妄想力とヴィンテージジュエリー

毎年あったかくなると、シルバージュエリーがつけたい欲がでてくるのってなんでなのでしょうね。実はここ数年春になるとなんとなく、幅が太くて軽いプレートみたいなデザインで、でもモダンすぎず、たとえばヴィンテージなどの手仕事で人とかぶらず、どこかに温もりもあって、毎日つけても飽きないのに、スタイルのポイントになるようなシルバーバングルないかしら、と注文だけはやたら多い妄想をしていました。でもまあ、そんなに細かく決まっているとないんですよね、ドンズバのものは。どこかゴツくて重たかったり、トライバルが過ぎたり、フィットが悪かったり。どうしたもんじゃろのう(古い)と思っていたところで、妄想力が念力となってモードの神様に通じたのか、とあるショップで出会いました。アジアの山岳民族のヴィンテージバングルです。

手彫りで刻まれた細やかな模様が、ものすごく几帳面に整然と並んでいるのがチャームポイント。トライバル=ちょっとワイルドな印象だったりしますが、どこかの山で暮らす職人さん(推定A型)が、丁寧に一つ一つの線をじっくりことこと刻み付けているのを想像すると、微笑ましくて心温まります。ヴィンテージのアクセサリーはつけてた人の念が入っていそうでイヤ、なんていう人もたまにいますが、こんなに繊細に彫られて状態良く残っているヴィンテージアクセサリーは、きっとどこかの民族の娘さんの大切な節目(成人か婚礼?)に贈られて、誠実に暮らす美しい生涯に寄り添ったんじゃないか、なんて妄想がさらに膨らんで、なお愛し。しかもバングルやリングなど手元のアクセサリーは、つけている自分の目にも映るから、仕事中のモチベーションアップにもぴったりですよね。と、仕事の原稿は進まないのに、またお買い物してしまった自分への言い訳はたくさん思いつくから不思議です。

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エディターTOTOKI

ファッションと占い担当。おしゃれは我慢、ができないので、着心地重視。休みの日は、大体インテリアのことを考えています。