日々に花と花器があるだけで

朝10時から仕事を始めてあっという間に夜10時。慌ただしく過ぎ去る日々の中、みずみずしい花がちらりと視界に入るだけでふっと肩の力が抜けて、穏やかな気持ちに戻れます。昔花のテーマを担当した時、フローリストさんがおっしゃった「忙しい時こそ花を買うんです」という言葉が印象に残っています。
さて、そんな花の魅力をより引き立ててくれるのが花器ですよね。自分で集めるのも楽しいですが、今日は誕生日に贈られた花器を紹介したいと思います。
こちらは京都をベースに活動する増田哲士さんによるもの。

淡いミントグリーンをベースに、灰色や白のニュアンスが感じられます。流れるような釉薬の表現は、まるで窓ガラスを伝う雨水のよう。色合いは可愛らしいのですが、マットな質感に落ち着いた渋みが宿っています。
この花器、素晴らしき「名脇役」でして、あくまでも慎ましやかに、あくまでも「花さんが主役ですので……」という感じで存在感を潜ませています。しかし地味すぎず、主役が綺麗に洒落て見えるようないい塩梅の姿形を成している、という雰囲気。もしかしたら仕立てのいい服ってこういうことかもしれないな、と思いました。

今日も1日があっという間に過ぎていきますが、部屋の一角でこの花が咲いているだけで、心にひとときの凪が訪れるのです。

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エディターITAGAKI

ファッション、ビューティ担当。音楽担当になったので耳を鍛えてます。好きなものは、色石、茄子、牧歌的な風景。

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