"人を見る目"を養うには?【佐久間Pの甘口人生相談「え、それ俺に聞く!?」】

ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。今回は、佐久間さん流の作品とのユニークな関わり方、世に知られざる才能の発掘法を伝授。

今月のお悩み(41歳・会社員)
お笑い番組、ドラマ、映画、漫画、YouTube……あらゆるエンタメに精通する佐久間さん。「この人は売れる!スターになる!」と思う瞬間はどんなときですか? 私もそういった"人を見る目"を養いたく、どういった心がけや工夫、努力をされていますか?作品を掘り続けるモチベーションの保ち方も教えてください。

千里眼は一日にして備わらず。情報をため、開花時期を待ちます

才能を一発で見抜くことは、なかなかできないです。「見つけた!」と思っても大抵の人が同じタイミングで気づく。それだと遅いんです。僕の場合は作品を観て気になった俳優さんは資料でチェック。ネットで検索し、同業者やブロガーの記事を読み、過去の作品を観るなどして知見を得たら"私的ネクストブレイクランキングリスト"へ。最新作が出たら真っ先に観て、確信できた段階で仕事のオファーをします。この段取りを踏んでも大抵の人より数年早い。みんな探してないだけ。早く逸材を見つけたいなら、 たとえばジャンルをひとつに絞って人より何倍も努力してみたら、見つけられるようになれるかもしれません。

芸人さんの場合は、写真とともに特徴や活躍できそうなテーマを記したメモを、デジタル上で保管。面白い人は絶対に売れるけど、世間とハマるタイミングも大切。制作側は自分たちが面白いと思うテーマに芸人さんを当てはめがちだけど、ネクストブレイクをそこに投じても魅力は伝わらない。その人しか持っていない魅力は何かを考え、隠し持つ武器の中で、世間に知られていない接点になる企画を新たに作ります。そのほうがブレイクしやすいし、本人も自然体でいられますから。

"掘る"モチベーションについては、ただただ好きなことを楽しむなかで、前述のように仕組み化しただけ。唯一の努力といえば、仕事で苦労やストレスを感じたくないから、好きなジャンルや得意な分野で結果を出して、苦手な仕事をやらなくてすむようにしたことくらい。

今回は、既製品ではなく、注目している存在とコンテンツをお伝えします。YouTuberの「Soyon」さんは、10代ながらプロ顔負けのレシピを紹介しています。フレッシュな才能を感じつつ、自分で作って感性を刺激するのもアリかと思います。


「えもじょわ」さんに触発され、自作のスイーツをコンテンツにアップ。SNSはヴィジュアルにこだわって、YouTubeチャンネルは味重視でレシピを公開している。将来の夢はアート関連で人々を感動させること!

SOURCE:SPUR 2022年7月号「佐久間Pの甘口人生相談『え、それ俺に聞く!?』」
photography: Saki Omi 〈io〉 text: Yukino Hirosawa

佐久間宣行(さくま のぶゆき)プロフィール画像
TVプロデューサー&ディレクター佐久間宣行(さくま のぶゆき)

「オールナイトニッポン0(ZERO)」の最年長パーソナリティを務める。最新刊『佐久間宣行のずるい仕事術』(ダイヤモンド社)は発売5日で8万部突破!(祝)

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