子供の頃、大人がバッグから柄のついた鏡を取り出し、さっとメイクアップを直す、という所作に漠然とした憧れがあったんです。このプロダクトに遭遇したときに、そんな懐かしい記憶が呼び起こされました。
こちら、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーの手鏡です。実は“いい感じの持ち歩き用ミラー”は長い間探していて、ウィッシュリストに入れっぱなしになったまま、なかなかこれぞ！というものに出合えず。そんなある日、何の気なしにウェブサイトを徘徊していた際に、このプロダククトを発見してしまったんです。ただ、その時はすでに在庫なしとの表記が。諦めきれず代官山店に電話したところ、店舗在庫はあるとのことで、勇んで足を運びました。
いざ実物を目にしてみると、クラシカルな“ザ・手鏡”のフォルムと、洗練されている佇まいにきゅんと胸を射抜かれました。ビュリーでは櫛などに用いられている、定番のアセテート製です。直径8.5cmというしっかりした大きさも嬉しい。今、朝から晩まで駆け回った日には、つい自分の顔についてはノーケアに。ふと洗面所の鏡に映った己が視界に入って、濃いクマにギョッとしたりすることも。そうなる前に、手鏡とともにスマートに整えられる大人になりたい、という願いも込めて迎え入れました。
決してハンディなミラーとして安価なものではないので、大切に使おうと初めて店舗で刻印も入れてもらいました。フォントを選び、手彫りでイニシャルが施されると、より愛おしさが増しますね。
さっそくバッグに滑り込ませて、ウキウキと愛用しています。取り扱いは代官山本店、京都店、オンラインストア限定発売のよう。ぜひデイリーな相棒のニュー定番として、迎えてみるのはいかがでしょう？ 私はまた一歩、美しい所作を携えた大人になるための階段を登った気持ちです。
好きな服は、タートルネックのニットと極太パンツ。いつも厚底靴で身長をごまかしています。
