2022.07.07

ノイハウス萌菜さんがナビゲート! バルクショップでゼロ・ウェイストな量り売りにトライ

「毎年7月はなるべく使い捨てプラスチックを使用せずに生活しよう」というエコ運動、「プラスチックフリージュライ」。今年も、この機会に改めてノープラ生活を目指したい。そんなときの強い味方になってくれるのが、最近話題のバルクショップ(量り売り店)。東京・国分寺にある「nue by Totoya(ニュ バイ トトヤ)」で、広報のノイハウス萌菜さんのレクチャーを受けながら、SPUR.JPエディターが初めての量り売りに挑戦!

バルクショップって何? 量り売りの魅力を教えて!

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nue by Totoya(ニュ バイ トトヤ)の店先に立つノイハウス萌菜さん。

SPUR.JPエディター(以下S) 最近よく耳にするバルクショップ。普通のスーパーとは何が違うのですか?

ノイハウス萌菜さん(以下N) 簡単に言えば「量り売りの店」で、食品や洗剤などの日用品を、必要なときに必要な量だけ購入できます。ここ「nue by Totoya(ニュ バイ トトヤ)」はゼロ・ウェイストを目標に掲げていて、お客さんに自宅から空の容器を持ってきてもらい、そこに店頭で食材などを詰めてもらうシステムです。

S 必要な分だけ買えるというのは、食品ロスにもつながりますね。

N そうですね。仕入れ時の包装なども、できる限り減らすように工夫しています。お客さんの目線で見ると、パッケージのコストがかからないので、価格が割安になることも。量り売りはお得感にもつながるんです!

S なるほど、期待が高まります! 

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食品の他、重曹や洗剤なども販売している。

S それではいよいよ実際のお買い物ですが、具体的にどんな容器を持っていけばいいのですか?

N ステンレスやシリコン製の容器やガラスボトルなど、洗って何度も使える容器をオススメしています。でも、最初は難しく考えずに、身近にある空き容器を持ってくれば大丈夫。市販のジップつきビニール袋や、ペットボトルでもOKですよ。

S よかった! プラスチックの容器やペットボトルを持っていったら、「エコじゃない」と怒られちゃうかな?と少し心配だったんです……。

N プラスチックだからって怒られないし、お買い物を断られることもありません(笑)。とはいえせっかくなので、新品の使い捨て容器を使うのではなく、リユースできる容器があるといいですね。でも心配はいりません! お店で容器を手に入れることもできるので、手ぶらで来ても大丈夫なんです!

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客の持ち寄ったガラス容器を再利用した「ドネーション瓶」のコーナー。国分寺の地域通貨「ぶんじ」の利用も可。

N お店には、お客さんが家庭で使ったガラス容器を持ってきてもらい再利用したドネーション瓶(上の写真)や、後日返却する際に料金が還ってくるデポジット制のガラス瓶などが用意されています。オーガニックコットンの巾着やトートバッグも販売していますよ。

S とりあえず手ぶらでお店に来ても、なんとかなるのが嬉しい~!これなら気軽に買い物に行けそうです。

さっそく買い物に挑戦!

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まずは容器の計量からスタート!

S それではさっそく、ほしいものを好きなだけ詰めていきましょう!

N ちょっと待って! 最初に空の容器の重さを量ってくださいね。重さを量ったら、シールに記入して容器に貼っておきます。お会計のときには、この重さをマイナスします。

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種類豊富なパスタは人気商品のひとつ。古代小麦を使用したものも。

N それではいよいよ、買いたい食材を詰めていきます。パスタはこのくらいかな……? 

S 食材が見える形で販売されているから、なんだか普段のお買い物よりテンションが上がります。買いすぎてしまいそう〜!

N 詰めたら、重さを量って確認しましょう。OKならお会計へ!

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ナッツのコーナー。20gから購入できるので、気になる食材も気軽にトライできるのが嬉しい。

S う〜ん、「自分に今、必要な量はどのくらいかな?」と考えると、意外とわからなくて悩んでしまいますね。今までいかに深く考えずにパッケージされた商品を買っていたか、実感しました。

N 自分の生活に何がどのくらい必要か、そのためにどんな容器を準備すればいいか、考えながら買い物する必要がありますね。最初は面倒に思えるかもしれませんが、考えながらお買い物をする暮らしこそ、豊かな生活なのだと思います。

ノイハウスさんの本日の買い物はこちら!

