手を伸ばしたい【ヴィンテージジュエリー】。時を超えて愛される一点もの

阪急メンズ大阪の1階の中央に、時代を超えたジュエリーとの出合いを届けるショップ「ラストストア」がある。取り扱うのは、2000年前の古代ローマ期から、19世紀のジョージアンやヴィクトリアンのイギリス製、20世紀初頭のアール・デコのフランス製、そして1970年代の日本製のジュエリーまで。単なる古いものではなく、そこにはかつての職人の手仕事、時代の空気や美意識が宿る。「滅びゆく美、逸脱の美」をコンセプトに掲げ、スタッフの佇まいや接客からは、緊張感がありながらも親しみやすい、凛としたスタイルを感じさせる。

戦車のキャタピラをモチーフにした「タンクリング」

戦車のキャタピラをモチーフにした「タンクリング」は、第二次世界大戦中のもの。すべてフルハンドメイドの一点もので、デザインが異なる。月の周りにオールドカットのダイヤモンドをあしらった力強い一点。

「過去2500年の歴史の中で、個人オーダーで作られたジュエリーを扱っています。すべて一点もので、年代によって時代背景が表れるのも魅力です。たとえば1920年代のアール・デコの時代には、機械や都市のムードを反映した直線的なデザインが生まれました。第二次世界大戦中の1940年代には"タンクリング"と呼ばれる、戦車を思わせるデザインが登場します。そこには反戦のメッセージが込められている。その時代のエネルギーが詰まっているんです」

1970年代に日本で作られたプラチナ製のジュエリー

1970年代に日本で作られたプラチナ製のジュエリーは、石留めの爪や透かしの細工など、今では再現が難しい高度な手仕事を堪能できる。

百貨店の1階に突如として現れる、壁に囲まれた非日常な店構え。自分だけのために似合うものを提案する空間づくりにこだわっている。ジュエリーだけでなくカルチャーに精通するスタッフとの会話を通じ、試着しながら楽しむことができる。

 

パリで19世紀後期から20世紀初頭にかけて流行した18金のチェーンネックレス

パリで19世紀後期から20世紀初頭にかけて流行した18金のチェーンネックレス。アール・ヌーヴォーの時代ならではの植物などのモチーフが、細かな彫金であしらわれている。

「知識はもちろんお伝えしますが、直感から始まるほうがより美しい出合いだと考えています。"なんだか惹かれる"という感性に訴えかけるんです。購入後のおつき合いも大切にしています。サイズ直しやメンテナンスなど、基本的に半永久的に無料で対応。日常使いの中で18金に傷がつくことも含めて、その人の人生を旅しながら体の一部となっていくことが、魅力だと思うのです」

2000年前の古代ローマ時代の宝石を据えたリング

2000年前の古代ローマ時代の宝石を据えたリング。ローマ神話の神様が彫られていた。ゴールド部分は1800年代に作られたもの。

小さな世界の中に、何百年、何千年という時間が流れている。首もとや手もとに宿るのは、人類の装飾の物語である。「ヴィンテージジュエリーは、身につける人の内面とつながっていくものでもあります。今の自分にしっくり来るジュエリーを身につけることで、その時代背景を教養として知り、その結果、トレンドを超えた自分のスタイルにつながってくれたら幸いです」

THE LAST STORE®
 THE LAST STORE®

ヴィンテージジュエリー・アイウェア専門店「ラストストア」。原宿にある「ソラックザーデ」の岡本兄弟が手がける唯一無二のショップ。年末には東京店がオープン予定。予約制のため、来店時は事前に電話やLINEで予約を。

●大阪府大阪市北区角田町7の10 阪急メンズ大阪1F
☎06-6313-8799
◯営11時〜20時 不定休