[vol.70] ドレスばかりに気をとられてはイカ〜ン!『ボヘミアン・ラプソディ』のルーシー・ボイントンのメイクは、旬の女優の輝き

ハリウッドの新年最初のビッグアワード、ゴールデン・グローブ賞の授賞式が先日開催されて、いよいよアカデミー賞に向けて賞レースが盛んになるこの時期。賞の行方も気になるが、華やかに着飾ったレッドカーペットのスターたちを眺めるのは楽しいものだ。しかーし、先のゴールデン・グローブ賞授賞式でのゴージャスな女優を見ていて気がついたが、(ハズキルーペのケン・ワタナベ風に)ドレスだけに目を奪われていてはいか〜ん!真っ赤な口紅メイクはもう古〜い!いや、赤リップで巻き髪にしたハリウッドスタイルがなんだかんだいっても一番レッドカーペットに映えるのは分かっているが、時代を活気づけるとびきり新鮮な若手セレブのメイクがまぶしいったらありゃしない!セレブウォッチングはドレスだけじゃなくて、顔をアップにして化粧を見てみて。


「まあ、なんて可愛い。キラキラ輝いてんじゃん」と私が見とれたのは、見事、二冠を獲得した『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディの恋人メアリーを演じたルーシー・ボイントン。フレディ役で主演男優賞に輝いたレミ・マレックとは、私生活でもそのまま恋人同士となり只今、ハッピーオーラ出まくりの24歳。彼女のメイクは、長いアイラッシュとアイホールに添って入れた濃いアイシャドーで、一見60年代のツイッギーみたいだが、眉はナチュラルに太め。懐かし味がありながら新しく、センター分けで無造作なブロンドのボブヘアがかっこいい。ピアスひとつすら付けないノーアクセサリーも潔い。これでも最高に輝いてるってのが、イットガール!

もうひとりは、『それでも夜は明ける』(2013年)でアカデミー賞の助演女優賞を受賞したルピタ・ニョンゴ。彼女は色をまとう魔術師のように、パステルから強烈なビビットカラーまで、何色でも似合ってしまう。今回はブルーのドレスに合わせて、ブルーのマスカラがおっしゃれ!浮いたような派手さはまったくなくて、すんなりキュート。オレンジのリップとマッチして、モード雑誌から抜け出したよう。このモード感は、レッドカーペットでは貴重。ただでさえ作り過ぎて劇場型のゴージャス方向にいくのが女優だからね。あと、もともとの美人女優の、若さに対するキープ力というか改造力というか、そのあたりも顔のアップでわかったりしてね。

 

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イラストレーター&エッセイスト 石川三千花

映画、ファッションを独自の視点からイラスト+エッセイで斬る!著書に『石川三千花の勝手にシネマ』、『勝手にオスカー』など。

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