月日を経ても色褪せない一着の魅力。アーカイブスは、時代を映す鏡であり、持つ人の人生も内包する。特別なピースを、パーソナルな物語とともに振り返る

特別なピースをデイリーにまとう【ファッションラバーが語る、時を超える服】

月日を経ても色褪せない一着の魅力。アーカイブスは、時代を映す鏡であり、持つ人の人生も内包する。特別なピースを、パーソナルな物語とともに振り返る

INDEX

特別なピースだからこそ日常的にまといたい 若井ちえみさん(フローリスト・duft オーナー) /一着に凝らされた意匠を保存していきたい 溝口 翼さん(fernweh オーナー)

若井ちえみさん&溝口 翼さん

「アーカイブピースが、今のブランドと自然に溶け合うことで、時代に合わせてアップデートされていく。それはバイイングでも意識していることですね」と話すのは、ヴィンテージと新作を横断しながら服を選ぶ溝口翼さん。

一方で、「私はもっと感覚的に"着てみたい"から入ることが多いですね」とフローリストの若井ちえみさん。夫婦でありながら服を見る視点は異なる。けれど、その違いがあるからこそ、互いのワードローブはより豊かに更新されてきた。

HERMÈS(右・中) BOTTEGA VENETA (2020SS)(左)

若井ちえみさん&溝口 翼さんの愛用私物

「エルメスの服は、ただ贅沢というより、見えないところまで突き詰められているのがいいんです。たとえばこのジャケットも、カシミヤウールのツイードにレザーの使い方まで、細部に宿る職人技がすごい。表面的にアヴァンギャルドなんじゃなくて、内側を突き詰めた結果として美しい服に仕上げているところが、時代を超える理由」(溝口さん)。

Coat: ALEXANDER McQUEEN

若井ちえみさん&溝口 翼さんの愛用私物

「私は夫と出会うまでは、好きな世界観はあるけど、自分に何が似合うのか全然わからなかったんです。でも『クローゼットにはスペシャルな洋服だけを置いたら?』と言われて。買うときも、手放すときも、自分にとって特別かどうかを考えるようになりました。アレキサンダー マックイーンのコートは着るタイミングは選ぶけれど、テンションを上げたいときに手に取りたくなるんです。メゾン マルタン マルジェラのデニムスカートも、イヴ サンローランのブラウスも、夫がおすすめしてくれた宝物なんです」(若井さん)

MAISON MARTIN MARGIELA(右) YVES SAINT LAURENT(左)

若井ちえみさん&溝口 翼さんの愛用私物