お帰りなさい、マーク!

最新号、SPUR8月号の大特集「私たちは思い出を着ている」。お楽しみいただけたでしょうか。読者の皆様のエピソードに触れるたび、自分の思い出もブワッと蘇りました。

1999年ごろ、当時ど田舎の高校生だった私は猛烈にマーク ジェイコブスに憧れていました。お金を貯めて飛行機で東京へ行き、デパートで「MARC JACOBS LOOK」というロゴ入りのデニムトートバッグを買いました。夏休みの登校日、帰りの汽車に乗っていると、理系の進学クラスの中でも文化系のおしゃれ男子で気になっていた子から「それマークの?」と話しかけられ「そうだよ」と答えました。たったそれだけの会話でしたが、夕日が差し込む車内で乗客は私たちしかいない、その空間がなんだか永遠のように感じられて、ちょっと甘酸っぱい気持ちになりました。

そのバッグは細いレザーのハンドルが千切れるまで使い続け、今は手元にありません。あれからいつだってマークは憧れでしたが、正直ここのところのコレクションは好みではなく、動向を見守る程度。ところが、この秋冬はヒップホップカルチャーをベースにした70年代風の提案がめちゃめちゃ可愛くて久々に興奮しました。着たいものがいっぱいだ!と。心の中で「お帰りなさい、マーク!!」と叫んでいましたね。その勢いのままゲットしたのがこちらのミニバッグ。Jのマークが上下に配された新しいアイコン「スナップショット」です。デビュー時から気になっていたけれど、買うまでに至らなかったのに。人の心は移ろいやすいものです。

縦横サイズはiPhone6plusがすっぽり収まるくらいです。スマホ2台、各種カード、”まめ財布”、鍵、リップを入れてます。カラフルで太めのストラップが目を引いて、夏のシンプルなスタイリングにハッピーなムードをプラスしてくれます。マーク ジェイコブスにしてはかなり手頃(約4万円)っていうのがポイント高い!

物は違えど、あの頃好きだったブランドのバッグを今再び持っていると、ファッションは思い出の数だけ自分らしい着こなしになっていくのかもしれないな~なんて少し感慨深くなりました。

*ちなみに、この秋登場するマーク ジェイコブスのトートバッグも激しくおすすめです。デザインと価格のバランスが素晴らしいんです! また別の機会にご紹介させてください!

エディターKINUGASAプロフィール画像
エディターKINUGASA

顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。

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