「なんという聖人だ!」橋に立つ女性を説得し救助したジョン・ボン・ジョヴィに世界中から称賛の嵐

ロック界のレジェンド、ジョン・ボン・ジョヴィ(62)が、米ナッシュビルの歩道橋で、欄干の外側に立っていた女性を救助。ネット上には「聖人のよう」、「ヒーローだ」といった称賛のコメントが相次ぎ、SNSはファンの感動の声で溢れた。

日本でも根強い人気を誇る米ロックバンド、ボン・ジョヴィのフロントマン、ジョン・ボン・ジョヴィ(62)。

米テネシー州ナッシュビルのカンバーランド川に架かる歩道橋で、危険な場所に立っていた女性を説得し、救助。迅速な行動で悲劇を防いだとして地元警察に称賛され、その英雄的行動が世界中で話題となった。

ジョン・ボン・ジョヴィ
2024年4月、ディズニープラスで配信中のドキュメンタリー『ボン・ジョヴィ:Thank you, Goodnight』のUKプレミアに出席したジョン Photo:Getty Images

2024年9月10日夕方(現地時間)、全長約960mと世界最長の歩道橋のひとつとして知られるジョン・シーゲンソーラー歩道橋で、ボン・ジョヴィの新曲「The People's House」のミュージックビデオの撮影をしていたというジョン。

橋の欄干の外側に青い服を着た女性が立っていることに気づき、自身のチームのメンバーの女性と一緒に救助に向かったという。

米誌『People』によると、9月11日(現地時間)、地元警察がYouTubeにシェアした歩道橋の監視カメラの映像(現在は削除)には、ジョンが橋脚に立っている女性にゆっくりと近づいていく様子が映っていたとのこと。

そしてジョンは橋の手すりに寄りかかりながら、会話を始め、危機に瀕した女性を説得。同行していた彼のチームのメンバーがときおり女性の背中をさすりながら、数分間、3人で話をしていたようだ。

ジョンはチームのメンバーとともに、女性が手すりを乗り越えるのを手伝い、女性を橋の歩道に誘導。安心させるように彼女に声をかけてから、温かく抱きしめ、一緒に歩いて去ったと英紙『The Guardian』は報じた。

ちなみにこの橋の名前は、米紙『USA TODAY』の系列である地元紙『The Tennessean』の会長を務めたジャーナリスト、ジョン・シーゲンソーラー(享年86)にちなんだもので、彼が亡くなった2014年に栄誉を称えて改名されたのだそう。

公民権運動の賛同者としても知られるジョン・シーゲンソーラーは『The Tennessean』の記者だった1950年代に、橋から飛び降りようとする男性を阻止したことがあるのだとか。

この事件の直後、ナッシュビル消防署とメトロ・ナッシュビル警察署(MNPD)の両署が現場に到着。警察署長のジョン・ドレイク氏はXに動画を投稿し、「火曜の夜、シーゲンソーラー歩道橋で女性を助けた@jonbonjoviと彼のチームに感謝します」と綴った。

そして「ボン・ジョヴィは彼女を説得し、カンバーランド川に架かる橋から安全な場所まで連れて行きました」と経緯を説明。「お互いの安全を守るためには、私たち全員の力が必要なのです」と締めくくり、自身の署名を付け加えた。

ジョン・ボン・ジョヴィ
2009年12月、自身の財団を通じて住宅支援を行うことを発表したジョン Photo:Getty Images

今回の事情を直接知るという情報筋が米サイト『TMZ』に語ったところによると、ジョンは2006年に創設した財団「JBJ ソウル・ファンデーション」での活動を通じて、さまざまな問題を抱え、危機的状況にある人々と日常的に接しており、危機に直面している人々に語りかけるための幅広い訓練を受けているそうだ。

財団はホームレス、貧困、飢餓から抜け出す現実的な方法を提供する手助けをしており、12の州で若者や退役軍人などに住宅支援を行っているほか、ジョンの地元ニュージャージー州で非営利のコミュニティレストラン「JBJソウル・キッチン」を4店舗運営していることでも知られている。

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2024年2月、「MusiCares Person of the Year」受賞を祝したイベントに出席したジョン Photo:Getty Images

そんなジョンは2024年2月、「影響力のある慈善活動」に対する功績が認められ、グラミー賞を主催する全米レコード芸術科学アカデミーが授与する「MusiCares Person of the Year」を受賞した。

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ジョンには高校時代に出会ったという妻との間に4人の子どもがいる。写真左が長女ステファニー(31)、右が妻ドロシア(61) Photo:Getty Images

『People』によれば、2023年10月、ジョンが受賞者に選ばれた際に発表された声明には、「彼のロックンロールへの目覚ましい貢献は、音楽業界だけでなく、世界中の数え切れないほどのファンの心にも忘れがたい足跡を残しました」と記されており、「食糧不足で住居のない人々に奉仕する彼の長年のコミットメントは、私たち全員を鼓舞するものです」と、「この世界に多くの変化をもたらした」ジョンに賛辞が送られていたという。

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2023年9月、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディングを訪れたジョン Photo:Getty Images

今回のジョンの英雄的な行動は、ネット上で瞬く間に拡散され、SNSは称賛の嵐に。『The Guardian』は「(飛び降りを)止めてくれてありがとう。苦闘しているみんなより」という、インスタグラムに寄せられたメッセージを紹介。

米サイト『New York Post』はXに投稿された「この男はなんという聖人だ」「ジョンは本当にレジェンドだ!!! なんて男なんだ」といった書き込みを伝えた。

また英サイト『Daily Express』はあるファンの以下のコメントを掲載。「この男性(ジョン)と彼の人々に対する思いやりを絶対的に愛している。ミュージシャンとしてだけでなく、人間としても私のヒーローよ」。

なお、ジョンは女性のプライバシーに配慮し、この事件のコメントを避けていると複数のメディアが報じており、米サイト『Page Six』によれば、「苦悩し、傷つきやすい状態にある個人を尊重するため」、声明は発表しないと関係者が認めているとのことだ。

そんなジョンは9月12日(現地時間)、ニューヨークで行われたラッパー、ピットブル(43)のライブにサプライズ登場。ボン・ジョヴィのヒット曲「it’s my life」(それが私の人生)を歌い上げた。