[Vol.1] コペンハーゲン・ファッション・ウィーク&運命の男・フレデリックとは?

先日あるラジオ番組の収録で『旅』とは?と聞かれ「旅はアクセサリーです」と、答えました。そう、最近は旅の思い出をSNSで共有したり、写真をスマートフォンやタブレットに入れて持ち運ぶ。経験がアクセサリーになっている時代なのです。

さて、改めましてファッションライターのマスイユウです。ロンドンやパリはもちろん、北欧、東欧、アジアとファッションウィークやイベントで飛ぶことが多く。わたくしめの珍道中を通して現地のファッション、最新スポット、そして食倒れまで、さまざまな情報を小姑のような愚痴を踏まえてご紹介していきたいと思います!

やってまいりましたコペンハーゲン! コペンはやっぱり夏に限る。とにかく日が長い。気候もよければ、飯も美味い。見渡す限りイケメンばかり。とにかく暖かいのでみんなご機嫌です! 世界中どこもお休み真っ只中なはずのお盆時期(休日返上中)に、なぜか開催されているのがコペンハーゲン・ファッション・ウィーク(以降CPHFW』。

デンマークの夏休みは7月で8月にはみなさん仕事に戻ってるのだとか

ちょっとご説明すると、CPHFWは北欧最大のファッションイベント。ショーの会期は3日間と短いのだが、2つの大型トレードショーと連動していて、世界からファッション関係者が集結。コペンハーゲンはエコ都市として有名ですが、CPHFWもサステイナブルに力を入れるエコファッションウィークなのです。

毎年5月にはサステイナブルファッションの世界会議『コペンハーゲン・ファッション・サミット』も開かれており、ケリングやH&Mと言った大企業も参加

 

今回の『CPHFW』、一言で言うならミスマッチング"でした!

日本でもお馴染みの「By Malene Birger(バイ・マレーネ・ビルガー)」は、高い藁の壁で囲まれたランウェイ。コレクション自体もベージュのワイドパンツやら土気色のニットドレスやナチュールな感じだったのだが、いきなりパテント素材や目に刺激的なボーターのパンチ。さらにはメタルチャームのデコ系に突入! 以前に比べると若々しくて好印象ではある。

ビニール製の編み物ネットやレザーの巾着に、カラフルなストリングとキラキラのクリスタルのストラップのデコバッグ……。悔しいがフォーリンラブ♡

ハードとスイート、ガーリーとボーイッシュのミスマッチングは「Ganni」、ヨーロッパでは結構人気のあるデザイナーさん。ワンピース、レザーバッグ、そこに付けた布のストラップは花柄3段活用、さらにその下にキャッツアイもびっくりのヒョウ柄ジャンプスーツをコーディネート。若かりし日を思い起こさせる90年代風ワイド幅(好き)に、クロップド丈のパフスリーブのブラウス、そしてそこに3Dメガネのようなグラサン、このルック好き!


シーズンがはちゃめちゃな"ミスマッチング"も……。「Baum und Pferdgarten」は透け感のあるワンピにニットのスキーパンツを合わせていた。とまあ、まいっちんぐマチコ先生なコペン3大コンテンポラリーブランドでございました。

デンマークファッションはラグジュアリーとハイストリートの中間、アドバンスコンテンポラリーやコンテポラリーブランドが強い

 

今回のコペンには裏テーマが……。ついに出会った運命の人?

そうそう、いきなりファッションから脱線しますが、今回のコペン旅に密接に関わってきたある男がいるんです……。

DAY1

お食事会が終わりもう一杯呑めるところを求め友人とフラフラしていると、見えてきたのが煌々と明かりのついたファッションピープル御用達の人気カフェ「atelier september(下のGoogleマップをチェック!)

普段は朝から営業しているので16時には閉まってしまうのだが、その日は22時過ぎなのに開いている!
普段は朝から営業しているので16時には閉まってしまうのだが、その日は22時過ぎなのに開いている!
ちょうど軒先にいたイケメン店員に外のベンチで一杯飲めるか聞くと、チェックしてくるからと中に入りグラス3つのワインが登場! 実はこの人がオーナーシェフのFrederik Bille Brahe(フレデリック・ビル・ブラーエ)。そうジュエリーデザイナーのSophie Bille Brahe(ソフィ・ビル・ブラーエ)の弟さん。Nomaで経験を積んだ彼はatelier septemberの他にもナチュラル系カフェを手がけつつファッション系のケータリングも数多く行っており、コペンハーゲンのオシャレシーンにはかかせない存在! 話を聞けば中では姉の新作披露ディナーが行なわれている。ソフィにご挨拶させていただき、さらに新作もチラ見。実はカフェの撮影もセッティングしなければならなかったので直談判で交渉完了!

