【ブチェラッティ】のジュエリー、「マクリ」​​｜人生を彩る名品図鑑

初代マリオ・ブチェラッティから3代にわたって家族でバトンを繋いできた、1919年創業のイタリアンジュエラー・ブチェラッティ。創業当時から金細工と銀細工の2つの工芸技術を持つ唯一のジュエリーメゾンとして存在感を示し、卓越したクラフツマンシップで国際的に評価を獲得。100年以上の歴史が経ったいまも、伝統技術を継承しながら、ミラノの地で金細工をベースにしたジュエリーと、銀細工をベースにしたホームウェアを職人たちがすべて手仕事で制作している。

レースを思わせる精緻な「オープンワーク」や、蜂の巣状の透かし模様「ハニカム」など、独自の技法によって生み出されるブチェラッティの作品は、メゾンの芸術性の結晶。「私たちは情熱を持って美を追究するファミリーです」——3代目のアンドレア・ブチェラッティがそう語るように、圧倒的な美意識に根付いたデザインこそが、“ブチェラッティ・スタイル”の真髄。その稀有な独創性が、メゾンの確固たる魅力を支えている。

ファミリーでメゾンを発展させていったブチェラッティにとって、揺るぎない“家族の絆”も、メゾンの魅力を語る上では重要なファクター。今回フィーチャーする、アイコンジュエリー「マクリ」も、実はそんな家族への敬愛が込められたコレクションだ。

「マクリ」が誕生したのは、1980年代のこと。メゾンの2代目として指揮をとっていたジャンマリア・ブチェラッティは、末娘であるマリア・クリスティーナの花開く女性らしさと、シンプルなエレガンスにインスピレーションを受け、彼女の純真さを表現するジュエリーの制作を試みる。最初に手がけたのは、熟練の職人がゴールドの表面に繊細な直線を彫り込む、「リガート」技法を取り入れたシルクのような光沢のブレスレット。小さな星形のロゼットにあしらわれたダイヤモンドがさり気ない優雅さを加える、印象的なブレスレットが完成すると、このデザインコードを軸に、イヤリングやリングなど、さまざまなバリエーションを次々に展開していった。

ジャンマリアはこの本質的な美しさを捉えた繊細なコレクションを、愛娘マリア・クリスティーナの名前にあやかり、「マクリ（MACRI）」と命名。親子の絆から生まれたピュアな作品は、今ではデザインの幅を広げながら、ブチェラッティの卓越したクラフツマンシップを体現する芸術品として、目の肥えたジュエリーラバーたちから高く支持されている。

繊細な彫刻、象徴的なスタイル、そして上質な素材……それらが見事に融合した「マクリ」のアイテムは、まさに“一生もの”と呼ぶに相応しい逸品。身につけるだけで気持ちを高揚させ、その人のスタイルだけでなく心まで輝かせてくれるジュエリーとして、唯一無二の魅力を放っている。

マクリ クラシカ

初期のデザインを再現した、ミニマルデザインの「マクリ クラシカ」。細かな直線の彫刻「リガート」や、ルネサンス期に贅沢品であった織物のパターンを再現した彫刻、「オルナート」をゴールドの表面に手彫りであしらい、ダイヤモンドをさりげなくセットした、控えめな装飾が特徴。見せびらかすことのない、純粋で端正な美しさに見惚れる。

マクリ

マクリ クラシカの次に生まれたのが、より華やかなディテールを加えた「マクリ」。ふっくらと丸みを帯びたフォルム、葉のようなロゼット、光沢あるビーズを組み合わせたデザインが特徴で、作品の随所にブチェラッティならではの金細工技法がちりばめられている。

マクリ AB

ジャンマリアからバトンを受け継ぎ、3代目のアンドレア・ブチェラッティが手がけたのが、「マクリ AB」。オリジナルのエッセンスを継承しつつ、小さな幾何学モチーフで軽やかさを演出。4枚花のベゼルにセットしたダイヤモンドと、ホワイトゴールドのビーズをリズミカルに配置した独創性あふれるデザインが印象的。ヴェネツィアの古代建築や、教会に見られる芸術的な装飾からデザインのヒントを得ており、その様式的な遊び心が、ドラマティックな表情と輝きを生み出している。

マクリ ジーリオ

透かし細工を用いて表現された、小さな百合の花のデザインが特徴の「マクリ ジーリオ」も、3代目アンドレアによってデザインされたもの。百合は、古代ギリシャやローマの時代から崇高な愛の象徴とされ、今日では純粋さを表すモチーフとしても知られる高貴な花。絹のような「リガート」彫刻の上に百合の花を繊細にデザインすることで、絶妙な陰影を作り、ジュエリーに特別な余韻や優雅さを与えている。

ゴールドの表面に施された「リガート」彫刻は、手彫りとは思えないほど繊細な美しさに満ちている。涼しげなホワイトゴールドとダイヤモンドが煌めき合う、リュクスな気品に酔いしれて。

手首に柔和なムードを添える丸みを帯びたブレスレットは、つけ心地も抜群。ボリュームがありつつも軽やかな表情で、他のブレスレットと重ねづけするのもおすすめ。

4枚花を表現したダイヤモンドの装飾が、スタイリングに可憐なアクセントを加える。上品さと愛らしさが共存したチャーミングなデザインで、目に入るたびに思わず笑みがあふれる。

透かし細工で百合の花を表現した「マクリ ジーリオ」のブレスレットは、アートピースと呼ぶに相応しい一品。バンド幅は3cmと存在感があり、ブレスレットを主役にしたコーディネートを思い切り楽しみたい。

さりげない装飾で控えめな美しさが漂うリングは、主張しすぎることなく、モードからカジュアル、エレガントまであらゆるファッションにマッチ。毎日身につけたくなる、なめらかな装着感も魅力。

イエローゴールドに、DLC（ダイヤモンドライクカーボン）加工を施し、大胆にブラックにカラーリングしたエッジの効いたリング。バンドのブラックと、装飾のイエローゴールドの力強いカラーコントラストが、モード感たっぷり。

ダイヤモンドと彫金の装飾に光が反射し、動くたびに顔周りがいきいきと輝く。スタイリッシュなフープ型で、ドレスアップにもデイリーウェアにもよく映える。

お守りのように肌身離さず身につけたくなる、上品なデザインのラウンド型のペンダント。柔らかなピンクゴールドと、爽やかなホワイトゴールドの優美な組み合わせにうっとり。