熱く明るく未来へと輝きながら、いざW杯へ! なでしこジャパン壮行会レポート

7月20日から始まるFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023。2011年ドイツ大会以来の優勝を目指すなでしこジャパン(女子日本代表)へ、エールを送るイベント「なでしこジャパン壮行会ーBE YOUR BEST SELFー」が東京・原宿で行われた。2023年4月号で「女子サッカーを観なくては!」特集を行い、女子サッカーに真摯にフォーカスしてきたSPURでは、W杯で闘うなでしこジャパンを盛り上げるべく熱烈取材。応援レポートをお届けする。

代表選手が一堂に会した、第1部の模様から

日本代表・熊谷紗希選手
中央でマイクを持つのは、キャプテンの熊谷紗希選手

イベントは2部構成。第1部では国内キャンプを行っている選手と池田太監督が参加し、全員がオーダースーツブランド「DIFFERENCE」のオフィシャルスーツに身を固め、壇上に登場。ビシッと決まったスーツ姿にラフなボウタイ、というミックススタイルに惚れ惚れ。

左からフリーアナウンサーの野村明弘さん、元男子日本代表の内田篤人さん
左からフリーアナウンサーの野村明弘さん、元男子日本代表の内田篤人さん

W杯の素晴らしさについて、前回大会にも出場した熊谷紗希キャプテンと長谷川唯選手が「最高の舞台。頑張りたい」と答えると、山下杏也加選手がそれに便乗した形になり、MCの元男子日本代表の内田篤人さんとフリーアナウンサーの野村明弘さんのコンビが、さすがの手腕で突っ込みを入れて、まずは硬さのある空気を和ませた。

なでしこジャパン代表選手
下段左が清水梨紗選手。その右隣は長谷川唯選手

トークの中で、チームの仲の良さや選手の個性を表すエピソードとして、清水梨紗選手が紹介してくれたのは“エレベーター閉じ込められ事件”。アメリカ遠征で泊まっていたホテルのエレベーターが故障して、結構な人数の選手が閉じ込められてしまった。そのときに、どうすべきかをスマホで検索する選手や無理やり扉を開けようとする選手など、咄嗟に取る行動で個性の違いが明らかに。そんな状況でも笑顔で写真を撮るなど、ハプニングすら楽しんでしまうなでしこジャパン。この強心臓も、試合でのメンタルの強さにつながっているのだろう。

なでしこジャパン代表選手
下段左が池田太監督。マイクを持っているのが宮澤ひなた選手、下段右が千葉玲海菜選手

20歳の誕生日を迎えたばかりの石川璃音選手が「優勝してみんなでお酒を飲みたい」と決意を述べるなか、座右の銘の話題に。「人生楽しんだ者勝ち」が座右の銘という千葉玲海菜選手。平尾知佳選手は「チャンスは準備されたところに降り立つ」。ナイスキャラクターで会場を沸かせていた高橋はな選手はひと言、「『感謝』です!」。

選手たちに大人気のダンス&ボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」の生パフォーマンスや、2011年優勝メンバーの澤穂希さん、宮間あやさんからの動画応援コメントなどが続き、最後に熊谷キャプテンが「皆さんの応援をパワーに変えて、女子サッカーの未来のために私たちが世界で戦えることを証明していきたい」と、ぐっとくる締めの言葉で、第1部が終了。

熊谷紗希さん
決意表明をするキャプテン、熊谷紗希選手

会の最中に山下選手が話していた、今大会を通じて未来の女子サッカー選手に伝えたいこととして、「4年前より今大会は賞金がアップしていることが公表されて、女子サッカーのこれからは明るいと思っています。それを自分たちがもっとよくするために、今大会は結果を出さなくてはと日本サッカー協会会長と話しました。だから自分次第ということです」という言葉は、代表選手の背負っているものが途轍もなく大きいと感じさせた。

第2部では、もっとW杯を楽しむためのポイントを伝授

熱く明るく未来へと輝きながら、いざW杯への画像_6
左から岩清水梓選手、阪口夢穂さん、内田篤人さん

第2部では2011年女子ワールドカップ優勝メンバーである岩清水梓選手と、阪口夢穂さんが登場。「なでしこジャパンがもっと好きになる」というテーマで、観戦する側の楽しみ方を伝えてくれるレクチャータイムがスタート。

今のなでしこジャパンのチームや選手たちの魅力は何かという質問に、岩清水選手は「プロ意識。WEリーグが発足して、代表選手全員がプロとなってからのW杯は、また違った意識の高さがあると思う」。阪口さんは「ハードワーク。高い位置からボールを奪いに行くとか、そういうハードワークを全員でできるチームです」と回答。

岩清水梓選手
岩清水梓選手

また、なでしこジャパンのパーパス(存在意義)が「自分らしく挑戦する象徴である」ことから、自分らしく挑戦するとはどういうことだと思うか、という問いには、「自分の場合だと、母になってサッカーをやっているということ。出産後に選手として復帰するのは大変だったんですが、今は子どもが大きくなって、また別の悩みにぶつかっています。子どもの成長を見たいと思う自分、サッカー選手であることのありがたさ、両方あって悩みは絶えないと思いつつ、その状況に挑戦している実感があります」と岩清水選手。「W杯はなかなか出られない舞台なので、代表選手には思う存分楽しんでと言いたい。結果はもちろん大事ですが、何よりも自分の力を出し切って、後悔しないように」と、阪口さんは元代表選手ならではの実感のこもった答えを返した。

阪口夢穂さん
阪口夢穂さん

2人の考える今大会の見どころや期待する選手について、阪口さんは「ボランチというポジションに注目していただきたい。攻守にわたってキーになるところなので。連戦ですし、監督がどんな選手の組み合わせをチョイスするのかも楽しみです」。岩清水選手は「植木理子選手。2022-23シーズンで、WEリーグ、WEリーグ杯、皇后杯と国内すべての大会で得点王になった選手。世界でどれだけ戦えるのかという見方からも応援してほしいし、ぜひゴールをという期待もありますね」とコメント。海外でプレーする選手が増えてきたなか、WEリーグで一緒に戦った仲間への期待が伝わってきた。

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第1部・第2部ともに司会を務めた内田さん

最後に代表選手たちへのメッセージとして、「サッカー選手を目指している少女たちにもいい見本になるよう、ひたむきに頑張っている姿を見せてほしい」と岩清水選手。この言葉は代表選手だけではなく、女子サッカーの未来に向けても強く心に響いた。結果が出ても出なくても、前へとプレーする姿をずっと見ていたい、と思わせるなでしこジャパン。ぜひ熱い応援で背中を押してほしい。

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FIFA 女子ワールドカップ、日本初戦は7月22日!

●FIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023試合日程(すべて日本時間)
大会期間 2023年7月20日(木)〜8月20日(日)

<グループステージ>※なでしこジャパンの試合日程
第1戦 7月22日(土)16:00 vsザンビア女子代表
第2戦 7月26日(水)14:00 vsコスタリカ女子代表
第3戦 7月31日(月)16:00 vsスペイン女子代表
※1-2試合目はNHKBS1、3試合目は総合にて放送予定

<ノックアウトステージ> ※以下勝ち進んだ場合
ラウンド16 8月5日(土)14:00/17:00
準々決勝 8月11日(金・祝)10:00/16:30
準決勝 8月15日(火)17:00
3位決定戦 8月19日(土)17:00
決勝 8月20日(日)19:00