[vpl.28] ミニスカの太ももがまぶしい!青春映画の秀作をキャリアに刻んだ ヘイリー・スタインフェルドの特別感

ヘイリー・スタインフェルドは、コーエン兄弟監督作品『トゥルー・グリット』で14歳のときに映画デビューをした。父親を殺された少女が復讐に立ち向かう西部劇で、ヘイリーはこの娘役を演じて、いきなりアカデミー賞の助演女優賞にノミネート。彼女の出現は、いってみれば映画界にまたひとつの宝ものが現れたように感じさせたものだ。きりっとして意志の強そうな太い眉毛。真実を射貫く聡明そうな瞳。こじゃれた今どきのヤングスターとは明らかに違う、手垢のついていない抜群の鮮度。『トゥルー・グリット』で共演したシブいジェフ・ブリッジスとの相性もよくて、いや~、この子はただもんじゃないと注目したのが始まりだった。

今年で20 歳になるヘイリーは、モデルやシンガーとしても活躍するなど順調にキャリアを延ばしているが、主演した最新作『スウィート17モンスター』(4/22公開)では、本領発揮。子どもでもない、大人でもない、繊細で複雑でビミョーな年頃の17歳を現実味たっぷりに演じて、ゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされた。



海外のヤングセレブを見ていて思うのは、ティーンエイジャーを過ぎた彼女たちの外見が、メイクアップやセクシードレスのせいで、あっという間にオトナの女性になってしまうことだ。寸胴なウエストや、弾ける若さの象徴のような太ももや、まぶたの上のはれぼったいような肉がなくなって、誰もかれもがセクシー路線に突き進む。だから、『スウィート17モンスター』のような100パーセント、17歳の女の子をあんなにもチャーミングに演じた作品を残すことができたヘイリーは、特別に幸運で、また実力があったからこそ、その役と巡りあえたのだと思う。ミニスカから伸びた健康的な太ももと、足元のハイカットスニーカーがとてもまぶしい青春映画でした。

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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