第４次韓流ブームと言われている昨今。『愛の不時着』『梨泰院クラス』で一気にムーブメントを巻き起こし、今年の上半期は『ヴィンチェンツォ』、下半期は『イカゲーム』など、止まることのない勢いで世界中から注目される韓国ドラマ。『愛の不時着』でヒョンビンに、『梨泰院クラス』でパク・ソジュンに……など、良作の出演俳優に沼落ちした人も多いのでは？ そこで本記事では、大ヒットドラマ出演俳優４人の、絶対に押さえておきたい「おすすめ過去作品」をご紹介します！ 今宵も新たな“沼”があなたを待ち受けているかも。
【韓国ドラマ ナビゲーター】
さすらいのライター 山崎敦子
『最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜』より韓国ドラマに魅せられ、日々最新ドラマをリサーチするさすらいのライター。さまざまなジャンルを渡り歩き、今では美容記事に携わること多し。サバイバルオーディションも大好物で、今の推しはENHYPEN。推しの俳優は絞りきれないほど多数。エクラwebでも韓流連載執筆中。
韓ドラ追っかけ班／エディターK
母の影響により第1次韓流ブームの火付け役となった『冬のソナタ』から韓国ドラマの世界にどっぷり浸かり、気付けば韓流ドラマ歴18年。ドラマに加え、アイドル、コスメ、ファッションなど、日々韓国まわりの情報をキャッチアップ。永遠の推しは俳優ソン・ジュンギ。若手女優&俳優の発掘が趣味の領域に。
ミッドナイト・ランナー／“パクソ”作品で欠かせない良作映画
私のまわりでは夫にしたい俳優No.1率がメチャクチャ高めです。パク・ソジュン。確かに愛犬シンバを見つめるあのとろけるような笑顔（インスタ頻出）には、思わず「シンバになりたい！」と悶絶せずにはいられないほど愛情深さが満々。韓国では“ナムサチン（国民の男友だち）”とも呼ばれるほど好感度絶大な存在。あの『梨泰院クラス』の１ミリも揺らぐことのない正義感はもちろんのこと、『彼女はキレイだった』のイケメンエリートぶりといい、『花郎』の危機に陥った時の統率力といい、安心して頼れる男としてまさに完璧キャラクター。そりゃあ、惚れないほうがレアな存在というものです。
でもでも、そんなパーフェクト・ソジュンもいいけれど、私個人といたしましては、ちょっぴりおバカでとっても素朴、情熱だけは人一倍という人間的未完成ソジュンのほうにむしろそそられてしまうのですが。その代表ともいえるのが本作。ふたりの警察大生が誘拐拉致現場を目撃したことから事件に巻き込まれるアクション・コメディで、ソジュンが演じるのは、もちろんその巻き込まれちゃう学生ギジュン。食べることが大好きな、頭より身体が先に動いちゃう熱血行動派というキャラクターで、その相棒となるもうひとりの学生がカン・ハヌル演じる理系高校出身の変わりダネ頭脳派のヒヨル。このふたりの純真おバカだけど正義感真っ直ぐな凸凹コンビぶりがマジで絶品。五分刈りシーンから始まる入学早々のエピソードも楽しく、のっけから思わず笑っちゃう場面の連続ですが、肝心の物語が展開するのはそこから２年後という設定。
授業の合間に彼女探しに繰り出したソウルで、ナンパしようとした女子が拉致される現場に遭遇したのが始まり。即行で交番に駆け込むも、実際の警察はなかなか動いてくれないという現実。拉致事件のクリティカルアワーが７時間と習ったふたりは、無謀にも自ら捜査を開始するのですが、そこには予想を遥かに超えた危険が待っていた……という展開。身体を張ったアクションや鍛え上げた上半身を惜しみなく披露するサービスカットも垂涎ですが、何よりもただひたすら助けたい＆悪者を捕まえたいと突き進む、まじりっけなしの若き情熱は、何度見返しても止まらない愛おしさ。やっぱり夫にするならこんなソジュンと改めて確信せずにはいられません。（さすらいのライター山崎）
