【インタビュー】八代目 市川染五郎が語る、『17歳の今』

今年3月、日本ブランドアンバサダーに起用され、シュウ ウエムラを代表する顔としても活躍する歌舞伎役者の八代目 市川染五郎さん。今回、シュウ ウエムラが推進するサステイナビリティへの取り組みの一環として、利島での伝統的な椿栽培を守るドネーション活動を開始したことをアナウンスするイベントに、染五郎さんが登壇。6月には『信康』で歌舞伎座初の主演を務めたり、初参加の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では初々しい源義高を演じて日本中を魅了するなど、その活躍は歌舞伎役者という範疇を大きく超えて、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

イベントが行われた、雨上がりの7月某日。ひとたびカメラの前に立つと、圧倒的な艶とオーラを放つ染五郎さん。

そんな染五郎さんに、SPUR.JPはアンバサダー就任時に続いて、2回目のインタビューを敢行。シュウ ウエムラの取り組みについての想いや自身のサステイナブルな生活、そして今夢中になっているものなど、等身大の“17歳の染五郎をたっぷりと語ってもらった。

常に最新の課題に取り組むシュウ ウエムラの姿勢に感銘

——染五郎さんがシュウ ウエムラのアンバサダーに就任されてから約5カ月が経ちます。シュウ ウエムラに対しての理解はどのように深まりましたか?

伝統と革新を大事にしているブランドだなと改めて思います。今回は、アルティム8∞ スブリムビューティ クレンジング オイル(限定チャリティーデザイン)の売上の一部を、利島の椿栽培を保護する目的で寄付をするという企画ですが、常に世の中の最新の問題や課題に取り組み、そういった活動を通してシュウ ウエムラの精神をきちんと伝えていこうという姿勢や、その企画立案力などが素晴らしいなと思います。

歌舞伎もお芝居を通してお客様に勇気を与える仕事です。それはもちろん意識しているのですが、シュウ ウエムラさんのように世の中の問題に取り組めるような作品など、そういったものを僕たちも創っていければ嬉しいですね。

イベントでの登壇中はずっと緊張していたという染五郎さん。インタビュー中にプライベートな話題に及ぶと、リラックスした笑顔を見せてくれた。

——普段から染五郎さんが行われているサステイナブルな取り組みはありますか?

小さなことでも大丈夫ですか? たまに料理をするのですが、なるべくムダがないように野菜のヘタをカットしたり、あとはお弁当でいただいたプラスチックの容器はきちんと洗ってから捨てるようにしたり……。本当に小さな取り組みですが(笑)、そういったことに気を付けています。

——お料理をされるんですね! どんなメニューを作られるのでしょう?

何かこれと言った得意料理があるわけではないのですが、作りたいと思ったメニューについてネットで調べながら、時間をかけて作るのが好きですね。最近一番上手にできたと思ったのは『トリッパのトマト煮込み』です。大きなハチノスを買ってきて、それを小さくカットして……。昼間から圧力鍋を使って何時間もかけて調理しました。誰かの影響で料理が好きになったわけではなく、やはり、元々何かをつくることが好きなんです。父も母も妹も美味しいと言って食べてくれました()

同世代を巻き込んで、自分たちらしい何かを発信できたら

——シュウ ウエムラはドネーション活動も行っています。ご自身や、染五郎さんの身近にドネーション活動を行っている方がいらっしゃるなど、そういったエピソードはありますか?

僕自身が具体的にそういった活動に参加しているというのはありませんが、やはりとても興味があります。自分は歌舞伎役者なので、歌舞伎役者ならではという方向性でお手伝いができればいいなと思っているのですが……。残念ながら、まだ具体的なところまでは考えが思いついてなくて。

——同世代の歌舞伎役者のお仲間と、そういったお話をされることはありますか?

なかなかそういった話をするチャンスはありません。しかし、僕はまだ17歳と若輩者ではありますが、年齢に関係なく『地球に生きている者』のひとりとして、みんなが意識していかなくてはいけないことだと思っています。

——歌舞伎役者という職業だからこそ、このような社会貢献について多くの年齢の方に向けて発信する力をお持ちだと思います。たとえば、特に同世代のお客様に向けてできる働きかけがあると思われますか?

歌舞伎を観にいらっしゃるお客様の中で同世代の方の数はまだまだ少ないのが現状ではありますが、6月に歌舞伎座で『信康』の主演をやらせていただいたときは、いつもより若いお客様が多くいらしてくださり、それはとても嬉しい出来事でした。僕自身はあまりSNSに詳しいほうではないのですが、今の若い方はSNSを始めとして様々な方法で情報を得ているのだと思いますし、インターネットやSNSをこれからどんどん活用していけたら、同世代の方を巻き込んで自分たち世代ならではの何かができるのではと思っています。

——シュウ ウエムラのアンバサダーを務められるようになって、一般のメイクアップブランドに対しての考え方などは変わりましたか?

歌舞伎の化粧品は一般のメイクアップアイテムと違うと思われがちなのですが、実は6月の『信康』の化粧でシュウ ウエムラのアイライナーを使わせていただきました。舞台でたくさん汗をかいても落ちにくいのに、同じくシュウ ウエムラのクレンジングオイルを使うとサッと落ちる。一般の方が普段のメイクに使うだけでなく舞台でもしっかり使える品質の高さで、そういったポイントも僕がシュウ ウエムラのアイテムを愛用している理由なんです。

以前から、ファッション誌などでメイクアップをしてもらうときに「歌舞伎の化粧で使えるものはないかな」という視点でアイテムを見たり、メイクさんにもいつも色々と相談していたので、僕の中では歌舞伎の化粧と普段のメイクアップアイテムはまったくの別物ではなく、わりと地続きで存在している印象です。

——染五郎さんは普段の生活でメイクアップはされますか?

