ドリス・ヴァン・ノッテン、アン・ドゥムルメステールら6人が、彼らの街とアントワープ王立芸術アカデミーを世に知らしめて、はや40年。これを記念する展覧会にアントワープきっての新星、ジュリ・ケーゲルと訪ねた。「6人のストーリーを知ったとき、衝撃を受けました。驚きはクリエーションの原動力です」そう語るジュリは同校で“シックス”のメンバーから学んだことを回想し、この街の創造的土壌を分析。彼女にとっては、アントワープに住み続けてクリエイトする意味を再認識する機会となった
ドリス・ヴァン・ノッテン、アン・ドゥムルメステールら6人が、彼らの街とアントワープ王立芸術アカデミーを世に知らしめて、はや40年。これを記念する展覧会にアントワープきっての新星、ジュリ・ケーゲルと訪ねた。「6人のストーリーを知ったとき、衝撃を受けました。驚きはクリエーションの原動力です」そう語るジュリは同校で“シックス”のメンバーから学んだことを回想し、この街の創造的土壌を分析。彼女にとっては、アントワープに住み続けてクリエイトする意味を再認識する機会となった
「アントワープの6人」の軌跡が教えてくれること
1970年代終盤、アントワープの街には若い世代の創造力がマグマのようにふつふつと湧いていた。ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクがアントワープ王立芸術アカデミーのファッション部門に入学したのは1976年。翌年にはドリス・ヴァン・ノッテン、アン・ドゥムルメステール、ダーク・ビッケンバーグ、ダーク・ヴァン・セーヌ、そしてマリナ・イーが続く。彼らの間に友情と呼べるもの以上の結束が生まれるのにそれほど時間はかからなかった。コンサバで頑固な先生と学校のシステムに対する反骨精神が、彼らの共通点だったのだ。スタイルは異なり、デザインユニットでもない彼らが“アントワープの6人”と呼ばれるようになったのは、1986年のこと。学校を卒業後、フリーでの経験を経て自身のブランドを築いた彼らは、この年一緒にロンドンに向かった。
陰で彼らを支え、ロンドン遠征を企画したのは、アートディレクターで、アントワープのセレクトショップ「ルイ」を立ち上げた、ヒェールト・ブリュロートだ。展示ブースの条件の悪さのため期待外れだった初日にめげず、6人はすぐにフライヤーを作って配布。そうしてバイヤーやプレス陣が訪れると、瞬く間に評判は広がった。それ以来、今年で40年がたつ。アントワープのモード美術館MoMuではこれを記念して『アントワープ・シックス』展を開催中。本展は単に歴史を振り返るのではなく、ジュリをはじめ、アントワープ・ファッションを担う次世代にインスピレーションと勇気を与えている。
Nationalestraat 28, 2000 Antwerpen
開演:10時〜18時
定休日:月曜
電話番号:+32 3 339 4700
本展のポスター・ビジュアルに使われたのはアンの夫、パトリック・ロビンが撮影した若かりし頃の6人のポートレート
(左)Photo: Patrick Robyn (右)Photo: Courtesy of MoMu
Julie Kegels invites Hannelore Knuts ジュリがハナロアと語る「アントワープ・シックス」
彼らのデビュー当時にはまだ生まれていなかったジュリが「アントワープ・シックス」談議に招いたのは、同郷のレジェンドモデル、ハナロア。世代の異なる二人は、いまだ息づくこの街のエネルギーについて意見が一致した
ベルギー・アントワープ生まれ。2021年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、地元のアパレルメーカーやメリル・ロッゲ、次いでパリでピーター・ミュリエ率いるアライアで経験を積む。その後アントワープに戻り自身のブランドを設立。2024-’25年秋冬パリ・ファッションウィークでデビュー。ウィットをきかせつつ、多様な女性のアイデンティティを描くコレクションで高く評価されている。9月に最終審査結果が発表される本年度のLVMH賞では、ファイナリストの一人に。
ハナロア・クヌッツ●ベルギー・ハッセルト出身。アントワープ王立芸術アカデミーの写真部門1年生だった1998年、ヴェロニク・ブランキーノのショーでランウェイ・デビュー。瞬く間にモデルとしてのスターダムに躍り出て、学校を中退。シックスの面々(ビッケンバーグを除く)と頻繁に仕事をし、パフォーマンス力を磨く。モデルを辞めて俳優やクリエイティブ・ディレクター、テレビのプレゼンターなどを経験した後、メディテーションを習得してインストラクターに。最近ではモデルも再開すると同時にベルギー・ファッションを代表するパーソナリティとしてトークショーなどのイベントで活躍。昨年は自伝『HK & IK』を出版した。
The Antwerp Six at MoMu 6人6様の世界観
The Antwerp Six at MoMu – Fashion Museum Antwerp, 2026, © MoMu Antwerp, Photo: Stany Dederen