太陽の末裔 Love Under The Sun／世界的な韓流スターとなったソン・ジュンギのブレイク作品
彼（ソン・ジュンギ）の良作は数知れず。特に『私のオオカミ少年』は、なんと野生のオオカミに育てられた少年という役どころで（あの端正な顔立ちでまさに獣といった振る舞い）、鳥肌が立つほどの圧倒的な演技力で魅せられました。そんな彼を語る上でやっぱり欠かせないのが本作。すでに鑑賞済みの方も多いかもしれません。そう、『太陽の末裔』です。『ヴィンチェンツォ』でジュンギ沼に落ちたら、なんとしても韓国で社会現象となった本作をご鑑賞ください！
陸軍特殊戦司令部の軍人シジン（ジュンギ）は、休暇中に部下のデヨンと韓国へ帰国。そこで出会った外科医のモヨン（ソン・ヘギョ）に一目惚れし、ぐいぐいと猛アプローチをかけていくのですが、１話から恋愛脳活性化に（おそらく）ひと役買います。その追う素振りが恐ろしくスマートでして、大人の余裕もありあり。言うならば『ソンギュンガン』ヨンハ役のような色気もあり、『ヴィンチェンツォ』カサノ役のような強さも併せ持つイメージ。で、良いムードになりつつも、デートの約束を前にしてシジンに海外派遣の任務連絡が……と韓国編は早々に幕を閉じ、舞台は紛争地域ウルクへ。そして、医療奉仕団として海外に左遷されたモヨンと電撃再会。
はい。またしてもシジンの追いかけっぷりが拝めるわけです。ソンソンカップル（主演ふたりのケミが良すぎてついたあだ名）の人気を底上げしたのが４話の伝説のワインキス。社会現象になるのも頷ける、まさに後世に語り継がれていくであろう美しさ……さらなる見どころは９話です。いわゆる神回でして、伝説２・トラックキスや、伝説３・ガソスタキスのほか、度肝を抜くときめきシーンのオンパレード。恥ずかしくて逃げ去るモヨンを先回りするために、シジンが窓から飛び降りて道を塞ぐシーンもときめきの爆弾です。なぜこんなにもスマート!? 一見チープに見えそうなシーンも彼が演じることで、フィクションながらリアルを感じさせる絶妙な塩梅で魅せてくるのがすごい。とまあロマンスのことばかりに触れてしまいましたが、紛争地域での壮大なストーリーを主軸にしているので、心にグッと刺さる場面も多いんですよね……。異なる生き方、譲れない価値観、残酷な現実。ふたりがどういった決断をするのか、ぜひ物語でお楽しみください。ちなみにデヨン&ミョンジュのサブカップルも主演級なので、ときめきの起爆剤があっちらこっちらに。ご用心を！（エディターK）
『太陽の末裔 Love Under The Sun』U-NEXTにて独占見放題配信中！ Licensed by Next Entertainment World © 2016 Descendants of the Sun SPC刑務所のルールブック／シンドローム的な人気を博した名作の主演は、パク・ヘス！
2021年の下半期を代表する韓ドラ『イカゲーム』にて、主人公ギフンの後輩でソウル大学出身の敏腕証券マンながら会社の資金を横領し、借金まみれとなったサンウ役のパク・ヘスは記憶に新しいかと思います。そんな彼の主演作品『刑務所のルールブック』はご存じでしょうか？ これがまた、とにかく観て〜〜！と大声で叫びたくなる良作なのです……。
『応答せよ』シリーズでお馴染みのシン・ウォンホ監督の人気作。ヘスが演じるのはメジャーリーグ進出を目前に控えた韓国野球界のヒーロー・ジェヒョクです。ある夜、怪しげな男が妹のジェヒに乱暴しようとする場面に遭遇し、ジェヒを守るため男に重傷を負わせてしまいます。誰もが正当防衛が認められると思ったものの、ジェヒョクに下ったのはまさかの実刑判決……という絶望的な展開から物語がスタート。
