建築&アート好きにはたまらない! ザ・グラスハウスへ

この夏のバカンス第二弾は、久々にアメリカへと出向きました。ニューヨークに着くとまずはマンハッタンで友人に合流し、車でロングアイランドへ。ハンプトンズを抜け、島の最東端のモントークまで行った後は、フェリーでコネチカット州へ渡ります。そしていよいよ目的地、ニューカナーンのナショナル・トラスト・ヒストリック・サイト、ザ・グラスハウス(The Glasshouse)へ。

 1949年〜1995年にかけてザ・グラスハウスを作ったフィリップ・ジョンソンは、かのアンディ・ウォーホールとも親交が深かった、20世紀を代表する建築家。ここでは起伏があり緑豊かな49エイカーの敷地内に、プール、スタジオ、水辺のパヴィリオンなど、いずれもミニマルながら意表をつく形の14の建物が点在しています。その核となるのが、文字通りガラスで覆われた家「グラスハウス」。彼はオープンスペースにキッチン、ダイニングルーム、ベッドルーム、暖炉、収納、オフィスまでを収め、1949年から2005年に亡くなるまで、パートナーと共に実際にここに住んでいました1930年代のミース・ファン・デル・ローエによる椅子やテーブル、ジョンソン自身がデザインしたランプなど、当時のモダニスムを象徴するデザインに混じって唯一17世紀にまで起源を遡るのが、ニコラ・プッサンによる風景画。実はよく見るとこの風景画と敷地全体のランドスケープ設計には、共通点があるのがわかります。

 

また、敷地内の絵画ギャラリーと彫刻ギャラリーではジュリアン・シュナーベル(Julian Schnabel)、フランク・ステラ(Frank Stella)ブルース・ナウマン(Bruce Nauman)など、ジョンソンのプライベート・コレクションからのアート作品の数々が見られるほか、定期的に企画展も開催。この夏は屋外でロバート・インディアナ(Robert Indiana)のスカルプチャー展『One Through Zero』が開催中です(〜11/30)。

マンハッタンからザ・グラスハウスへのアクセスは意外と簡単で、グランド・セントラル駅から電車Metro North Haven Lineで約1時間15分、ニューカナーン(New Canaan)駅下車。まずは駅の向かいにあるビジター・センターに集合し、バスで郊外のザ・グラスハウスへと向かうシステム。早めにガイド・ツアーへの予約がお勧めです。

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ファッション・ジャーナリスト 乗松美奈子

パリ在住。ファッション業界における幅広い人脈を生かしたインタビューやライフスタイルルポなどに定評が。私服スタイルも人気。
https://www.instagram.com/minakoparis/

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