嫌いなキャラクター、嫌な展開ばかりなのに、観る手が止まらない「不倫ドロドロ」韓国ドラマ4選!

いま韓国で続々と制作されているのが、不倫や、夫婦関係のイザコザをテーマにしたドラマ。『結婚作詞 離婚作曲』のような、完全に不倫をテーマにしたものから、『ペントハウス』シリーズのように、あくまで不倫を物語に忍ばせながら、壮大な復讐劇を繰り広げているもの。さらには不倫と殺人事件を絡め、冷や汗が背中をゆっくりとつたうようなサスペンス作品に仕上げた『浮気したら死ぬ』まで。ドラマ内の推しがどんどん追い詰められたり、嫌いなキャラクターや、嫌な展開も多い……なのに、続きが気になって最後まで観てしまう! そんなノンストップ視聴の韓国ドラマ4作品をご紹介。

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Netflixシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』シーズン1~2独占配信中
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『ペントハウス3』KNTVで独占放送中





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Netflixオリジナルシリーズ『Mine』独占配信中

【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。

韓ドラ追っかけ班/エディターK
母の影響により第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界にどっぷり浸かり、気付けば韓流ドラマ歴18年。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手女優&俳優の発掘が趣味の領域に。

結婚作詞 離婚作曲 シーズン2/3組3様の不倫ストーリー

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Netflixシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』シーズン1~2独占配信中

以前、「甘or辛地獄」編でもご紹介したこのドラマ。世代の違う3組の夫婦のドロドロの不倫劇を、まるでお隣の夫婦を覗き見るかのようなリアルさで描いた作品ですが、3人の夫が不倫に至るまでをカットバックしたところで終了したシーズン1。え、え〜、この先どうなっちゃうの!?と悶々としていたところに待望のシーズン2です。

3組ともドロドロ具合はより複雑になっていきますが、特に見ものなのはラジオ局のPDピヨンと病院長ユシンの40代夫婦。誰もが羨むほどの幸せ夫婦だったこのふたり。自分が美しく素敵でさえあれば、夫は絶対に浮気しないと信じ切っていたピヨンですが(その考え方もどうかと思いますが)、いえいえ、現実はそんな甘いものではございません。アメリカから女優を目指してやってきたア・ミを何かと手助けするうちに不倫へと陥ったユシン。で、信じ切っていたピヨンも、同僚のラジオ作家シウン(大学教授の夫ヘリュンとは離婚。夫は不倫相手だったミュージカル女優のガビンと結婚間近なのですが……)から、ユシンが若い女性と浮気しているかもと聞き、にわかに不安に包まれます。

ピヨンは単刀直入に夫ユシンを問いただすのですが、このときのユシンのごまかし方がアカデミー演技賞もので、世の奥さま方はとくとご注意くださいませ。あぁ、男ってこんな風に嘘をつくのねと、しみじみ。で、結局はその浮気も白日のもとにさらされることになるのですが、どん底まで落ちた末に離婚を決意してからのピヨンが凄まじく(私的にはこっちのピヨンのほうが数倍好き)、特に12話が圧巻。なんとかよりを戻したいユシンと、夫の裏切りを絶対に許せないピヨンと、互いに1ミリも交わることのない言葉の応酬合戦。不毛です。マジ、不毛です。現代版・橋田壽賀子のホームドラマを観ているような、そんな感じ。勝手にあなたたちだけでやってくれ〜と思うのに、なぜか目が離せなくなっちゃうという巧みかつリアルなドロドロ……。そして、そして、それをぶち切るような衝撃の最終話ラスト。え、え、え〜〜〜??? シーズン3が今から待ち遠しくてなりません。(さすらいのライター山崎)

Netflixオリジナルシリーズ『ラケット少年団』独占配信中
Netflixシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』シーズン1~2独占配信中

