ブラウンリップ選手権。私的優勝は【ゲラン】ルージュ ジェの15番

先日某百貨店の美容カウンターで「やっぱり口紅はピンクベージュが鉄板で人気ですね」というBAさんの発言を耳にして、ちょっと寂しい気持ちになりました。なぜなら私にとって圧倒的なナンバーワンはブラウンだから。

派手顔ではない私にも寄り添い、程よい洒落感をくれる色……。たくさんの色が並んでいてもまず試すのはこの色、結局選ぶのもこの色。そんな偏愛から数多のブラウンリップを試してきた私が、“理想を超える理想”に出合いました。

この秋は各ブランド気合いの入ったリップをリリースする中、ゲランは数多くのファッションアイコンやアーティストたちに愛されて来た名品「ルージュ ジェ」をリニューアル。そのNEWコレクションの中でお見えしたリップに心を奪われてしまいました。

品格を放つウォームブラウン。もっと黄味が強いとポップになるし、もっと赤みが強いとエレガントだけどややコンサバティブになる中、絶妙なバランスを保っています。温かみはあるものの低体温なムードでトレンドのミュートメイクともマッチするし、かといって不健康には見えない！　シックでありつつも現代的な解釈がなされた、ゲランならではの提案だと思います‼

このリップスティックは発色はもちろん、ひと塗りで唇をケアして、なめらかな質感を演出するテクスチャーも魅力。アラフォーのブラウンリップ愛好派としては老け見えは絶対回避したいポイントで、いくら色がおしゃれでも縦ジワやかさつきが目立つものはNO。これまで某日本未上陸ブランドのブラウンリップが大好きだったのですが、質感がマットで少しケアを怠ると枯れ葉のような唇になるのが悩みでした……。その点、このリップスティックは色味は落ち着いているのに、唇の質感はいきいきして見えるという素晴らしさ！キープ力まで文句なしです。

そして他にも特筆すべきはルージュ ジェのプロダクトとしての美しさ。全9種類から選ぶことのできるケースはどれもラグジュアリーな佇まい。私は中でもゲラン一族が愛した建築様式を取り入れた“アールデコ”とシャンゼリゼ通り68番地にあるブティックの床面から着想を得た“マーブル”がお気に入り。カンバセーションピースとも優秀で、先日も立ち寄った喫茶店でこのリップを取り出したところ御年80歳のご婦人に声をかけられ、普段あまり話す機会のない世代の方とコスメ談義を交わすという楽しい時間を過ごすことができました。

さらにリップスティックを取り出すとパカッと開いてダブルミラーがお目見えする仕様も継続。このケースなら、リップを塗り直す所作までに自然と美しく決まる。忙しくて頭を振り回していても、疲れてボロボロの顔をしていても、このリップを手にする瞬間は背筋が伸びて、淑女になれる。そんなパワーのあるアイテム。秋のリップどうしよ？　とお考えのあなたに、激推ししたい1本です。