デンマークはおもてなしの国。殊に食は生活に密接に関わっていて、毎日のようにお食事会が催される

DAY2

2日目のお昼はアートセンターにある「apollo bar」でランチ。日焼け間違いなしのコートヤード(吹きっさらし)にテーブルが用意されており、アンチョビのディップやフモス、気づけばそこにコペンハーゲンらしいナチュラル系ディッシュがサーブされる。お料理を説明しにシェフが登場、顔を見上げるとそこにいたのはフレデリック! そう、こちらも彼の店なのです。


セラリアックのローストとフレデリック
セラリアックのローストとフレデリック
見慣れない酒があるので匂いを嗅ぐと“仮設トイレ”臭が……。お味は梅酒みたいで結構イケル。なんでも昆布茶のお酒だとか
見慣れない酒があるので匂いを嗅ぐと“仮設トイレ”臭が……。お味は梅酒みたいで結構イケル。なんでも昆布茶のお酒だとか

DAY3

3日目の夜は「Astrid Andersen」と大ぶりの水晶ジュエリーでコラボした「monies」とのディナー。ロケーションはマーメイド像(世界3大がっかり名所)近くのジュエラーアトリエ兼ショップにて。家族経営のブランドで皆さんすごくフレンドリー、大きなテーブルを囲ってのビュッフェスタイル。サーモンやポークなど結構がっつり系のメニューで気を抜いていたが、ふと見るとここ数日よく見かける形状のアンチョビディップやフモス……。まさか?!  そう、アストリッドのお涙頂戴な挨拶がおわるとキッチンから招かれたのは、またもやフレデリック。(動画の最後に登場するのがフレデリック)

実はこの晩、ディナーダブルブッキングでもう一軒はしご……。このお話は後日させていただきます

DAY4


最後はアトリエ・セプテンバーの撮影日。もちろんオープンの9時にフレデリックが参上。この時、CHPFW期間限定フラワーショップをやっていて、わざわざセッティングするために姉のソフィ&息子のヨハンくんも駆けつけてくれました。

そしてついに別れの時が……。休日出勤だったらしくフレデリックはお先に退散、こちらも次の撮影場所に移動。余裕があったので次の現場前のアンティークマーケットをチラ見していてら、そこには、な、なんと〜またフレデリックの姿が(♪「ラブストーリーは突然に」小田和正)!もはやこのままこの人と結ばれるのでは思いきや、横にはお綺麗なモデルの彼女が……。チッ

と、まあ、しょうもない話ではございましたが、フレデリックではじまりフレデリックで18年春夏CPHFWは幕を閉じたのでございました。次週は「ファッションウィーク後編とナチュラル系お料理を突き詰めるとこうなるのか?!」お楽しみに!
<コペンハーゲンMap>

 

マスイどっきり㊙報告

CPHFWのストリート速報!

実は北欧のツワモノたちが集まるCPHFWには世界のストリートスタイルフォトグラファーが集結するのです! 厳選してご紹介。

注目すべきはデンマーク『costume』誌のJanette MadsenとThora Valdimars。今回はバレンシアガや現地の人気ラッパーによるブランド「muff10」のツインルックで登場。
注目すべきはデンマーク『costume』誌のJanette MadsenとThora Valdimars。今回はバレンシアガや現地の人気ラッパーによるブランド「muff10」のツインルックで登場。

もうひとり紹介したいのがこちらの新星Betty Kragちゃん!
もうひとり紹介したいのがこちらの新星Betty Kragちゃん!


ちなみにこんなむさ苦しい連中が写真撮ってます。左からTyler Joe, Tommy Ton, Joe(写真9)
ちなみにこんなむさ苦しい連中が写真撮ってます。左からTyler Joe, Tommy Ton, Joe


マスイユウプロフィール画像
マスイユウ

ロンドンを拠点にグローバルに活躍中のジャーナリスト。お肉と餃子をこよなく愛するスタイルアイコン。自称・浜松餃子親善大使。

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