僕はまったくしないんです。周りにもあまりメイクアップをしている男性はいないのですが、普通に街を歩いていると、僕と同年代の男性でメイクアップをしている方を見かけることはよくあります。

僕はそもそも表に立つのがすごく苦手なタイプで、化粧をすることによって表舞台に立てているという感覚があるので、自分にとっての化粧自分じゃないものになるためのツールでもあると思っています。見た目から作っていくことで、(普段は表に出しにくい)自分の個性や内面といったものがグッと引き出される、という感覚ですね。それは舞台のうえで何かを表現するときだけには限らないと思うので、若い男性がメイクアップをしているのにも、そういった意味合いがあるのではないでしょうか。

市川染五郎を魅了してやまない、ファッションアイコンとは?

——最近、ご自身がメディアに出られるときに「こうなりたい」と意識しているアイコンがあると伺いましたが。

はい、沢田研二さん。実は先日、初めてライブを観に行きまして……。沢田さんは現在74歳になられているんですが、今まで観ていたかつての映像と比べてまったく熱量が変わってなかったですし、とにかく歌うことがお好きな方なんだなと改めて感じました。

昔の歌番組やコンサートの映像などは拝見していましたが、生のライブを拝見することで、沢田さんの「歌うことが好き」という気持ち、それをお客様に伝えたいという気持ち、そして何よりも歌うということに対する情熱……、そういったものを何十年も変わらずに保ち続けていらっしゃるんだというのを、より強く感じることができましたね。

——沢田研二さんに惹かれた理由はどこにあったのですか?

最初はファッションです。70年代に着ていらした衣装だったりメイクだったり、ヘアスタイルだったり。自分がファッション誌に出演させていただくときも、いつもお願いしているヘアメイクさんに「沢田さんのこのときのこのメイクを再現したい」「髪型はこのようにして」とリクエストすることが多いです。以前、沢田さんが髪を紫と緑に染めていらっしゃったことがあるのですが、それを見て同じように染めたこともあるくらいで()

沢田さんの魅力を一言で表すのは難しいのですが、本当に唯一無二の存在。かつての歌番組などを観ると、歌っていらっしゃるときはもちろんなんですが、前奏のときも間奏のときも立っていらっしゃるだけで世界観が完成しているんです。それを沢田さんご自身が意識してやっているというよりは、自然とそうなっているという感じが、またカッコいいんです。


——それは、ひとりの人間として、または表現者として、どちらの感覚で憧れていらっしゃるのでしょう?

どっちも、だと思います。沢田さんは普段は関西弁を話されるので、お話されている映像を見ると「関西のお兄さん」みたいな雰囲気で、それもすごく魅力的なんです。でも一旦舞台に立たれると独特の世界観を纏っていらっしゃる。そのギャップも素敵だと思います。

——染五郎さんご自身の普段のファッションはどういった感じですか?

表に出るときに派手な衣装を着させていただくことが多いので、逆に地味にしています。全身真っ黒だったり、Tシャツにジーンズだったり。実はそんなにこだわっていません(笑)。

——最後にこの記事を読んでいるSPUR.JPの読者にメッセージをお願いします。

まずはシュウ ウエムラのクレンジングオイルをぜひ使ってみていただきたいです(笑)。そして、今月は歌舞伎座の八月納涼歌舞伎 第三部『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚』に出演するので、ぜひ足をお運びいただけたら、本当に嬉しいです!

【プロフィール】
八代目 市川染五郎●20076月歌舞伎座『侠客春雨傘』高麗屋齋吉役で本名の藤間齋として初お目見得。20096月歌舞伎座『門出祝寿連獅子』童のちに孫獅子の精役で四代目松本金太郎を名乗り初舞台を踏む。20181月歌舞伎座『勧進帳』源義経役他で八代目 市川染五郎を襲名。近年の出演作は、『仮名手本忠臣蔵七段目』大星力弥、『連獅子』狂言師左近のちに仔獅子の精、『龍虎』虎、『東海道中膝栗毛』伊月梵太郎、三谷かぶき『月光露針路日本 風雲児たち』磯吉、『雪の石橋』獅子の精、『菅原伝授手習鑑車引』桜丸、『京人形』京人形の精など。20217月公開のアニメーション映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』では映画初主演、声優に初挑戦した。2022NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に源義高役で出演。8月は、歌舞伎座の八月納涼歌舞伎 第三部『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚』に出演。

mindfully crafted in japan -日本の真に価値あるものへ、心をこめてー」

アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル (限定チャリティーデザイン) 450ml ¥13,200/シュウ ウエムラ〈9月1日発売〉

「mindfully crafted in japan -日本の真に価値あるものへ、心をこめてー」をテーマに、日本の自然・資源・伝統を守る活動を行っている日本発のメイクアップ アーティストブランド・シュウ ウエムラ。この活動の一環として、2022年9月1日(木)より、利島産の椿オイルを使用している アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイルが、限定チャリティーデザインで登場。 製品を購入することで、伝統的な椿栽培と継承の支援につながるドネーション活動にがスタートする。

シュウ ウエムラ
www.shuuemura.jp
0120-694-666

model: Somegoro Ichikawa make-up: Junichiro Kimura 〈shu uemura〉 hair: AKANE styling: Nao Nakanishi   photography: Emiko Tennichi(mode) interview &  text: Miho Maeda  edit: Naoko Yokomizo

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