やっぱり好きです、アアルトさん #深夜のこっそり話 #1399

日常で使うもののデザインの大切さについて教えてくれたのは、バタフライスツールや黒柄カトラリーなどを生み出した柳宗理さんでした。それと根底の精神で通じるものを個人的に感じる、フィンランドの巨匠アアルトがやっぱりいい、と胸アツ中です。

1933年にデザインされたアルヴァ・アアルトの名作「スツール60」。3本脚の一切の無駄を省いたフォルムが美しく、サイドテーブルや花を飾ったりとインテリアとしても万能です。

というのも世田谷美術館で開催中の「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展に行き、やっぱり好きだと胸が高まりました。なんでしょう、この北欧独特の木の温もりと洗練されたデザインの融合。飽きの来ないシンプルさと、心地ちよい暮らしをうっとりとイメージさせる世界観。今回の展覧会では、アルヴァ・アアルトと妻アイノ・アアルトの出会いから、ふたりが結婚してパートナーとして協働した約25年にフォーカスされています。

イッタラのアイノ・アアルト プレートも愛用中。よく見るとAino Aaltoの刻印がありました。70周年限定の希少なカーリーバーチを採用した、スツールの表面もお気に入り。

恥ずかしながらこの展覧会を見るまでアイノ・アアルトのことは認識してなかったのですが、普段愛用していたこちらのプレートも、アイノが1932年に生み出した作品だったとは! ふたりの作品が、ここまで生活の一部として愛され続けているのは、きっと生活に根差したクリエイティブのたまものだからでしょう。水の波紋からインスピレーションを得たリング状のデザインは、モダンでいて温かみもあります。

名品として知られる、アルヴァ・アアルトの「スツール60」もやっぱり美しい! 実は一人暮らしを始めた当初からほぼ20年愛用していますが、キッチンでサイドテーブルにしたり花を飾ったり、と活躍中(家族からは、子どもが座るには不安定だという理由で不評なのが残念ですが)。

展覧会の廊下には、チェア66のレアなアイテムも展示。経年変化を感じながら暮らす楽しみも!

展覧会では、ふたりが手がけた建築や「アアルト自邸」の紹介に加え、スツール60が生み出された工程もピックアップ。アイコニックな曲げ木の技法やそれを応用した数々の名品が紹介されています(チェア66、パイミオチェア、ティートロリー、etc.)。限られた空間で心地よく暮らすこと、そして機能性と美しさを追求する堅実なものづくりの姿勢に感銘を受けます。

心地よい暮らしの在り方ってなんだろう。妄想が広がり、心が豊かになる展示会は6月20日までなので、ぜひチェックしてみてください。

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エディターSUGAWARA

ウェディングとファッション担当。淡々としてますが笑い声だけよくとおります。好きなものは夕暮れとボサノバとチョココロネ。

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