社会から閉ざされた暗闇の世界で過ごす、１年という歳月。旧友で刑務官のジュノや、元恋人のジホとの面会時間を心の支えにしながら、移送先の西部刑務所で出会った２号棟６房の受刑者たちとの日々を過ごしていくことに。横領罪の大手建設会社の元課長パクサや、麻薬に溺れる財閥２世のハニャン、殺人罪の元暴力団ミンチョル、詐欺罪の元エンジニア・チョルドゥ、そして傷害致死罪の元陸軍大尉ジョンウ（演じるのはチョン・ヘイン。ここ重要です）など。もちろん極悪非道な受刑者もいますが、ものすごく切ないストーリーを抱えた人もいる。その事実が少しずつ明らかになっていくたびにキャラクターに愛着が湧いて、自分の一部になっていくかのような感覚に。６房メンバーの他愛のないやり取りにふっと心が和んだかと思いきや、予想外の展開に心がぎゅっと苦しくなるシーンもあったり……。
テーマの印象からかなり重たい作品に捉えられがちですが、リアルかつハートウォーミングな演出を得意とするウォンホ監督らしい独特で緩やかな空気感が流れるんです。まさに笑って、泣いて、感動できる、そんなお話。一人一人の人生や、人と人との関係性を丁寧に描くことで多くの登場人物に感情移入してしまうのは、やっぱりウォンホ作品マジックですね。そして本作を観終わったらすぐに『ラケット少年団』の鑑賞を！ ハニャン&パクサペンが歓喜するシーンが待っています。言わずもがな『賢い医師生活』もオマージュたっぷりなので、ぜひ。（エディターK）
嫉妬の化身～恋の嵐は接近中！～／イクジュン役とは違う、オレ様系キャラのチョ・ジョンソク
ソンファをどんな時でも優しく見守りながら包み込み、同僚たちの恋をさりげなくサポート、病院のスタッフや患者の心を明るく癒やし、息子のウジュにはメロメロ、いつもおバカなことで笑わせてばかりなのに肝臓移植の手術のスキルは右に出るものなし。おまけに歌もギターもプロ級（プロだけど）。そんな『賢い医師生活』のイクジュンに惚れない人がいるとしたら、ぜひお目にかからせていただきたい。演じているのは、もちろんこの人、ミュージカル出身の俳優チョ・ジョンソク。演技のうまさに定評があり、数々の演技賞も獲得している正真正銘の実力派。演じる役柄もツンデレあり、いい人あり、悪役ありとさまざまですが、その芸達者ぶりを改めて堪能するなら、やっぱりラブコメではないでしょうか。
なかでも一押しなのが本作『嫉妬の化身』。コン・ヒョジン演じるお天気キャスターのピョ・ナリを巡るトライアングルラブを描いたロマンチック・コメディですが、チョ・ジョンソクが演じるのは、彼に一途に片思いするピョ・ナリを３年間完全無視し続けてきた敏腕放送記者ファシン。仕事においても男としても自信満々で、自分を想い続けるピョ・ナリを邪険な態度で傷つけるばかり、というのは通常のラブコメでもよく見かける定番オレ様系キャラクターなのですが、ある日、ピョ・ナリから胸に違和感あると言われて受けた検査で男では珍しい乳がんであることが発覚してからのファシンが、通常とはひと味もふた味も違う絶妙な癖ありっぷりを発揮。女性ばかりの婦人科で、思いっきり肩身は狭く、病魔への不安も募るばかりなのに、弱み隠してオレ様態度を貫くファシン。さらに、片思いから脱したピョ・ナリが超セレブな優しいイケメンの親友ジョンウォン（コ・ギョンピョ）と付き合いはじめちゃってから、自分がピョ・ナリをものすごく好きになっていることに気づくファシン。男のプライドと情けなさと、隠しきれない恋と嫉妬と。複雑な男ゴコロが微妙に交錯するジョンソクならではの上手さが炸裂。
ドラマは、ピョ・ナリがファシンもジョンウォンもどちらも好きになっちゃっうという、え、え〜！な先行き見えない展開ですが、ラブコメ女王コン・ヒョジン×舌も巻いちゃう演技派チョ・ジョンソクの組み合わせは、やっぱり只者ではない面白さ、確約です。（さすらいのライター山崎）
