価格とサイズはコンパクト、でも機能は充実！HomePod mini vol.120

昨年発売された「HomePod」はどっしりと存在感のあるスピーカーでしたが、HomePod miniは手のひらに乗るくらいのコロンとした形が可愛い。10,800円（税別）という手に取りやすい価格も魅力です。カラーはホワイトとスペースグレイの2色。

1台でも1万円台のコンパクトスピーカーとは思えない音を奏でてくれるのですが、おすすめは2台をステレオペアにして使うこと。360度に音が広がる仕組みや、スピーカーが再生する音楽に合わせて音を自動で調整してくれる「コンピュテーショナルオーディオ」という仕組みのおかげで、部屋のど真ん中にスピーカーを置かなくとも、部屋全体が音に包まれるような感覚を味わえます。

我が家ではお借りしているHomePod mini 2台をリビングのワーキングデスクの上とソファーの脇にひとつずつ置いて使用中。AirPlay 2に対応しているスピーカーであれば、一緒に鳴らすことができるので、テレビの前に置いてある「Bose」のサウンドバーや寝室に置いてある「Sonos」など、いろんなスピーカーを同時に鳴らして、家中が音に包まれる体験を楽しんでいます（笑）。

我が家は照明のほとんどをスマート照明にしているので、Siriに話しかけて照明のオン/オフをお願いしたりする他、私がよく使っているのはHomePod miniにプリセットされている環境音。「Hey Siri環境音を再生して」と話しかけると、焚き火や小川のせせらぎなどの環境音を再生してくれるんです。部屋全体が音に包まれるようなサウンドのおかげで、目を瞑れば、まるでそこは森の中……！

また「移動中、iPhone + AirPodsでApple Musicの音楽を聞いていて、帰宅したのでHomePodで続きを聞きたい」なんて時は、iPhoneをHomePodに近づけるだけで、再生している音楽をそのままHomePodに“移す“ことも。

現状、Siriに話しかけて音楽を再生するためにはApple Musicを使っている必要がありますが、AirPlayを使えばSpotifyやAmazon Musicといった他音楽配信サービスからの音楽の再生も、もちろん可能です。また今後、Apple Music以外の音楽配信サービスでも「Hey Siri」が使えるようになるそう。これは嬉しい。

そして、今回登場したユニークな機能のひとつ「インターコム」。これはSiriに話しかけるだけで声のメッセージを他のHomePodに届けることができるというもの（2台以上のHomePodを設置する必要がありますが）。リビングから「晩ご飯の時間です」と各部屋にいる家族に伝えたり、「5分待って」と声で返信をしたりと、簡単に声のメッセージを送り合うことができます。

自分の声が別の部屋で再生されているのを耳にすると、最初はちょっとびっくりしますが（笑）。インターコムはHomePodだけでなく、iPhone、Apple Watch、AirPodsなどの他Appleデバイスでも使うことができるので、声を介した新しいコミュニケーションの手段として、なかなか面白そう。

一方、スマートスピーカーというと「日常の会話を知らず知らずのうちに聞かれているような気がして、ちょっと怖い」なんて声も耳にします。その点、Appleの製品は、私たち使う側のプライバシーやセキュリティに配慮していて、HomePodに話しかけることでAppleに個人情報が渡ったり、知らぬうちにおしゃべりを聞いていたり、なんてことはないと公式に宣言されているので、安心して使えるのではないでしょうか。

ひとつだけ注意したいのは、複数人で利用したいとき。現状、HomePodが日本語でのマルチユーザーに対応していないので、自分の声と家族の声を聞き分ける、ということができません。他スマートスピーカーの多くに、すでに搭載されている機能なのですが、まあ、たまに聞き間違いをされることもあるんですよね……（そのおかげで、カレンダーの予定が家族に丸見えになっちゃったり）。これもプライバシーに配慮した結果、慎重になっている、ということなのかもしれません。

これまで色々なスマートスピーカーを使ってきましたが、HomePodシリーズに共通するのは“豊かな音へのこだわり”。音声アシスタントをゴリゴリ活用したい！というよりも、iPhoneをお持ちの方で、お洒落で音の良いスピーカーが欲しい、そしてせっかくなら音声アシスタントもちょっと活用してみたい、なんて方におすすめの一台です。