東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールでは、2022年3月30日（水）〜5月8日（日）、「Soul ジェーン エヴリン アトウッド展 」を開催する。パリを拠点に半世紀にわたって世界で活躍し続ける写真家の、日本で初めての個展となる本展では、代表的なシリーズから厳選した作品や報道カメラマンとしての仕事などを紹介する。
東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールでは、2022年3月30日（水）〜5月8日（日）、「Soul ジェーン エヴリン アトウッド展」を開催する。本展は、第1回ユージン スミス賞やライカ オスカー バルナックアワード、アルフレッド アイゼンスタット賞などを受賞してきた写真家であるアトウッドの、日本における初めての個展となる。
アトウッドは1947年ニューヨーク生まれ。学生時代にダイアン・アーバスの展覧会を観て、社会の周縁に生きる人たちのポートレイトとその作品が心に訴え続ける力に感銘を受けたことから写真の世界に足を踏み入れた。71年よりパリを拠点とし、パリの娼婦たちを被写体とした『Rue des Lombards』をはじめ、フランス・アメリカ・イスラエル・日本など各国の盲学校などを撮影したシリーズ『Extérieur Nuit』、フランス外人部隊のルポルタージュ『Legionnaires』、カンボジア・モザンビーク・コソボなどの地雷犠牲者を調査した『Sentinelles de l'ombre』、10年の歳月をかけて欧米の40の刑務所や拘置所に収監された女性たちに取材を重ねた『Too Much Time: Women in Prison』などのプロジェクトが高い評価を得てきた。
被写体を深く理解するために、長きにわたり時間を共にするという私的で情熱的なアプローチで各プロジェクトに没頭してきたアトウッド。彼女の作品は過酷な現実を直截的に捉えていながらも、被写体に対する思いやりが感じられるもので、冷酷的または搾取的なイメージは一切ない。彼女はまた、1995年の阪神・淡路大震災、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ、2004年のアメリカ民主党全国大会なども報道カメラマンとして取材している。
本展はそんなアトウッドの代表的なシリーズから厳選した作品や、報道カメラマンとしての仕事などを紹介するもの。作家の希望により、シリーズ別や年代順といった従来の展示構成は行わないという。「写真を撮ったところで何の役にも立たない、と時に思うこともあります。 それでも、とにかくやらなければならないのです」— —そう話す彼女が被写体と親密な感情と魂（Soul）で繋がっていることが感じられる、見応えたっぷりの展覧会となりそうだ。
Soul ジェーン エヴリン アトウッド展
会期：2022年3月30日（水）〜5月8日（日） ※会期中無休
会場：シャネル・ネクサス・ホール（東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F）
時間：11:00〜19:00（最終入場18:30）
料金：入場無料・予約不要
03-6386-3071
https://nexushall.chanel.com/program/2022/soul/
text : Shiyo Yamashita