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左奥から時計回りに、キュウリ5本、揚げおかき70g、ドライトマト76g、パスタ230g、乾燥ひじき40g。トータルで2,500円ほど。

N 今日はひじきのサラダとトマトのパスタを作ろうと思って、ショートパスタとドライトマト、乾燥ひじきを買いました。揚げおかきとキュウリは、店頭で見ておいしそうだったので思わず購入(笑)。ドライトマト(右下)は蜜蝋ラップに包んでいます。

初めてのバルクショップ体験で、SPUR.JPエディターが購入したのは?

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右奥から時計回りに、パスタ210g、乾燥あおさ20g、ドライトマト77g、アーモンド100g、ピーマン3個。トータルで2,500円ほど。

S ちょっと興奮して、多めに買ってしまったかも……。でもお店に通い続ければ、そのうち必要な量の感覚がわかってきそうです。ピーマンは、店頭に用意されていた新聞紙で包んでいます。試してみたいものが他にもいっぱいあったので、また来店しようと思います!

頑張りすぎない! ゼロ・ウェイスト生活のコツ

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ニュ バイ トトヤでは、農家から直接仕入れた野菜も販売している。

S 今日は目標のゼロ・ウェイスト生活に一歩近づけた気がします! 

N 私は普段、ペットボトルやラップは買っていませんが、特に不便は感じていません。そういう生活を続けていると、逆にゴミの出る暮らしに違和感を抱くように。何かひとつでも環境に優しい変化を起こして、それが習慣になると、ゴミに対する感覚が変わってくると思います。

S とはいえ多忙が極まってくると、どうしてもエコな暮らしができなくなってしまいます……。

N 「忙しいときは仕方ない」と割り切るのも大切です! 私も常にエコなお店で買い物をしているわけではなく、大体は一般のスーパーに行っていますよ。ただ、そういうときもできる範囲で、少しでもサステイナブルな選択をすることが大切だと思っています。例えばパッケージ製品を買うにしても、オーガニックなものを選ぶとか。「選べるときにはより良い選択をする」というのを心がけています。

S なんて心強い言葉!「絶対にやらないといけない」と思うと、どうしてもつらくなってしまいますものね。

N あとは、買った物をビニール袋に入れる代わりに抱えて持ち帰ったり、みんなもっと、いい意味で適当になっていいと思いますね。あらゆる食品が個包装・過剰包装されている必要はまったくないと思います。地球環境にとっても、自分自身にとっても心地よい暮らし方を選んでいけるといいですね。


ノイハウス萌菜
サステイナビリティ・コンサルタント。ドイツ生まれ、イギリス育ち。日本で暮らし始めてから、プラ・ゴミの量が気になり「のーぷら No Plastic Japan」を立ち上げてステンレスストローの販売を始める。「nue by Totoya(ニュ バイ トトヤ)」「斗々屋」の広報を務めるほか、ラジオ局J-WAVE 81.3「STEP ONE」のナビゲーターや、 社会活動の裏話を届けるポッドキャスト「BEHIND THE CHANGE」でホストとしても活動中。

nue by Totoya(ニュ バイ トトヤ)
東京・国分寺のオーガニックカフェ「カフェスロー」店内にある、ゼロ・ウェイストを目指したバルクショップ。京都で日本初のゼロ・ウェイストスーパーを経営する「斗々屋」が運営。もともとは2019年に代々木でスタートし、2021年1月に現在の場所に移転オープン。近隣に住む人たちはもちろん、全国から訪れる人の絶えない注目ショップ。
住所: 東京都国分寺市東元町2-20-10(カフェスロー内)
営業時間:平日午前12時〜午後6時
     土日祝午前11時〜午後6時※月曜と毎月18日は定休
https://www.nuebytotoya.com

photograph : Naomi Ito text:Chiharu Itagaki

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