浮気したら死ぬ/ミステリー小説家の妻と、浮気のプロ夫の闘い

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『浮気したら死ぬ(原題)』photo : Instagram(@lightyears81)

タイトルからかなり攻めまくりな本作。『パラサイト 半地下の家族』の出演により、日本でも注目を浴びたチョ・ヨジョンが主人公のカン・ヨジュを演じています。ヨジュは推理小説(犯罪専門)のベストセラー作家。「音がうるさくてヒールは嫌い」と言いながら、じゃあなぜ履くのか尋ねられたら「面白いでしょ。履くだけで人の神経を逆撫でできるから」と言い放つようなキャラです。『サイコだけど大丈夫』の“怒り狂わない”コ・ムニョンといったニュアンス(伝わります?)。とにかく淡々としていて、それがまた恐ろしや。そんなヨジュの夫は離婚専門弁護士ハン・ウソン。ウソンが一目惚れし、猛アタックの末にプロポーズまでこぎつけたものの、「浮気したら死ぬ」という身体放棄念書をヨジュに提出した上で結婚。なかなかパンチが効いてます。 

ここまで見るとただただウソンが一途そうな印象を受けそうですが、こやつが意外と厄介。あざとい。メディアで“国民の夫”と呼ばれるほど誠実な弁護士で通っているものの、その実態は複数の女性と浮気している不倫夫。恐怖で夫を手懐ける(実はできてない)妻と、毎日用意周到に不倫の痕跡を隠す夫。実はこのくだりもブラックコメディ風に描かれているので不思議と負のイメージはなく、ギャグ要素が強めです。ウソンの不倫相手だったスジョンの死亡が明らかになったことから、ふたりの関係にも、そして夫婦を取り巻く周囲にも不穏な空気が流れ始めます。 

もうヨジュが怪しく見えて仕方ない。いや、主人公に限ってそれはないなと(安直な見方で申し訳ありません)頭で考えつつ、あれ、これって本当にヨジュが犯人なのでは……!?と毎話疑ってしまう。というのもヨジュの新しいアシスタントに決まったチャ・スホは、実は国家情報院の要員で、なぜかヨジュを監視するためにこの家に来たと。益々怪しい。過去に何をしたんだ、何があったんだ!?と気になり始めたら、ウソンの不倫などアウトオブ眼中。中盤から犯人“っぽい”人物が何人もお披露目されて、ん?ヨジュではないかも?と思う瞬間もあるんですが、でもやっぱり?の繰り返し。ヨジュが唯一信頼している優しい家政婦ヨム・ジノクまで怪しく見える始末……まさに犯人探しは迷宮入り。誰だ誰なんだと、中盤から一気に沼落ちします。謎解き好きな方にもぜひ観てもらいたい。(エディターK)

photo : Instagram(@lightyears81)
『浮気したら死ぬ(原題)』photo : Instagram(@lightyears81)

Mine/大財閥のヒョウォン家で起きる壮大なサスペンス

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Netflixシリーズ『Mine』独占配信中

『ナッツ姫』事件を覚えていますか? 大韓航空の創業者の長女が、スタッフの態度が気に入らないと飛行機を空港へとリターンさせてしまった前代未聞のあの大事件です。そのヒステリックなまでのパワハラに、他人事ながら「セレブって凄まじい……」と背筋を凍らせた人も多いのではないでしょうか。ドラマは、そんな韓国の1〜2位を争う大財閥一家にまつわる不倫ドロドロのサスペンス劇。かの人気ドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』でもセレブのドロドロ(不倫ではなくお受験でしたが)が描かれましたが、その登場人物たちはゆうても雇われ医者。それに対してこちらは、桁違いな大財閥。

