「気になる噂のニューレーベル」と「朝吹真理子&石内都対談」舞台裏ストーリー #SPUR9月号

スタイリストの遠藤彩香さんいわく、「毎回この特集は胃がいたくなる」とのこと。すごく同感です。アップカミングレーベル集めました!なんてポジティブに言うだけだと全然伝わらないんですけど、アップカミングレーベルって、新しいだけに少人数のスタッフでまわしていて、日本にプレスがなくて連絡がとれなかったり、サンプルができていなかったり、サンプルがあっても日本に送ってくれなかったりするんです…。涙。しかも、今回の企画にぜひとも反映させたいLVMH賞の結果は撮影3日前にくらいに発表される、というぎりぎりっぷり。ANDAM賞にいたっては、発表されたのは校了中でした。

でも、そんな悪条件に負けずに根気強く交渉しながらの綱渡り生活を1カ月ほどスタイリスト遠藤さんとし続けた結果、今注目すべきブランドをあますところなく網羅した企画となりました。梅雨空に負けずに笑顔のモデルのバーバラとジェイが着こなしてくれているのは、マシュー アダムス ドランのビッグジージャンとワイドデニムです。着たら「それどこの?」と聞かれること間違いなしの、”他にはない”アイテムの数々をお送りします!

さて、皆が知らないブランドを追いかけたあとは、誰もが知っているお二人の登場です。現在資生堂ギャラリーで個展を開催中の石内都さんと、作家の朝吹真理子さん。石内さんの『ひろしま』については、SPURでも何度か取材させていただいていますが、とても素晴らしい作品群です。そして今回の個展では、フリーダ・カーロの遺品にフォーカス。

この美しい遺品を切り取る石内さんに、『ひろしま』を愛読されていた朝吹さんが会いに行く、という形で今回の対談は実現しました。作品への想いがあふれすぎて、ご挨拶するなり堰を切ったように石内さんにお話を始めた朝吹さんがとても印象的でした。世代も職業も違うおふたりが、どのように”時間の器”とも呼べる作品にアプローチするのか。とても丁寧に、熱をこめてお話くださっています。石内さんの新刊2冊『フリーダ 愛と痛み』『写真関係』とともに、個展を観る前にチェックしていただけたら、ギャラリーでの好奇心がきっと何倍にも膨らむと思います!



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