ファッションとビューティ、ふたつのブランドをディレクションする高園あずささん。現在は大阪を拠点に、東京や九州へ往来する生活を送っている。3人の子を持つ母でもある高園さんが多忙な日々の中で大切にしているのは、自分が心地よくいられる香りだ。母である自分と、個としての自分。その二面を軽やかに行き来しながら、人生を楽しむためにまとうフレグランスのこだわりを聞いた。

おしゃれな人はなぜ“いい香り”? 世界観を作るクリエイティブディレクターの香りの秘密|高園あずささん

ファッションとビューティ、ふたつのブランドをディレクションする高園あずささん。現在は大阪を拠点に、東京や九州へ往来する生活を送っている。3人の子を持つ母でもある高園さんが多忙な日々の中で大切にしているのは、自分が心地よくいられる香りだ。母である自分と、個としての自分。その二面を軽やかに行き来しながら、人生を楽しむためにまとうフレグランスのこだわりを聞いた。

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高園あずささんプロフィール画像
クリエイティブディレクター高園あずささん

佐賀県出身。アパレルブランド「Ungrid」のクリエイティブディレクターを約8年務めた後に独立。現在はフリーランスのクリエイティブディレクターとしてアパレルブランド「JSELF(ジゼルフ)」、スキンケアブランド「SUWAH(スワ)」を手がける。プライベートでは3児の母。

高園さんの「香り」の条件|自分自身が心地よくあるために

クリエイティブディレクターの高園あずささんのおしゃれな全身コーデ

トップスとパンツは自身のブランド「JSELF」でスタイリング。ブランド名は「Just be my self」に由来し、ありのままの自分でという意味が込められている

高園さんが5年ほど愛用している香水は、メゾン ルイ マリーの『No.9 ヴァレ ドゥ フェルネ自然公園』。フランス植物学の父とも呼ばれたルイ=マリーの子孫が2013年に立ち上げたブランドで、情景を繊細に描き出すのが特徴だ。

野生の森から着想を得たメゾン ルイ マリーの『No.9 ヴァレ ドゥ フェルネ自然公園』

高園あずささんの愛用香水はメゾン ルイ マリー『No.9 ヴァレ ドゥ フェルネ自然公園』

シトラスノートにブラックペッパーをきかせたトップに、シダーウッドやパチョリが爽やかな深みを添えるメゾン ルイ マリー『No.9 ヴァレ ドゥ フェルネ自然公園』

「5年くらい前、お仕事を長くご一緒していたエディターの方にギフトでいただいたのがきっかけ。そこからずっと“今の気分”にしっくりくる香りであり続けていて、いつも手に取るのがNo.9の香り。さわやかで上品なウッディノートにほんのりブラックペッパーがニュアンスを添えていて、つけていて落ち着きます。自分がほのかに感じるくらいの柔らかな香り立ちも、たまらなく好きなんです」

ロールオンタイプで気軽に香りをまとえるところも好み

メゾン ルイ マリーのNo.9 のパフュームオイルは手の平に納まるコンパクトさも魅力

肌の上に転がし、ピンポイントで香りをまとうことができるロールオンタイプのパフュームオイル。「この小さなサイズ感も、バッグに入れて持ち歩きがしやすく便利です」

日常的なシーンから、たくさんの人と会うイベントなど、さまざまなシチュエーションでこの香りを自然と手に取ることが多いという高園さん。

「時間がたって香りが落ちてきたなというときも簡単につけ直すことができるので、常にポーチに入れてあります。朝は別の香りをつけて出かけて、夕方にこの香りをレイヤードすることも。それでも嫌な香りにならず、どんな香りとも相性がいい。不思議な魅力があります」

空間に癒しをもたらすsoelの『LIVING-OIL フレグランス Lily Musk』

soelの『LIVING-OIL フレグランス Lily Musk』は天然精油100%のやさしい香り

リリーやローズゼラニウムにムスクが重なり合うパウダリーなフローラルノート。合成香料は使用せず天然香料100%で作られ、敏感肌でも使えるようにアルコール濃度は控えめに設計されている