スケール半端なき大金持ちのドロドロというだけでも興味がそそられますが、主人公となるのは、そんな大財閥グループに嫁いだ2人の嫁。ひとりは、会長の愛人の子で常務の有能な次男に嫁いだ元人気女優のヒス(イ・ボヨン)。もうひとりは、グループの専務で無能な長男の後妻として嫁ぎ、一家を取り仕切る切れ者、でも人に言えない秘密を抱えているソヒョン(キム・ソヒョン)。ふたりとも自分の子供ではない子を育てている設定。で、ドラマ冒頭、この大財閥一家に殺人事件が起こり、物語はそこから60日間過去に遡ってから展開されていくという構成。ヒスの血のつながらない息子に新しい家庭教師がやってくるところから、殺人事件への序章が始まっていくのですが、もちろん誰が殺されたか、誰が殺したかは一切明かされることはありません。さまざまな伏線が縦横無尽に張り巡らされ、終盤まで全く先が予測できない展開。そのサスペンス的面白さはいうまでもなく、さらに不倫、嫉妬、策略、陰謀などなどナッツ姫事件の上を行くおろかであさましいセレブパワーを強烈かつコミカルな味付けを交えて映し出していくので、吸引力抜群。

そんなえげつないまでの大財閥体質に2人の嫁はどう立ち向かっていくのか。実際に「これはナッツ姫?」というキャラも登場するので、そちらもお楽しみに。除隊後の復帰作となったVIXXエンの存在にも、ぜひご注目を。ドロドロのなかの一服の清涼剤です。(さすらいのライター山崎)

Netflixオリジナルシリーズ『Mine』独占配信中
Netflixシリーズ『Mine』独占配信中

『Mine』の見どころ、注目したいポイントは以下記事より!⇩

ペントハウス3/まるで天国と地獄の連続……復讐がかなう日はいつ!?

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『ペントハウス3』KNTVで独占放送中

いま韓国で放送されているシーズン3も最終局面を迎えています。おそらくシーズン4はないであろう。いや、むしろ無しにしてくれとキム・スノク作家に心から願わざるを得ません。悪人たちがここぞとばかりに悪人すぎて……やっとの思いでチュ・ダンテとチョン・ソジンを刑務所に入所させたのに(※シーズン1未視聴の方はまずこちらの記事を)、財力に物を言わせつつ、ツッコミどころしかない渾身の“病”演技を披露して「私、何もわかりません〜」状態でさらりと出所。いったい、どうして、なぜなんだ……。あ、フィクションだからだと自分をなだめながら、シム・スリョン同様に脱力。

観ている方はお分かりかと思いますが、このドラマは断じて“不倫”がベースではありません。むしろ序の口として扱っています。騙し、騙され、奪い、奪われの繰り返し。もはや法で裁くことのできない悪を滅するためにスリョン、ローガン・リー、そしてオ・ユニが奮闘しているものの(『ヴィンチェンツォ』や『模範タクシー』と被りますね)、これがまた敵もしぶとい。ありえない生命力です。最初はダンテとソジンの不倫関係に怒りを覚えたりもしましたが、そんな感情は疾うになし。もはやこれ以上の犠牲者を出す前に、ふたり仲良く闇に葬られて欲しい。そう心から願ってしまうくらい、本作は役者陣の演技の熱量が桁違い! 若手への注目度も高く、本作出演からすでに次回作が続々と決まっている俳優が多いんです。あまりにも演技がうますぎて本物だと錯覚しそうになるのですが、そんな時はバラエティ番組で“チーム・ペントハウス”の仲睦まじい姿を観て心を落ち着かせるように(笑)。

何を書いても過度のネタバレになってしまいそうで怖いですが、こんなに嫌いなキャラクター、嫌いな展開ばかりなのに、観る手が止まらないドラマは、かなり久しぶりです。社会現象を巻き起こしているだけのことはある。何よりキム・スノク作品の旨みがここぞとばかりに凝縮されている。そんな雰囲気です。もし本作のオンライン座談会などがあれば、ぜひ視聴者全員で語り合いたい(笑)。(エディターK)

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『ペントハウス3』KNTVで独占放送中