【2018春夏コレクション速報】パリ中編、パステルカラーの世界と、趣向を凝らしたショーを堪能

前編に続いてお届けするのは中編。中編のトップバッターはロエベ。ショー会場にはスティーブン・マイゼルが撮影したキャンペーン写真と、1920世紀の写真がもとになり、織られたおおきなタペストリーが飾られている。コレクションの主人公となる彼女は世界を飛び回る女性。パステルカラーやギンガムチェックのパッチワーク、ペイズリーや花柄など、軽やかなルックがお目見えした。

ニナ・リッチのコレクションでも目を引いたのは、レモンイエローやモーヴピンクなどのパステルカラー。ミリタリーのニュアンスと、レディライクなドレス、フェザー使いが目を引いた。ジュンヤワタナベ・コム デ ギャルソンで観客をあっと驚かせたのは、そのファブリック使い。なんと使われていたのは「マリメッコ」のプリントだった。北欧モダンなファブリックとアバンギャルドなフォルムとの対比が新鮮。ソニア・リキエルは左岸のパリジェンヌのスタイルにフォーカス。エレガント、かつ自由な精神をパールのアクセサリーに込めて。

今期も大活躍の江原美希。ニナ・リッチのランウェイより。Photos by iMAXTREE/Zeta image
今期も大活躍の江原美希。ニナ・リッチのランウェイより。Photo by iMAXTREE/Zeta image

凝った演出のショーも、コレクション取材の醍醐味のひとつ。アンダーカバーでは、モデルがまるで双子のように二人ずつ共通点を持たせたルックで登場。これ、実はすべてリバーシブルになっており、一着の表と裏を着た状態だそう。50年代風ルックやシンディ・シャーマンをモチーフにした服も。ラストは『シャイニング』を思わせる水色のドレスが観客の目を引いた。

アンダーカバーのフィナーレで登場した、映画『シャイニング』を思わせる双子のルック。Photo by iMAXTREE/Zeta image
アンダーカバーのフィナーレで登場した、映画『シャイニング』を思わせる双子のルック。Photo by iMAXTREE/Zeta image

コム ギャルソンのショー会場はロシア大使館。登場したのはアルチンボルドから高橋真琴まで、さまざまな時代、様々な国の人の絵のドレスをまとったモデルたち。プラスチックのおもちゃやぬいぐるみを、ヘアや襟元にてんこもりに飾り、アートとファンタジーの融合した独特の世界を見せつけた。

独創的なコム デ ギャルソンコレクション。Photo by iMAXTREE/Zeta image
独創的なコム デ ギャルソンコレクション。Photo by iMAXTREE/Zeta image

EDITOR'S MEMO

    • 2年ぶりのパリ。コレクション出張では、夜は会食の予定があることも多いのですが、今回偶然にも日本人がシェフをつとめるレストランに伺うことばかりでした。どちらも味付けが繊細で日本人向けというべきか。本当においしかった!!

    • ショー取材に同行してくれるのが、パリ在住のジャーナリスト、乗松美奈子さんの愛犬、スウィーティ。「ミナコラム」やインスタグラムでもおなじみです。ショーの間は車の中でおとなしく待っていてくれるんですよ! 忙しい日々の癒しです。