第6回 工藤祐次郎さん シンガーソングライター
加賀 工藤さんのことは、友人に教えてもらって。曲のカッコよさに衝撃を受けました。単独ライブやラジオでも曲を使わせてもらっています。
工藤 うれしいです。音源をお送りしたりはしていましたが、直接会うのは初めてですね。
加賀 工藤さんの音楽のルーツが気になります。
工藤 多分、自分のスタイルはフォークが近いんですが……一番初めに買ったCDはGLAYの「誘惑」と「SOUL LOVE」だったんですよ。
加賀 イメージと全然違う! 最高ですね。
工藤 J-POPを聴いてすくすく育って、中学でHi-STANDARDにハマり、そこからロックやパンク、ロキノン系に。大学で入った軽音サークルがひねくれた人たちの集まりで、 60年代の洋楽ロックやアングラ系が主流だった。そこでまたいろいろ吸収してぐちゃぐちゃに(笑)。
加賀 それを聞いても、結果的に今の工藤さんになる道筋が見えない……。
工藤 その後、グレイトフル・デッドとかザ・バンドとか、ウッドストック文化に傾倒して。最初にフォークを聴いたとき、それまで好きだった音楽と同じ印象を受けたんです。人から「自由を感じさせてくれるものが好きなんだね」と言われて。パンクもロックもフォークも、自由になれる。
加賀 表現されている音よりも、根っこにあるものを感じ取ったんですね。工藤さんの曲って怒りや悲しみがあるはずなのに、強い言葉や音の圧で訴えかけない。それなのに絶対にこの人だ!ってわかるのがすごい。唯一無二の、侘び寂び軽み。
工藤 「軽み」でいえば、レコーディングで最初の何テイクかは気持ちが入りすぎることもありますが、疲れてくると抜けていい感じになるんです。
加賀 僕、漫才が本当にうまくなくて。自分と向き合えていないんです。コントはお芝居だから役を演じるけど、漫才は自分をさらけ出さなきゃいけない。そこが恥ずかしくなっちゃうんです。
工藤 僕も「ここ、いいこと言ってますよ」みたいな歌詞には、キュッて照れちゃいます。結局、自分が好きになるのは、あまり何も考えずにできた曲が多い気がします。最初にポンと出たものに、もっと伝わるように音や言葉を足していくと、変な感じになる。サラサラと一筆書きでできたもののほうが気に入っています。
加賀 沁みます。僕が今一番考えている部分。
工藤 頭使って書くと、多分ダメなんですよ。
加賀 もう少し、いろんなことと向き合う時間が欲しいです。そうは言ってもみんな生活がありますからね……。悩み相談になっちゃいました。
工藤 時間が足りない。今度、飲みに行こう!(笑)