柳楽優弥×萩原利久×JUNON。映画『RYUJI 竜二』で挑んだ新境地

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歌舞伎町に降り立った演技派たちの挑戦に酔いしれる

萩原利久 柳楽優弥 JUNON

時代を超えて胸を打つ人と人とのあわい

1983年に公開された川島透監督・金子正次主演のヤクザ映画『竜二』はバブル景気直前の日本で裏社会に生きながら、仲間や家族との間で揺れ動くひとりの男性に焦点をあてた物語。令和のいま、時代設定はそのままに『RYUJI 竜二』としてリメイクされた。竜二役として主演を務める柳楽優弥をはじめ、舎弟の直に萩原利久、ひろしにJUNONのふたりが脇を固める。取材ではそれぞれの挑戦する姿勢が垣間見えた。

80年代の伝説的アウトロー映画を令和に演じる意味

JUNON

柳楽(以下Y) 「監督・水田伸生さんとは『ゆとりですがなにか』という作品でご一緒していて、もっとコミカルな作風のイメージが強かったのですが、今回は一度そこを覆い隠して、しっかりとヒューマン作品に向き合うという心意気を感じました。監督から7年前ぐらいに企画のお話をいただいて、自分もまだ20代後半だったので正直自信がなかったです。そこからトライ&エラーを重ねて完成した台本を読んでから現場に入ったので、時間をかけて取り組むことができた印象です」

萩原(以下H) 「ヤクザ役は今まで挑戦したことのないジャンルだったので純粋に興味がありましたし、水田伸生監督とも久しぶりにご一緒できることもうれしかったです。20代半ばを越えて今の年齢になったからこそできる役柄なので、チャレンジしてみたいと思いました。暴力シーンはないわけではないのですが、それ以上に人間同士のつながりや正義と悪について描いていて、視点ひとつで捉え方が変わる作品。脚本を読んでより挑戦したいという気持ちが強くなりました」

JUNON(以下J) 「俳優として参加するのは2作品目ですが、前回はヤンキー役で今回はヤクザの舎弟役。自分が生きてきた中でまったく関わることのない世界に入り込むことができて刺激的でした。常に新しい挑戦をすることが今後の自分の成長につながると思っているので、貴重な機会になりました」

柳楽優弥

──裏社会に生きる竜二が家族を得たときの喜びや周囲との軋轢が描かれる今作。彼らの濃密な関係性に魅せられ、観客も引き込まれていく。厚みのある人物造形はどのように生まれたのか。

Y 「役を演じるにあたり、過去のヤクザ映画なども見直したのですが、そのうちに竜二って時代の変化に伴う空気の中で戸惑っている人だという印象を受けたんです。原作はバブル景気前でいまはAI革命がおころうとしているときですよね。新たに定義されていくものを探している人と考えると自分にも理解できるなと。この作品がいま生まれる意味があるという軸を見つけられた気がしました」

H 「僕が演じた直という人物のもつ愚直さ、まっすぐさは、人としてすごく素敵な一面だと思っています。慕っている人とのつながり方はある意味で折れないし、強くてまっすぐ太い部分があって、そこを汚さないように演じたいというのは最初から意識していました」

J 「ひろしは常に等身大でまっすぐな人間。自分の憧れたものに対して愛情を注ぐことができるし、着飾ることのない姿がかっこいい。人に弱みを見せられる人間って今の時代はそう多くないと思うので、学ぶところがありました」

萩原利久

合同取材が始まる前、再会するのは半年ぶりという3人は時折和やかに話し、関係性のよさを感じさせた。この信頼があってこそ激しいアクションシーンや仲間同士の絆の深さを表現できたのだろう。世界的な人気を誇るBE:FIRSTのメンバーとして活躍するJUNONのことを、以前からYouTubeで見ていたという柳楽は「実際に年も僕はちょっと上なので、この3人のトライアングルは自然と出来上がった」と言う。

JUNONは「作品に入る前に『ガンニバル』を観ていたので、柳楽さんは怖い方だと思って挑んだのですが、最初の撮影が一緒に暮らす部屋のシーンで、僕のことを知ってくれていたと聞いて力が抜けました」と笑うと、萩原も「柳楽さんはどんな方なんだろうと想像してもキリがないので結局現場に入るまで着地しないんですけど、最初のご挨拶がやわらかくてキュンとしました。柳楽さんは普段はフラットでいながらも、瞬間的に竜二さんの狂気に切り替わる。その姿を何度も現場で見たので、人間としても俳優としてもすごく大きな方だなと。現場が終わってもその気持ちは大きくなる一方です」とラブコール。

彼らの息の合った掛け合いは言わずもがな、竜二の運命の相手となる、まり子役を務める川栄李奈やトラブルを引き起こすカズ役の三宅健などとの、役者同士のひりひりとする演技の応酬も見逃せない。

萩原利久 柳楽優弥 JUNON

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萩原利久プロフィール画像
俳優萩原利久

「冒頭のシーンは印象的。道行く人が2度見するぐらいハードです。自分で階段から落ちたりしたので痛かったし、その日のお風呂で傷口が染みた瞬間の、部活帰りのような疲労感も心地よかった。戦いをみせるアクションというよりは芝居の流れにある喧嘩でした。役を通じて全身を使って表現していく感覚があったと思います」

 

はぎわら りく●1999年、埼玉県生まれ。2008年に子役としてデビュー。ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」「美しい彼」、映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』など話題作に多数出演。Netflix「ダウンタイム」でも好演。

柳楽優弥プロフィール画像
俳優柳楽優弥

「バイオレンスな描写については、現場でかなり話し合いをしました。特に自分は、原作にある妻に対する暴力の表現に対しては慎重に捉えていましたね。現場の雰囲気任せや意図しないバイオレンスでは、ノイズになると思って。そういう積み重ねを経て、今の感覚にも合ったヒューマンドラマになったと思います」

  

やぎら ゆうや●1990年、東京都生まれ。映画『誰も知らない』で俳優デビュー。同作でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を史上最年少・日本人初で受賞。ドラマ「ガンニバル」「ライオンの隠れ家」やNetflix「九条の大罪」などで主演を務める。

JUNON(BE:FIRST)プロフィール画像
アーティスト・俳優JUNON(BE:FIRST)

「この作品で初めて本格的な演技のレッスンを受けました。話すときの発声の仕方とか、感情をどう表に出すかとか、勉強になりました。実は撮影途中でエンディング曲に玉置浩二さんの『メロディー』を歌うことが決まったんですが、利久がファンと聞いてより怖くなったことを覚えています(笑)」

 

1998年、東京都生まれ。BE:FIRSTのメンバーとして2021年にデビュー。伸びやかな歌声と高い表現力を持ち、音楽活動を中心に、モデルや俳優としても幅広く活躍。昨年映画『ウィンドブレイカー』で俳優としての活動もスタート。

『RYUJI 竜二』

『RYUJI 竜二』

80年代の歌舞伎町。周囲から一目おかれるヤクザ・竜二は恋人まり子との間に息子を授かり、極道の世界と距離をとるように。家族のように大切に思う舎弟との日々も交えて複雑な人間ドラマが繰り広げられる。(10月30日全国公開)

©2026「RYUJI」製作委員会

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