【モードのベールを求めて】Miyako Koda × Fusae Hamada

甲田益也子さんのニュートラルに見えて、芯のある佇まいに憧れているという浜田英枝さん。用意した服の世界に合わせて、繊細な揺らぎを演じてもらった。

魅惑的な存在がクリエーションを刺激する

ガウン¥253,000・スカート¥114,000/ドリス ヴァン ノッテン ピアス¥56,000/エスケーパーズオンライン(ソフィー ブハイ)
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ハイビスカスや小花がちりばめられたラグジュアリーなガウン。透明感のある素肌にまとうことで、どこか品のあるスタイルに。

浜田英枝(以下H) 物心ついた頃からファッションや音楽、映画などで甲田さんのご活躍を見ているので、ずっと手の届かない憧れの存在でした。

甲田益也子(以下K) 一度、お仕事をご一緒したことがありますよね?

H あのときは、もう少しリアリティのある企画だったので、もっといろいろな表現でご一緒したい!と思ったんです。

K ありがたいです。

H 最近、この年代の人はこういうスタイルだという一般的な考えに対してちょっと窮屈に感じることがあって。もっと自由になったらいいな、いっそ自己解放したもん勝ちなんじゃないかと思うんです。今って性別も年齢も垣根がなくなって、ただその人自身が発するものに共感できればいい時代になってきましたよね。そんな中で、やっぱり甲田さんってすごい。いつまでも本当にカッコいい存在なんです。

K 結構、生活感あるんですよ。どう過ごしているのかと聞かれることも多いのですが、実は何もしていないんですよね。モデルでも音楽でも、何か発表するという段階になるまで、自分からは動かないですし……。

H そうなんですね。甲田さんて、私の中で幻想や揺らぎといった、つかみきれないイメージ。洋服自体は形や色のあるものですが、甲田さんに着てもらうと、何かまた違うベールをまとうような印象。90年代に出演された映画『白痴』を観ていても、押し入れの中にいたとしても、ふわーっと美しさがあふれている。自分もですが、どんなクリエイターも甲田さんの魅力を具現化するのを夢見ているんだと思います。

K 私は他人から妄想を抱かれやすいとは思います。きっと共感するものがあるということなんでしょうね。

H 余韻として残るものが魅力的だから、また一緒にお仕事をしたくなるのでしょう。

K 次の機会も楽しみにしています。

トップス¥155,000・下のスカート¥108,000・ブラックチュールスカート¥113,000・マスク¥46,000/メゾンマルジェラ トウキョウ(メゾン マルジェラ)
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クチュールの技術を駆使して、ドットの形に切り取られたセットアップは水の泡のように儚げ。

甲田益也子
1980年、資生堂の広報誌『花椿』でモデルとしてデビュー。’82年には『an・an』の専属モデルとなる。’83年にバンド「dip in the pool」を結成し、作詞とボーカルを務める。’99年に俳優として参加した映画『白痴』のデジタルリマスター版が現在公開中。https://eigahakuchi.com/

浜田英枝
スタイリスト。モード誌を中心に、広告、CM、カタログなどで活躍する。ハイブランドから新進気鋭ブランドまで、アンテナを張り巡らせ、時代の流れをいち早くキャッチ。根底に敬愛するカルチャーを感じさせるミックススタイリングに定評がある。

 

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