スタイリスト金子夏子の 「きれいな大人」の名品図鑑

「今着たい名品とは、大人ならではの余裕やリラックス感を感じさせるもの」と語る金子さん。何げないスタイルなはずなのに＂とびきり素敵＂な理由をつくる、これからの名品をご紹介

シワ加工が施されたコットンのオーバーサイズコート。「ミリタリーコートをベースとしているのに、着たときのフォルムはエレガント、という二面性にひかれて。袖を肘までまくればパフスリーブのように膨らむし、ウエストを絞っても美しい。着続けて色落ちしたとしてもシワ加工とマッチする。おばあちゃんになっても着ていたいコートです」。

コート￥205,000／セリーヌ ジャパン（セリーヌ）

きゃしゃなポインテッドトゥがエレガントなムードのスリッパ。「マノロ ブラニクで、あえてヒールパンプスではなくフラットシューズを選択するのが今の気分。スリッパ＝ラクチンという方程式を覆す、どこか緊張感あるフォルム。フラットソールですが、美しい足の甲のカット、ベルベットの質感に女性らしさを感じます」。

ベルベットスリッパ〈ヒール1㎝〉￥96,000／ブルーベル・ジャパン（マノロ ブラニク）

背中の襟元からとったタックが、大胆なテントシルエットを作るストライプシャツ。「メゾン マルジェラの服は、もともと立体（＝体）を考えている服。体を入れて完成するフォルムの美しさが秀逸です。毎シーズン形は変わるけれど、普遍的で、リラックス感があるのが魅力」。

シャツ￥105,000／メゾン マルジェラ トウキョウ（メゾン マルジェラ）

「エルメスのシルバーは、どんなときも新しくて美しい、＂止まらない＂名品です。提案したいのは、定番のシェーヌ・ダンクルのブレスレットと、新顔のシェーヌ・ダンクル・ツイストとの重ねづけ。新旧を一緒につけることで、女性を美しく見せる新しいバランスが生まれます」。

シルバーブレスレット￥175,000・シルバーリング￥76,000／エルメスジャポン（エルメス）

「毎シーズンいろいろなプリントを出しているけれど、1回限りの流行ではなく、ゆるぎない美学を感じるデザインに落とし込まれているところが見事。若い人も年を重ねた人もすべての女性に美しく映えるプリント。一緒に成長していけるドレスです」。フロントのタックで絶妙なシルエットを作るドレスは、襟と裾のホワイトトリムがグッドガールな印象。

ドレス￥157,000／ドリス ヴァン ノッテン

シンプルなバケツバッグはストリングスの反対側の面は体に沿うようカーブが計算されたデザイン。「レザーブランドらしい素材だけを組み合わせ、これだけ使い勝手がよくてセンスのよいバッグを作れるジョナサンはさすが。ゴールドの金具使いや細いストラップなど、さりげない変化のつけ方でオーセンティックなアイテムを更新したデザインはタイムレスな美しさがあります」。

ミッドナイトバッグ〈Ｈ30×Ｗ33×Ｄ23〉￥347,000／ロエベジャパン カスタマーサービス（ロエベ）

ストレートなシルエットを描く、ゆったりとしたリラクシングなフォルムのケーブル編みニット。「THE ROWといえば、上質な素材。このカシミア100パーセントのタートルニットも、抜群になめらかな肌ざわりです。シンプルで上質な素材にこだわることも大人のエレガンスを表現するにはマスト」。

カシミアニットセーター￥252,000／コロネット（ザ ロウ）

ダイヤのピアスに、フープ状のパールつきキャッチがついたピアス。「ソフィー ビル ブラーエは、ピアスの概念を変えてくれたブランド。いわゆる定番アイテムだけを身につけていると、今のモードマニアはきっとアクセントが欲しくなる。そんなときにプラスするもの、でもシンプルで素材はごく上質なものとして、選びました」。

フープピアス（ペア）￥640,300（参考価格）／ステディ スタディ（ソフィー ビル ブラーエ）

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SOURCE：SPUR 2017年10月号「『きれいな大人』になりたい」
styling:Natsuko Kaneko　photography:Masahiro Sanbe