月日を経ても色褪せない一着の魅力。アーカイブスは、時代を映す鏡であり、持つ人の人生も内包する。特別なピースを、パーソナルな物語とともに振り返る

Sunny Vintage オーナー・馬渕陽子さんの私物を紹介【ファッションラバーが語る、時を超える服】

月日を経ても色褪せない一着の魅力。アーカイブスは、時代を映す鏡であり、持つ人の人生も内包する。特別なピースを、パーソナルな物語とともに振り返る

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当時の手仕事の遺産を次の時代に残していきたい/馬渕陽子さん(Sunny Vintage オーナー)

Sunny Vintage オーナー・馬の画像_1

「これを逃したらもう二度と出合えないと思ったものだけが手もとに残っています」。セレクトショップやヴィンテージショップのバイイングを経て、現在は自身のショップ「サニー ヴィンテージ」を営む馬渕陽子さんにとって、服や靴は単なる所有物ではなく、自身の記憶そのものだ。

YVES SAINT LAURENT

馬渕陽子さんの私物

「イヴ サンローランのパンプスは、20代の頃に無理して買ったもの。いろいろなところへ履いていきましたが、まだ手放せないんですよね。シルバー×ゴールドの色合わせにウエッジソールが主張する、ほかにないデザインです」。若い頃のまっすぐな衝動で迎え入れたものは、時間を経てより特別なものになる。

PRADA (2004SS)

馬渕陽子さんの私物

「プラダの2004年春夏シーズンのパンツは今もよくはいています。1970年代のムードを感じるチェック柄と、フレアがかったシルエットがどこか懐かしい」。

JANICE WAINWRIGHT

馬渕陽子さんの私物

日々ヴィンテージに向き合う中で、特別なピースに出合ってきた。長年愛用しているジャニス・ウェインライトのドレスもその一つ。

「1970年代に活躍した彼女が作る服は、想像力豊かでかっこよく、女性を解放してくれました。現存するピースが減ってきている、稀少なブランドです。」

JANICE WAINWRIGHT

馬渕陽子さんの私物

OSSIE CLARK

馬渕陽子さんの私物

「オジー クラークのドレスは、デザイナーのパートナーが描いたイラストを総柄に用いている珍しいデザイン。ボリュームのある袖もとても可愛いんです。どちらも、何十年たっても着方は変わったけど好き。販売された当時に着る、履くっていう経験が大事なんですよね。あとから欲しかったと思うのとは違う。時代感も身にまとった感覚、というものでしょうか。私が挙げた服や靴は、今の技術じゃ再現できないもの。職人も減っているし、当時の素材や縫製、加工も唯一無二。だからこそ次の世代につなげていきたいと思うんですよね」

馬渕陽子プロフィール画像
馬渕陽子

まぶち ようこ●ヴィンテージショップのバイヤーを経て、「サニー ヴィンテージ」を開店。長年培った審美眼によるセンスにファンが多い。