心も脳も幸せで満たす、至高のカヌレ

「わたしを空腹にしないほうがいい」。そんなタイトルのくどうれいんさんの著書を、最近知人に教えてもらいました。これが本当に素敵な一冊で、星形のオクラの話や甘酸っぱいソーダ水の話、帰り道にひとりかぶりつくシュークリームの話など、どれも胸がキューっとなる食にまつわる俳句とエッセーが詰まっています。生きていくために必要不可欠な食べるという行為が、こんなにもキラキラと愛おしいものなのだと、大変尊い気持ちになりながら読み進めています。

SPURの最新号は、まさにそんながテーマ。「食べること、おしゃれすること」を謳い、様々な企画が掲載されています。その中の「焼き菓子とバッグ」の撮影で出合ったカヌレに、惚れ込んでしまいました。それが、こちらです

ぽつりと佇むお花のようなフォルムがなんとも愛おしいです...。
ぽつりと佇むお花のようなフォルムが愛おしい...。

横浜にあるカヌレと焼き菓子専門店「galbeのカヌレです。以前SPURのおやつ部でも取り上げていた逸品ですが、現場で改めてその美味しさに開眼。写真のものは、お気に入りのプレーン味です。プレーンといっても侮るなかれ、外はカリッ、までは良いのですが、中の「しっとり」がこれまで食べたどのカヌレよりもし〜っとりと、口の中に風味深く広がります。小ぶりなカヌレはパクパク食べてしまう傾向があったのですが、こちらは少し違います。一個食べるごとに多幸感で胸がいっぱいになり、一息置いてから手を伸ばしたくなる感覚。例えば脳の動きが鈍くなってきた夕方、仕事の合間につまんだなら、幸せでふう~っと息が抜けていきます。何ともスペシャルな焼き菓子です。

本誌で紹介したのは、こちらのプレーン味の他に、きな粉餅のカヌレ。撮影終わりにいただいたのですが、新しい味で驚きました。見た目は、上に求肥がのり黄な粉が振りかけられた夢見心地な一品(是非誌面やインスタグラムで実際に見ていただきたいです)。「カヌレがお布団をかけている!」というスタッフがいれば、「お化けカヌレだ」というスタッフまで、想像力を掻き立てるビジュアルです。極めつけは、モデルさんが放った「Canele got married!(カヌレが結婚したみたい!)」という一言。素敵すぎます。食べてみると、抹茶味のカヌレの中にはこしあんが。上に乗った求肥の下には、バターが忍ばせられています。これまで食べたことのない風味に、「カヌレの概念を拡張している...!斬新!」と現場一同驚きました。そんなきな粉餅カヌレは、7月いっぱいまでの期間限定発売とのこと。気になった方は、是非誌面とともにチェックしてみてください!

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エディターSASAYAMA

周囲の人の着こなしが気になって仕方ない私服ウォッチャー。
街でも目を光らせています。ミニマルで、少しひねりのある服が好きです。

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