スウィンギング・ロンドンの“ミニの女王”、マリー・クワントの功績を辿る「マリー・クワント展」、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催

1960年代のロンドンでミニスカートを発表、世界中で一大旋風を巻き起こした英国のファッション・デザイナー、マリー・クワント。彼女の1955〜75年にかけての功績を振り返る展覧会が、2022年11月26日(土)より、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。スウィンギング・ロンドンの浮き立つ気分を味わって!

1960年代のロンドンで世界的ミニスカートブームを巻き起こした革新的デザイナー、マリー・クワント。その功績を振り返る展覧会「マリー・クワント展」が、2022年11月26日(土)〜2023年1月29(日)、東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。

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《マリー・クワントと、ヘアスタイリングを担当していたヴィダル・サスーン》 1964年 © Ronald Dumont/Daily Express/Hulton Archive/Getty Images

マリー・クワントは1930年生まれ。ゴールドスミス・カレッジで美術を学んだのち、25歳の時に夫のアレキサンダー・プランケット・グリーンや友人で実業家のアーチー・マクネアらとともに、ロンドンのキングス・ロードでブティック「バザー」をオープンさせる。

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《マリー・クワントと、夫でビジネスパートナーのアレキサンダー・プランケット・グリーン》 1960年 Courtesy of Terence Pepper Collection. © John Cowan Archive

当初はセレクトショップのような店だったが、約1年後にはクワントのデザインしたアイテムも販売するように。目を引くロゴやディスプレイ、大音量でかかるジャズなどは、“スウィンギング・ロンドン”の重要人物たちをも惹きつけ、店にはジョン・レノンなどの有名人も連日訪れたという。

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《マリー・クワントのタイツと靴》 1965年ごろ Image courtesy Mary Quant Archive / Victoria and Albert Museum, London

クワントは1950年代後半に世の中に登場した、ミニスカートの爆発的ブームに貢献。自らもミニスカート&タイツという斬新なスタイルでしばしばマスコミに登場した彼女は、以前は富裕層や上流階級のものだったファッションを、普通の若い女性たちにも広めることに成功した。

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《ベストとショートパンツのアンサンブルを着るツイッギー》 1966年 © Photograph Terence Donovan, courtesy Terence Donovan Archive. The Sunday Times, 23 October 1966

目の前に立ちはだかる、ジェンダーや階級意識などの固定概念の壁にも風穴を開けるべく、広告にはツイッギーら中性的なモデルや黒人モデルを積極的に起用したり、大英帝国勲章受勲の時にも自らデザインしたジャージー素材の服で式典に臨んだりも。女性にはふさわしくないとされていたパンツやジーンズをラインナップに加えたり、男性用スーツや軍服で用いられる生地を女性のカジュアルウェアに仕立てたことも話題となった。

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《マリー・クワントのカンゴール製ベレー帽の広告》 1967年 Image courtesy of The Advertising Archives

1960年代にはアメリカ屈指の大手百貨店チェーン「J.C.ペニー」や、大手衣料メーカー「ピューリタン・ファッションズ」の依頼で既製服も手がけ、自らのデザインを大量生産で多くの人に届けることに挑戦。1963年にはそれまでより低価格で若々しい「ジンジャー・グループ」というラインを立ち上げ、起業家としても大成功を収めた。自らの名前を冠したコスメ&ファッションブランドのマークとして今なお愛され続けるデイジーマークを商標登録し、グローバル化に弾みをつけている。

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《ドレス「ミス・マフェット」を着るパティ・ボイドとローリングストーンズ》 1964年 Photograph by John French © John French / Victoria and Albert Museum, London

1955年から75年にかけてのマリー・クワントのデザイナーとしての活動、時代を切り開いた起業家としての歩みを辿る本展では、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館より来日する約100点の衣服を中心に、小物や写真、映像などを展示。音声ガイドではスウィンギング・ロンドンを体感したロンドン出身のブロードキャスター、ピーター・バラカンが、当時の音楽とカルチャーを通してクワントが活躍した時代について語るほか、人気声優の梅原裕一郎も出演、展示の見所をわかりやすく解説するので必聴だ。なお、ドキュメンタリー映画『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』も、展覧会と同時に同じ建物内のBunkamura ル・シネマと、名古屋・センチュリーシネマを皮切りに順次全国公開されるので、こちらもぜひチェックしてほしい。


「マリー・クワント展」
会期:2022年11月26日(土)〜2023年1月29日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
時間:日曜〜木曜 10:00〜18:00(入館は〜17:30)/金曜・土曜 10:00〜21:00(入館は〜20:30) ※状況により会期・開館時間等が変更となる可能性あり
休館日:12月6日(火)、1月1日(日・祝)
観覧料:一般 ¥1,700、大学・高校生 ¥1,000、中学・小学生 ¥700
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_maryquant/

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