初公開されるのにも注目だ。

明治の末から大正初期に活躍した画家・今村紫紅の大回顧展が、2026年6月28日(日)まで横浜美術館にて開催中だ。今村の回顧展が開催されるのは、1984年に山種美術館で開催されて以来、42年ぶり。公立美術館では初めての大規模回顧展となる。

僅か35年の人生で日本画を革新。今村紫紅の画像_1

今村紫紅《鞠聖図》紙本着色・二曲屏風一隻 明治44年(1911) 147.4×145.6cm
横浜美術館

今村は1880年(明治13年)横浜生まれ。17歳で上京して歴史画の大家、松本楓湖に入門、本格的に日本画の修行を開始。ほどなく創立まもない日本美術院の展覧会で賞を得るなど、歴史画の分野で頭角をあらわす。第1章では、模写などを通して「古画のよい処」を吸収しつつ、新しい歴史画の開拓をめざした青年期の模索の様子を辿る。

僅か35年の人生で日本画を革新。今村紫紅の画像_2

今村紫紅《護花鈴》絹本着色・六曲屏風一双(図は右隻) 明治44年(1911) 各170.2×364.4cm 霊友会妙一コレクション(展示期間:2026年4月25日~5月8日)

日本美術院の有望な若手メンバーとなった紫紅は、創立者の岡倉天心の教えや、先輩画家の横山大観、下村観山、菱田春草らの制作に大きな刺激を受ける。いち早く俵屋宗達などの琳派や、中国の明清時代の古画にも着目し、創作の幅を広げたほか、文展に出品した《護花鈴》が、桃山文化に傾倒していた横浜の実業家・原三溪の目にとまり、三溪の支援も得ることに。第2章では三溪の力強い援助を得た紫紅が、古画の本質を見極めて、さまざまな主題に取り組み「多方面に」描いた作品を紹介する。

僅か35年の人生で日本画を革新。今村紫紅の画像_3

今村紫紅《熱国之巻(朝之巻)》紙本着色・一巻(図は部分) 大正3年(1914) 45.7×954.5cm 東京国立博物館 ※国指定重要文化財(展示期間:2026年4月25日~5月20日/《熱国之巻(暮之巻)》は5月22日~6月3日の展示) Image: TNM Image Archives

三溪の支援を得て生活が安定した紫紅は、1912年(大正元年)、琵琶湖畔の名勝八景を写生にもとづいて描いた風景画《近江八景》を発表する。明快な色と構図を持つこの作品には、古典的な名所絵の慣例に囚われないのびのびとした心境が表れており、紫紅の画業の転機に。翌々年には病後にもかかわらずインドへ。道中で見た光景を絵巻に描いた《熱国之巻》は、日本画のジャンルに収まらない問題作として、賛否を巻き起こした。第3章では、芸術の「自由」や「新」は他者の中ではなく「我にあり」と語った紫紅の、果敢な挑戦を辿る。

僅か35年の人生で日本画を革新。今村紫紅の画像_4

今村紫紅《潮見坂》絹本着色・一幅 大正4年(1915) 112.5×42.0cm 横浜美術館

前出の岡倉が渡米したことで事実上解散状態にあった日本美術院は1914年(大正3年)に再興。紫紅はその中心となって後進を導き、日本画の革新に尽力した。速水御舟をはじめとした彼を慕う後輩たちとの研究会「赤曜会」はその実践の一つ。彼が理想としたのは若い画家が生活に困ることなく、自由快活に、描きたい絵を追求できる、「暢気に描け」る環境だったという。一方で自らは古臭いものとされていた江戸時代の「南画」を再評価し、「新南画」ともいうべき作風を展開しつつあった。池大雅や富岡鉄斎の生気ある絵に新味を見出し、彼らが学んだ明清絵画の研究にも打ち込んだが、この時期の作品には、同時代の西洋絵画の影響もうかがえる。第4章では晩年の紫紅の画境の深まりを探る。

僅か35年の人生で日本画を革新。今村紫紅の画像_5

今村紫紅《桃源》絹本着色・一幅 大正5年(1916) 141.3×56.3cm
 

将来を大いに嘱望されながら、肝臓を患い脳溢血も併発して35歳の若さで亡くなってしまった紫紅。本展ではその短くも濃密な創作の軌跡を、初公開作品を数多く含む約180点で振り返る。紫紅と同じく横浜市出身の向井理がナビゲーターを務める音声ガイド(¥650)も用意されているので、紫紅や、彼が活躍した明治から大正にかけての日本の美術界についての理解を深めてみてはいかがだろうか。

「没後110年 日本画の革命児 今村紫紅」 
会期:2026年4月25日(土)〜6月28日(日)
会場:横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週木曜 ※4月30日、5月7日は開館
料金:一般 ¥2,200、大学生 ¥1,600、高校・中学生 1,000円、小学生以下無料 ※障害者手帳持参の方と介護の方(1名)は無料(ミライロID可)/同時開催する横浜美術館コレクション展も観覧当日に限り入場可
https://yokohama.art.museum/exhibition/202604_imamurashiko/