パリ・メンズ・ファッションウイーク。気分は既に、2016年秋冬!

1月20日〜24 日はロンドン、ミラノに続き、パリでメンズ・ファッションウイークが開催。“自身のメンズ・ブランドに専念したい”と惜しまれつつディオールを去ったラフ・シモンズのその後初めてのショーや、パリの代わりに後日ロサンゼルスでサンローランのショーを開くことを発表したエディ・スリマンの不在など、ターニングポイントとなったシーズンでした。

今回気になったテーマの一つは、ミリタリー。ただ、ここ数年ぱっと出ては今ひとつメインストリームにならなかったラフなサープラス調ではなく、もっと大人でちょっとセクシーなミリタリーです。特によかったのは、カーキだけでなく黒やネイビーも多用した、キム・ジョーンズによるルイ ヴィトンオム。個人的にはちょうど、最近フランスで放映されているドイツのテレビドラマ『Deutschland 83』にはまっているので、この影響かも! と勝手に思い込んでいます。なぜなら、ランウェイのトラックリストもD.A.F.をはじめ’80年代末〜’90年初頭のテクノが多くて、ドラマと関連しているから。さて、このテーマは1か月後のウイメンズにも見られるんでしょうか? To be continued…….

ミリタリーはさておき、私のごひいきのデザイナーたちは今回も元気!オペラ座でショーを開いたのはドリス・ヴァン・ノッテン、名誉ある文化勲章を受賞したのは、ピエール・アルディ、アート指数が高い展示セットで私たちをまたもや驚かせたのは、ロエベのジョナサン・アンダーソン……。一方アルベール・エルバスが去った後初めてのランバン・オムのショーでは、ルカ・オッセンドライバーがフィナーレに現れるとスタンディング・オベーション!メンズ・ウイークはこうして“感極まり”の最終日を迎えたのでした。

ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子プロフィール画像
ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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