コモン・センスから解き放つ「私はNo Normal Jewelry」

華やかなヘッドピースはオケージョンのためのもの? ブローチは胸にひとつだけ飾るのが正解? 答えはNO。時間も場所も気にせず思うままにジュエリーを取り入れて構わない。リモート会議が主流になった今、自宅でも顔まわりを華やかに飾ることは必要不可欠だ。それを後押しするように、今シーズンはこれまでの常識を覆す、普通じゃないアイテムがずらり。ルールから解放されたそのときから、ファッション・ファンダムの扉は開く。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_1
ヘアアクセサリー¥118,000・イヤリング¥114,000・ブラウス¥95,000/グッチ ジャパン(グッチ)

こめかみまで覆うヘッドピースと肩につくほど長いイヤリングに、光を受けるたびに燦然と輝くクリスタルを配した。その服は、とびきりゴージャスなドレスを選びたくなるけれど、あえて甘いブラウスとスタイリング。ランウェイでも、クラシカルなワンピースやリバティプリントのスーツとの合わせで登場。アレッサンドロ・ミケーレによる「常識」への反逆心が垣間見える。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_2
チョーカー¥124,000・コート¥410,000(ともに予定価格)/プラダクライアントサービス(プラダ)

小さなビーズをつなげて作られた繊細なフリンジが波打つ。“つける”というより“まとう”と表現したくなるチョーカーは、重厚なコートとスタイリングしても圧倒的な存在感。揺れるたびに隙間から肌がのぞき、コレクションテーマ「シュールグラマー」に呼応するように女性らしさを強調する。幅広いネックデザインと好相性なため、自由に手持ちの服をアップデートしたい。

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ピアス(片耳)¥86,000・ネックレス¥171,000(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)・ドレス¥610,000・トップス¥630,000(ヴァレンティノ)/ヴァレンティノ インフォメーションデスク

感覚や感情をキーワードに、“人間らしさ”を突き詰めた今シーズン。目や鼻、口、手といった五感をつかさどるパーツをダイレクトにデザインしたジュエリーは、そのテーマを象徴するアイテムだ。ユニークさだけにとどまらず、厳粛なムードも放つのは、メゾンが積み重ねてきたクリエイティビティのなせる業。テレカンファレンスでも、華やかで遊び心のある印象へと導いてくれる。

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ネックレス¥164,000・ドレス¥233,000・スカーフ¥49,000/メゾン マルジェラ トウキョウ(メゾン マルジェラ)

ハンドペイントと樹脂加工で作り上げたフルーツとベジタブルは、本物と見間違うほどリアル。メゾン マルジェラらしいユーモアが漂い、カンバセーションピースとしてひと役買ってくれそう。そのユニークなモチーフは、メゾンが提起する重要な概念、“サステイナビリティ”と“リサイクル・アップサイクル”に対する意識を反映したものだ。ブランドの表現するアティチュードをまとって。

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ピアス¥119,000・ドレス¥606,000/ジバンシィ表参道店(ジバンシィ)

カーブを描いたゴールドトーンのプレートが光を四方に反射させ、オンラインミーティングでも存在感を発揮する。先端にはバロックパールが一粒。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_6
ヘッドピース£395/スーザン ファング リング(右手)¥14,000・(左手人さし指)¥11,000/ハルナスギエ リング(左手薬指)¥22,000/ブランドニュース(ラウタシー×ハルナスギエ) ※£1=約142円です(9月1日現在)。

ピンクのニットとガラスのスターモチーフをドッキングしたロマンティックなヘッドピース。リングは骨や脂肪を美しいガラスで表現。意外性のあるモチーフも、アートピースのようなシェイプによって自然と指になじむ。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_7
ヘッドピース¥156,900/タカヒロミヤシタザソロイスト.アオヤマ(タカヒロミヤシタザソロイスト.) ピアス¥47,000/ドーバー ストリート マーケット ギンザ(エリクソン ビーモン) ネックレス¥60,000/カンミンキム ウィズ オオワタリ ドレス¥36,000/UNIT&GUEST(バウム・ウンド・ヘルガーテン)

ジェンダーの“常識”を取り払うメンズコレクションに登場したティアラと、エクストリームサイズの安全ピンのピアスで顔まわりを華やかに。首元はインダストリアルなコイルに上品なパールモチーフをあしらったネックレスで盛り上げて。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_8
ヘアジュエリー¥16,000(3泊4日のレンタル料金)/atelier ST,CAT イヤーカフ(両耳セット)¥16,000/TOGA 原宿店(トーガ) チェーンのピアス¥70,000/H.P.FRANCE(ウッターズ・アンド・ヘンドリックス) ドレス¥39,800/THE WALL SHOWROOM(ドリーム シスタージェーン)

現代彫刻から着想を得たヘッドピースは一点ものでレンタル専用。耳を覆う有機的なフォルムのイヤーカフは耳まわりのアクセサリーの新境地だ。ネックレスのようにチェーンがつながったピアスのテーマは反抗。アジャストすれば、ショートピアス、アシンメトリーピアス、ロングネックレスとしても使用可能。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_9
リング(右手人さし指)¥27,000・(右手中指)¥26,000・(右手薬指)¥32,000/THE WALL SHOWROOM(ラッツェル アンド ウォルフ) リング(左手)¥360,000/H.P.FRANCE BIJOUX(バグバグ バイ メラニア・クロッコ)

ダイヤモンドとブラックダイヤモンドを贅沢に配したコイル状のリングは、まるで何本もスタッキングしているかのよう。ネイルにセットするリングが既成概念への反骨心を薫らせる。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_10
ブレスレット¥150,000・バングル¥100,000/アンブッシュ® ワークショップ(アンブッシュ®)

工業用のチェーンやカラビナをジュエリーに昇華。カラーリング部分はラバーコーティングされており、マットな質感がモダンなムードを後押しする。バングルは優れた日本の職人技を用い中を空洞にすることで、軽量化もかなえた。

コモン・センスから解き放つ「私はNo Nの画像_11
ネックピース¥129,000・ブローチ¥115,000・ニット¥122,000/ドリス ヴァン ノッテン

70〜80年代のロンドンのクラブシーンとともに、セルジュ・ルタンスの妖艶で官能的な世界観を表現した今季。スパンコールによるフラワーモチーフのネックピースは手のひらより大きな大輪だ。ブローチは3色セットになっており、自分の好きなバランスでスタイリングできるのがうれしい。きらびやかでありながらどこか影があるアイテムは、つけた人を叙情的なムードで包み込むだけでなく、モニター映りもばっちり。


SOURCE:SPUR 2020年11月号「私はNo Normal Jewelry」
photography: toki styling: Sumire Hayakawa 〈KiKi inc.〉 hair & make-up: Mika Iwata 〈mod’s hair〉 model: Urvashi Umrao text: Mai Ueno edit: Ayana Takeuchi

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