すべての旅人におすすめしたい本

はじめて全行程ひとりの海外旅をしたのは20代なかばの頃、行き先はチベットでした。開通したばかりの青蔵鉄道にどうしても乗りたかったのですが(中国・青海省西寧とチベット自治区ラサをつなぐ長距離鉄道。標高5000メートルを超える駅を通ったりと「世界で一番高い場所を走る鉄道」と言われています)、同行者など見つからず、超不安ながらひとりっぷを決意。出発は大晦日だったんですが、まず行きの飛行機が到着地北京が雪のため大幅遅延。国内線に乗り継ぐ予定が間に合わず、急遽泊まるはめになった北京のエアポートホテルでしょんぼり年越ししたのを覚えています。

その後はおなかを壊したり、海外ならではのあらゆる交渉にあたふたしたり、高山病にかかったり。全体的にトホホな旅ではあったんですが、帰りの機内で、不思議なほど軽やかな気分になったんですよね。自分の覚悟(と、現実的にはお金と時間)さえあれば、私はこれから行きたいところどこにでも行けるんだなーって。世界が急に広がった気がしました。あの気持ちが、今でも私の旅の原動力のひとつです。

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で、手前味噌でアレなんですが。先日発売された弊社刊『今日も世界のどこかでひとりっぷ』お読みいただけましたでしょうか? 著者ひとりっP先輩は元上司でもあるのですが、正直どうかしてるぐらい(すみません)暇さえあれば旅に出ている人です。この本で紹介されているのはひとりっぷ歴20年以上、ひとりっぷ回数350回をゆうに超える経験から繰り出される濃すぎるリコメンド&教訓の数々。これ、身内贔屓でもなんでもなく、本当に役に立ちますよ! もちろん、ひとりっぱー女子&予備軍のための熱い指南本ではあるのですが、「めちゃくちゃ旅してる人」という観点では、あらゆるツーリストに向けてこのアドバイスは有効だな、と思います。自分はここ数年子連れ旅がメインなのですが、事前の情報収集のこととか、荷物を軽量化するためのグッズいろいろとか、旅のワードローブとか「ほほう!ほうほう!」と唸りながら読みました。本の中でも紹介しているレスポートサックの3ZIPコスメティックポーチ、私ももちろん活用しています!

こう言っては元も子もないかもしれませんが、私自身は正直言って「絶対にひとりっぷしなくちゃ!」とは思ってません。ただ、ひとりっP先輩の言う「旅は人生の貯金」というのは本当だなーとしみじみ思ってます。地球は広くて人生は短い。まだの方、ぜひ読んでみてください。旅に出たくなりますよ!

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エディターOKUDA

ミニマリストに憧れながらも、己の物欲と食欲から逃れられません。好物は生ビールと生牡蠣と生肉、そして大きなイヤリング。