ほぼ毎週の出張時、ホテルでリラックスするために空間にスプレーするのがsoelのフレグランス。soelは植物の恵みを生かしたホリスティックスキンケアブランドだ。

「こちらはスーツケースに入れていくのが定番です。知ったきっかけはJSELFとコラボさせていただいたこと。初めて香りを嗅いだとき、天然精油でこんなにも素敵な表現があるんだと驚いて。それまで天然精油は香りも持続しにくく、香調の幅も狭いと思っていたんです。『Lily Musk』は好きと感じた香りなんですが、ユリやムスクの柔らかさが心を穏やかにしてくれます」

陰と陽を意味する、JSELF×mauの天然精油の香り

陰と陽を意味する、JSELF×mauの天然精油の香り

ネロリやサンダルウッドなどがしっとり落ち着いたアティチュードを放つ『-yin-(Black)』と、ベルガモットやイランイランなどの晴れやかな香り『-yáng -(White)』。2025年10月に限定で発売され、現在はSOLD OUT

年齢を重ねるにつれて、天然精油の優しい香りに惹かれるようになったと話す高園さん。そんな中で出合ったのが、厳選された天然精油でデザインされるmau AROMATIQUE。

「こちらも天然精油の概念を覆されたブランドのひとつ。唯一無二の洗練された香りに心をつかまれました。ブランドが表現する世界観やボトルのビジュアルもとても素敵。JSELFの1周年の際にコラボした香りなんですが、陰と陽、そのどちらも受け入れて自分なんだという想いを込めて調香していただきました」

憧れをフレグランスに投影してきた高園さんの「香水遍歴」

どこか背伸びをして生きてきた10代、20代。高園さんが愛用してきた香水には、「こんな女性になりたい」という思いが込められていた。

10代の頃に愛用していたのはクロエの『オードパルファム』

「大ヒットしたパウダリーなローズの香り。当時は大人の女性の香りだなと感じていました。甘い香りが苦手、というのは当時から一貫している気がします」

20代、憧れの人がつけていたコム デ ギャルソンの『オードパルファム』

コム デ ギャルソンの『オードパルファム』は憧れの人の香り

シダーウッドや白檀にローズの抱擁力もしのばせて。アンチ・パフュームをコンセプトとし、自分を奮い立たせるようなスパイシーウッディノート。1994年に誕生し、今もなお愛され続けている名香だ

「これは私の服づくりの師匠がつけていた香りなんです。全く媚びていない、どちらかというとちょっとクセがある。でもどこか心地いい。まさに、私の憧れの人を体現したような香り。背筋が伸びるような場所に招待してもらった際などにまとっています」

高園さんのキャリアの中で、ひとつのターニングポイントはクリエイティブディレクターに抜擢されたこと。

「それまではプレスだったので、PRやVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の方が得意でした。ところがディレクターになるには、服づくりをゼロから学ばなければいけない。そこで、当時ずっと憧れていたデザイナーの方に、“服づくりを教えてほしい”とアタックしたんです。実際にお会いしたらすごく気さくな方で、それから5年間みっちり教えてもらいました。今のわたしの基盤がそこにあるといっても過言ではありません」

寄り添う香りが、自分らしさにつながっていく

高園さんがまとう香りは、今の自分を体現するもの。「携わっている洋服やスキンケアブランドに関してもそうなのですが、着る人や使う人が自らを愛おしいと思えたり、自信がもてる何かをつくりたい。歳を重ねるといろんな環境の変化もあるけれど、人生を楽しまなければ損だというマインドです。香りも含めて、自分の気持ちにベストな選択をしていきたいです」

人との出会いと同じように、香りもまた、出合いによって導かれていくもの。直感に身を委ね、自分を丸ごと包み込む香りとともに、私だけの道を進んで。