激しい苦痛のあと、 形式だけの感情が生じる ―エミリ・ディキンソン 亀井俊介訳―

激しい苦痛のあと、形式だけの感情が生じる──
神経は儀式ばって坐る、墓石のように──
硬直した心は訝(いぶか)る、運んでくれたのは「あの方」だった?
昨日だった? それとも何世紀も前?

足が、機械的に、歩きまわる──
地上の、空中の、それとも何かの──
木の道を
無関心になって、
石英の満足、石さながらに──

いまは鉛の時間──
もし生きのびたなら、記憶に残るだろう、
凍ってゆく人が雪を思い出すように──
最初に──冷気──それから麻痺──そしていっさいの放棄。

【解説】この詩の背景には、困難な恋愛や失恋があるといわれる。そうでないとしても、挫折や失望を感じとることはできる。石英は鉱物。石や鉛や雪になぞらえて、心の動きが映し出される。もし生きのびたなら、という言葉は、苦しみの深さとわずかに残された希望を感じさせる。
出典:『アメリカ名詩選』(岩波書店) 亀井俊介・川本皓嗣編

ラディカルな矛盾を抱えた3 つの香りは、贅沢なぬくもりと焼けつくような冷たさの衝突。それは時に熱く、時に冷たく、感情を揺さぶる恋愛にも似て。

(右)神秘的なお香とグリーンの芳香豊かなアルテミシアがクラッシュ。
ブルー エンセンス(100㎖)
(中)杉のすがすがしさとメタリックローズ、苦みのあるキニーネが溶け合う魅惑のノート。
ブルー セドラ(100㎖)
(左)温かみのある松の香りを伴ったサンダルウッドと鼻孔を心地よく刺激するジュニパーベリーの絶妙な組み合わせ。
ブルー サンタル(100㎖)/コム デ ギャルソン(コム デ ギャルソン・パルファム)


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2016年2月号掲載
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