『イカゲーム』シーズン２のNetflix視聴数ランキングを上回り（！）今世界中で大ヒットしている『トラウマコード』や、隠れ名作に躍り出ている『FACE ME』など、観ておいて損なしの作品を韓ドラマニアのライター&エディターがレビュー！ 主演のチュ・ジフンやイ・ミンギの色気がダダ漏れの最新作をぜひお見逃しなく。
『イカゲーム』シーズン２のNetflix視聴数ランキングを上回り（！）今世界中で大ヒットしている『トラウマコード』や、隠れ名作に躍り出ている『FACE ME』など、観ておいて損なしの作品を韓ドラマニアのライター&エディターがレビュー！ 主演のチュ・ジフンやイ・ミンギの色気がダダ漏れの最新作をぜひお見逃しなく。
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班／エディターK
母の影響により、第１次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界へ足を踏み入れる。「寝不足だけど幸せ」を合言葉に、20年以上あらゆるジャンルの韓流ドラマを観続けている。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。ドラマを観るたびに推しの俳優が増えていく毎日。
チュ・ジフン『トラウマコード』／『イカゲーム』シーズン２を抜き、今世界中で大ヒット！
タイトルを見て、ひょっとして心に傷を持つ医者のお話か？などと思ってしまいましたが、当然違いました。トラウマには「外傷」という意味もあり、つまり“トラウマコード”とは、重症外傷患者に迅速な対応を行うシステムのこと。原作は『重症外傷センター：ゴールデンアワー』というWEB小説で、著者のハン・サンイガは現役の医師。ということで、24時間いつでも実働を強いられる過酷な“トラウマコード”を担う医師の現場をコミカルかつ痛快に描いているのがこの作品であります。主人公のペク・ガンヒョクを演じるのは最近ノリにのっているチュ・ジフン（『愛は一本橋で』『照明店の客人たち』）なのですが、もう、冒頭からして今回もアクセル全開。爆撃相次ぐ異国の地で、大型バイクを駆りながら孤立してしまった病院に医療品を届けたり、銃弾飛び交う戦地の中を自ら銃を背負って駆け巡り瀕死の負傷者の治療にあたったり、ハリウッドクオリティさながら、お得意のアクションをフルスロットルに魅せてくれるといいますか。
物語は、そんな数々の戦地を渡り歩き過酷な現場で実績を積んだ天才外科医ガンヒョクが、激務による医師不足で解散の危機に瀕している重症外傷チームを立て直すため、名門ハングク大学病院に赴任してきたところから展開。金ばかりかかって実益の見込めない重症外傷チームを有名無実化しようと思っている病院首脳陣に対し、ガンヒョクはすぐにヘリを呼んじゃうわ、大型事故による重症患者もじゃんじゃん受け入れちゃうわと真っ向から対抗。しかも神業的な外科医としてのスキルや判断力はもちろんのこと、彼を動かしているのは助かる命を救いたいと願う混じりっ気なしの使命感。常識破りの決断とか、その純粋なる情熱とか、劇画チックというか今の世の中ではむしろ現実離れしているとも思えるカッコよさなのでありますが、実は韓国に実在する著名な重症外傷外科医をモデルにした実話エピソードを盛り込んでいたりとか、ジフンの軽妙でいて熱い表現力のバランスの妙だったりとか、意外にもリアルに迫ってくるというか、単なるヒーロー医師ものに終わっていないというか。
さらに、ドラマを面白く痛快にしているのが、ガンヒョクの弟子１号となるヤン・ジェウォンとの師弟ブロマンス。なんとなく楽そうだから肛門科を選んだというおぼっちゃま医師のジェウォンが、ガンヒョクに思いっきり振り回されながらも、次第に医師としての使命感に目覚めつつ成長していく姿がめちゃんこ楽しく胸熱なのです。演じているチュ・ヨンウは『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』でも人気を集めた2025年の最も注目すべき俳優。ガンヒョクとのボケとツッコミみたいなケミも絶品で、早くもシーズン2を期待せずにはいられません。（さすらいのライター山崎）
イ・ミンギ『FACE ME』／果たして自分は殺人犯なのか？ 隠れた真実と向き合うメディカルドラマ
イ・ミンギといえば第二次韓流ブーム期からさまざまな良作に出演（『タルジャの春』で沼ったクチ）。『この恋は初めてだから』『僕が見つけたシンデレラ～Beauty Inside～』、そしてなんと言っても名演技が炸裂したヒューマンドラマ『私の解放日誌』などなど、どれもこれも名作ばかり。それはひとえに彼が持つ独特な色気とオーラ、確かな実力によるものに他なりません。韓ドラマニアであれば絶対にマークしている俳優のひとりであります。加えて本作は、『私の夫と結婚して』で見せた最高のクズ（悪役）っぷりで一躍スターとなったイ・イギョンと共演！！ とある殺人事件の真相を追うメディカルドラマであることに加えて、名俳優が揃っているし、一気観してしまう吸引力がある。そこまで話題になっていないことが惜しいほど、引き込まれる作品です。ぜひ視聴リストに加えてほしい。
ミンギが演じるのは、愛する婚約者を殺人事件で亡くしてから心を閉ざし、整形外科医から美容外科医に転身したチャ・ジョンウ。腕は確かだけれど冷徹。自他ともに認める最高峰の技術を持ちながら、患者へのサービス精神はゼロ。淡々と業務をこなす日々を過ごしていたものの、刑事イ・ミニョン（ハン・ジヒョン）に出会ったことで、少しずつ「違和感」が浮上していくんですね。事件直後に犯人は捕まり、悲しい事件は幕を閉じたと思っていたけれど、実は知られざる真実があるのではないか？ もしかして、自分もなにか関わっているのではないか？という疑念。事件当日のとある部分が“記憶喪失”として抜け落ちているジョンウにとって、つらく厳しい現実と向き合っていくことになります。この過程の描き方がなんとも秀逸！ 緩急の付け方も素晴らしく、「これってまさか？」とジョンウへの不信感さえ抱く始末。友人であり同じ美容クリニックで働く医師ハン・ウジン（イギョン）も、“真実”を偽る者なのか、否か。ミンギ×イギョンの演技に酔いしれます！
そして犯罪被害者の再建整形手術を通して、心の奥底にしまっていた“医師”としての気持ちが湧き上がってくるジョンウの姿にも胸を打たれるんですよねぇ。これまでなかなか描かれていなかった韓国美容の裏側に焦点を当てていることも本作ならでは。社会問題と人間の欲望をうまく表現している点もさすが！の一言です。（エディターK）
