体の不調は虫のせい!? 【針聞書(はりききがき)】の虫ぬいぐるみ

すっかり涼しくなってきて、秋服をエンジョイできる季節! 私は秋花粉にやられ、鼻水ずびずびの中、涼しい秋を満喫しています。急激な気候の変化で体調を崩されてしまった方も多いのではないでしょうか。

今でこそ、「この鼻水は花粉だ」とか、「この頭痛は低気圧のせい」と、体調不良の理由がわかります。でも、はるか昔の戦国時代の人たちは、病気は虫が引き起こすものだと考えていたんだそう。それがわかる資料が、九州国立博物館に収蔵されている「針聞書(はりききがき)」という古文書なんです。そして先日、この病の元である虫のぬいぐるみをゲットしました!

にくめないお茶目な表情がツボ!

針聞書ぬいぐるみ2体
ユニット感のある2匹

「針聞書」には針の打ち方や人体解剖図に加え、全部で63匹の病の原因となる虫の図が収録されています。その虫の特徴と治療に有効な漢方薬が記載されていて、当時の病気に対する考え方がわかる貴重な資料なのだそう。

体の中にいる虫なのでもちろん目には見えず、作者の想像上の図になるのですが、これがなんともユニークなんです。とぼけた表情と、いそうでいない造形。この虫がぬいぐるみになって、九州国立博物館のミュージアムショップで販売されているんです! 中にはビーズがぎゅうぎゅうで、腹の中には鳴き笛入り。すっかり魅了されて、2匹連れて帰ることに。

油っけのある食べ物を好む、気積(きしゃく)

気積(きしゃく)のぬいぐるみ

こちらは気積(きしゃく)という名前の虫。一見、もちょっと三股に割れた口元がキュートなのですが、棲みつくのは胃袋の中で、おかずといっしょにご飯が来ないと食べないというわがまま虫。さらに病状としては色事を好むようになるそう……。虎のハラワタを食べるとこの虫は消えます。

閻魔大王に悪事をチクる、蟯虫(ぎょうちゅう)

蟯虫(ぎょうちゅう)のぬいぐるみ
見た目にそぐわず、意外と怖い

愛嬌のあるガガンボのような見た目のこちらは、蟯虫(ぎょうちゅう)。長く伸びているのは舌だそうで、めちゃくちゃおしゃべり。閻魔大王に、とりついた人の悪事や口に出していない欲望までをチクるという厄介なやつです。とりつかれると、天罰の病をわずらって死んでしまうという怖い一面も…。

と、これはまだほんの一部で、知れば知るほど面白い虫がたくさんいるんです。ミュージアムショップには解説本も売っていて、まんまと購入してしまいました。

ぬいぐるみは各1,300円。ちょっとしたお土産にもかわいい針聞書の虫グッズ、他にもキーホルダーや文具などがミュージアムショップやECサイトで販売しています。まだまだユニークな虫たちもたくさんいるので、見逃せません。

「自分にとりついてるのはこれかな~」と想像を巡らせつつ、お気に入りの1匹を選んでみてください。

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エディターKAGOHARA

メンズ誌から異動してきたのですべてが新鮮な毎日!お笑いとぬいぐるみとドラァグクイーンが好きです。「なにそれ!」とツッコまれそうな服に目がありません。野菜が苦手です。

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