2026.05.26

写真家・横浪修さんの挑戦「生命力を感じる瞬間を切り取り続ける」

写真家・横浪修さんとSPURSHOPのコラボレーションが実現! 代表作のひとつ『Assembly』シリーズをプリントしたユニセックスのアートTシャツを製作した。素材は、なめらかで毛羽立ちにくいコンパクトコーマ糸を使用した厚手のコットン100%。ベーシックなシルエットで、誰もが着やすい一枚になっている。日頃の作品制作と今回の協業について、横浪さんに貴重なお話を伺った。

写真家・横浪修さんとSPURSHOPのコラボレーションが実現! 代表作のひとつ『Assembly』シリーズをプリントしたユニセックスのアートTシャツを製作した。素材は、なめらかで毛羽立ちにくいコンパクトコーマ糸を使用した厚手のコットン100%。ベーシックなシルエットで、誰もが着やすい一枚になっている。日頃の作品制作と今回の協業について、横浪さんに貴重なお話を伺った。

INDEX

着目したのは、個人と集団それぞれの個性

2010年に撮影を開始し、今では5冊の写真集を出版している『Assembly』シリーズ。この作品で捉えたのは、集合体としての強さだと横浪さんは語る。

「長年『1000 CHILDREN』シリーズの制作に取り組んでいたんです。同じ条件下で子供を撮影することで、個々のキャラクターの輪郭がはっきりするのが面白かった。でもその写真を並べて引きで見たときに、集合体に見えることに気づきました。街にいる中高生のグループも、近づけば一人一人個性が見えますが、遠巻きだと若いパワーがみなぎる集団になりますよね。そんな集団性をよりフィーチャーするために、人工物のない自然の中に置いてみたらどうなるだろう、と思って撮り始めたのが、『Assembly』シリーズです。個人の特徴が消えていく代わりに、集団としての強さが見えてくる瞬間を捉えたかったのです」。

Tシャツに採用したのは写真集『Assembly snow』『Assembly snow Ⅱ』に収録されている2枚だ。カラフルなポンチョを着たモデルを雪山に連れて行き、撮影している。

「シンプルな場所であえてブラすことで、集団と背景を融合させています。輪郭がまじわり、最後は消えていくイメージです。これはモデルの動きとシャッター速度を計算した、手持ちによる撮影。背景のブレ方や像の残り方など、試行錯誤して辿りつきました。撮っているとき、雪の中でも汗が出るくらい自分の気持ちが上がると、それが写真にも反映されるのです」。

 

写真家・横浪修さんの挑戦「生命力を感じるの画像_1

『Assembly snow』snow_002

写真家・横浪修さんの挑戦「生命力を感じるの画像_2

『Assembly snow Ⅱ』snow_012

作品が着用されるという喜び

今回は2枚の作品をブラックとホワイトの2色の生地で展開し、全4モデルを製作。ユニセックスでまとえるよう、S、M、Lの3サイズを用意した。

「作品を壁に飾ってもらうのではなく、着てもらえるというのはあまりない経験で、嬉しいです。より多くの方に届けられるのも魅力ですよね。使用する作品はSPURSHOPからの希望だったのですが、青空のカット(snow_012)が選ばれたのは意外でした。『Assembly snow』を象徴するような円になっているカット(snow_002)とは異なる新鮮さがあります」。

 

切り取るのは、生命力を感じる瞬間

そして、現在横浪さんが取り組んでいるのが『HOME CHILDREN』の制作だ。

「いろんな方のご自宅にお邪魔して、お子さんを撮らせていただいています。そのシチュエーションにすることで、現代における東京の住宅環境を記録するという側面もあります。撮影できたのはまだ十数名なので、もっと続けていきたいです。やっぱり僕は、体温を感じる人を撮るのが好きで、光や生命力に反応してしまうんです。実際にその人が生活している様子が立ち上がってくるような、リアリティとピュアさに惹かれます。『Assembly』シリーズの場合はある程度のセットアップが必要でしたが、その中でハプニングやドキュメンタリー性も捉えたいと思っています。人が集合しているときっちり並んでもらいたくなったりもしますが、動く中で一人の子がつまずいたり遅れたりする不規則性やコントロールが及ばない一瞬に、“人”を感じます。個性は漏れちゃうんですよね」。

ファッション誌から広告まで依頼が絶えない横浪さん。日々忙しく仕事をこなしながら、それでもコンスタントに作品制作を続ける原動力はいったい何なのだろうか。

「やりたいというよりは、やらなければ、という使命感です。自分のなかに、仕事だけやっていたらダメだという危機感が昔からずっとありました。雑誌や広告は、ギャランティをいただいて、ある程度枠組みがある中で撮影をします。でも自腹で何も決まりがない時に、自分は一体何を撮りたいのか。現代は、どうしてもすごいスピードで製作物が消費されていってしまいますよね。作家性のあるアウトプットを意識的にしていかないと、作品を残していけないと思ったのです。コンセプトは撮りながら探すしかない部分もあって、写真集であれ展示であれ、とにかくやってみることが大切だな、と考えています。たとえ思うような結果や反響ではなかったとしても、それを踏まえて次に進めるので、一度形にして世に出すということに意味があります。そしてまた撮る、の繰り返しです。『この写真でいいかどうか』の答えは自分自身の中にしかないので、今も常に試行錯誤を続けています」。

写真家・横浪修さんの挑戦「生命力を感じるの画像_5

(右)Tシャツ「snow_002」(着用サイズM)¥8,800・パンツ¥47,300(ビューティフルピープル)・ピアス¥38,500(アサミフジカワ)・バングル¥41,800(ジャミレイ)/ミラベラ (左)Tシャツ「snow_012」(着用サイズL)¥8,800/ミラベラ

横浪修プロフィール画像
写真家横浪修

1967年京都府舞鶴市生まれ。1989年文化出版局写真部入社。自身の作品制作を行いながら、ファッション写真・広告写真、CDジャケットのほか、ムービーやドローン撮影など幅広く手がけている。昨年、最新作として写真集『After Primal』(LIBRARYMAN)を発表した。

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